第9話 ここはどこ
気がつくと、研究所でも学校でも家でもない。僕一人になっていた。すると、こんな声が聞こえた。
「あなたは、雲の上にいる大切な人に会いたいですか?それとも、元の場所に戻ってもう一度、別の人生を始めますか?」
僕は悟った。湖に落ちて、そのまま溺れたことを。頭が真っ白なのに血が上った感じがした。顔色は青ざめていたのだろう。でも、“大切な人"という名のおじいちゃんにもう一度会えるかもしれないという選択を与えられて、即座にそれを選ぼうとした。でも僕は、星になりたくてここへ来たんだ。だから、星になりたいって叫んだ。でも返事はなかった。
それからしばらく経って、
「また明日、あなたがどの道を選ぶがお聞きします。それまでに決めておいてください。この選択は一度しかできません。あなたの魂があなたの体で最期なのか、もう一度生まれ変わるのかよく考えていてください」一見優しそうに聞こえる声がそう言った。とは言っても、僕にこの話は通じなかった。それはそうだ。学校を辞めたてほやほやの小学5年生だから。
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