第6話身の危険を感じた

朝の教室。


俺は今、自分の席で優吾とゲームの話をしていたっと言ってもソシャゲのサッカーゲームの話だ。


「俺こいつ出たんだよねー」


と言って優吾が俺にスマホの画面を見せてきた。スマホの中にはイカツイ外人が映っていた。


うわぁ〜〜、俺興味ねぇなぁ。しかし優等生の俺は興味がない話でも嫌な顔一つせずに聞かなきゃいけないのだ。


「良かったな」


だからそう俺は笑顔で言った。


「ああ、それでよ聞いてくれよ司。昨日ミエがよう、笑顔が気持ち悪いって言われたんだよ。マジよあいつ何であんな事言うかな?あの女ブスのくせにマジうぜえ!!」

「まぁまぁ、ミエもお前の事を思って言ってるんだよ」


優等生の俺が人の悪口を言う事なんて出来る訳がなく、自分でも無理があるなぁと思いながらとにかくそう返した。


「んな訳ないだろ!」


そこで俺の席に一学校一の美少女で嫌われ者そして俺のご主人様の鷹宮が来た。


「すこし良いかしら」

「ああ?今は無理だ後にしてくれ」


そう優吾が言った。


「うるさいわよ、私は司くんと話しをしているのあなたに聞いてない。それに私もあなたの笑顔、生理的に無理だわ」


そう優吾にはっきりと言った後に俺の方を向いた。


「それで、すこしいいかしら?」

「あっああ、別にいいよ」


そう言って俺は席を立つった。

俺は鷹宮の後に続いた。すると着いたところは、いつもと同じ屋上に続く階段だった。


「昼食は一緒に撮りましょう」


鷹宮はニコニコ笑顔で言った。

さっきの優吾への対応との違いに驚いた。


「分かった、じゃあどこで食べようか?」


断ったらどんな目に遭うか分からないので、俺はオーケーと言っといた。


「ふふふ、やったわ。そうね場所は……出来る事なら私司くんと二人っきりで食べたいわ。ダメ…かしら?」


鷹宮は上目遣いでお願いしてきた。


かかかかかか、可愛いいいいいいい!!


と心の中で叫んでいた。

それと同時にいつもツンツンしている鷹宮が上目遣いでお願いしてきて俺は普通にどう対応すれば良いか戸惑っていた。


俺はそれを聞いて彼氏彼女みたいだなぁと思っい自分でも分かる程顔を赤らめていた。


俺はやっとの事で戸惑っていた状態から脱した。


クソ!なんだむっちゃ可愛いじゃねえか!!俺だけ照れて何か割りに合わない。やり返してやる。


「ああ、二人で食べたいね。なんならあ〜んもしてもらいたい」

「ふぁい!」


鷹宮の頰は赤く染まっていた。


俺がやり返して来るのを想像していなかったのだろう、鷹宮は変な声を出す程驚いたのだろう。


よっしゃ驚いてる!

最近、俺も鷹宮に驚かされっぱなしだったから、結構スッキリしたわ。


「そそそ、それじゃあ昼休みに」


そう言って鷹宮は頰を赤らめたままにどっかへ行ってしまった。


俺は昨日の帰り際に放った甘えてもいいかしら、というお願いについて考えた。


鷹宮は何事も一番を取っている。

恐らく親から何でも一番を取るよう教わってきたのだろう。

しかし、本来は甘えん坊だった鷹宮もさすがに厳しい親に甘えられなかったのだろう。


それで俺を脅して下僕なんかにして俺に甘えようとしているんじゃないかと思う。


そんな事を考えながら俺は教室に帰っていた。


教室に着き自分の席に座ると優吾が俺の席まで来た。


「今度はあの鷹宮にまで告られたか?」


とニヤニヤ笑いながら俺に聞いてきた。


やっぱり笑い方気持ち悪いなぁ〜〜。と思った。


****************


授業が終わり昼休みの時間が始まった。


俺はバックから弁当を取り出すと急いでいつもの場所(屋上に続く階段)まで行った。


いつも俺は優吾と食べているのだが今回は一人で食べてもらう事になる。


優吾に今日は一緒に食べれない事を言ってないので今頃優吾は「司くんどこーー?」なんて言っているんじゃないか。


いつもの場所には俺の方が先に着いた。


なんか俺が鷹宮と食べるのが待ちきれなくて急いできた、みたいな感じで嫌だ。


そんな事を考えていると鷹宮がきた。


「うふふ、司くんも私とお弁当を食べるのが待ちきれなかったのね」

「まっまあな」

「うふふ」


俺まだこのギャップに慣れておらず目を逸らしてしまう。


そして俺は内心、大きく胸を下ろしていた。

鷹宮から下僕になれ、と言われてから鞭で打たれたり縄で縛られたりするのかと思っていたが、この感じなら間違いは起こりそうになくて大丈夫そうだ。


そんな事を考えていると鷹宮は弁当を開き綺麗に切られたタコさんウインナーを箸でつまむと俺に向けてきた。


「司くんはい、あ〜ん」


俺は鷹宮のタコさんウインナーを口の中に入れた。


うわー、こんな美人にあ〜んしてもらえるなんて、あーあでもやっぱり恥ずかしい。


俺はとても恥ずかしかったがコレも俺の注意不足が招いた事だと言い聞かせ耐えた。


味は激ウマだった。さすが天才だ、なにやらせても良い結果を残すな。


俺は正直な感想を口にした。


「凄い美味しい」

「やったー!そう言ってくれて嬉しいわ。司くんのために頑張った甲斐があったわ。はいもう一口。」


そう言って俺はもう一度食べようとすると鷹宮の手に『下僕野郎はハーレムを作るため異世界へ』というMの主人公が異世界転生してヒロインに鞭で打たれたり縄で縛られたりするエロラノベだ、そんなラノベを鷹宮が横に置いているのを俺は見た。


俺はそれを見て身の危険を感じすぐにこの場から逃げた。




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嫌われ者で学校一の美少女と俺の下僕生活 依澄 伊織 @koujianchang

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