カロリアスとカロリンヌ

 二人は創造主の目を盗んで、机の上から逃げ出した。実際のところは、開いていた窓から風に乗って飛ばされたわけだが、二人にとっては駆け落ちだった。

 行先は分からない。風向き次第だ。創造主が二人を作ったときに、お互いの手をしっかりと糊付けしてくれていたおかげで、離ればなれになることはなかった。洗濯物を避け、柿の木を乗り越え、連なる屋根を一望し、どんどん高度を上げていく。

 空中で、二人はくしゃくしゃになるほど強く抱き合った。蛇行する川の先に見える海にも気付かない。ぎゅっと固く丸まって、ひとかたまりの紙屑になった。世界にはもう二人だけ。



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テーマ「楽園に行こう」

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