第4話 お別れ

 翌朝、家族が集まるリビングへ行くと父も母も仕事へ行く気配がなく、どんよりした空気感だった。僕が話を聞くと、父が涙を堪えるように眉間に太いしわを寄せて答えた。

「おじいちゃんが昨日の晩、亡くなったんだ。今日はおじいちゃんに会いに行こう。まだ病院で眠っているから。」

 僕は、胸のあたりと頭全体にごわごわとした感覚を覚えた。“星の話”がわからないまま天国へ行ってしまったことに後悔するという悲しみも上乗せされて苦しくなった。

 時計に反射し写った顔が真っ赤で、目が腫れていて、襟元がぽつぽつ濡れていて、そんなことは鮮明でなくてもわかった。


 満足にご飯も食べないまま、お腹がいっぱいになって車に乗り込んだ。しばらくすると病院に着いた。車の中では無言で、何も考えていなかった。15分ほどの時間が薄っぺらかった。


 病院に着くと真っ先におじいちゃんが眠る霊安室に向かった。もう冷たかったけどいつものおじいちゃんだった。

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