第10話 運命の選択

 僕は、迷った。頭がパンクしそうなほどに悩んだ。でも、僕はこの道を選んだ。

 あの声が聞こえてきた。

「選択は済みましたか?それではお聞きします。このままあなたの姿のまま、雲の上にいる大切な人に会いますか?それとも、元の世界へ戻って新たな人生を歩みますか?選択は一回きりです。」

 僕は、決める前に泣きながらこう呟いた。

「みんな、ごめんなさい。」

 そして答えた。

「もう一度別の人生を歩みます!」

 元気よく叫んだ。すると今までの思い出がぱっと頭に浮かんだ。


 家族のことも、友達のことも。やっぱり嫌いなあいつもまた優しく見えた。それから、おじいちゃんが話してくれた話も何もかもするっと体から抜けて、そこからの記憶はない。

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