第14話 スライムゲットだぜ

「「スライムだぁぁ」」

 俺と姫姉は叫んでいた。

 スライムは二体飛び跳ねながらこっちに向かってきた。

 すると後ろからゴブリンが二体茂みから現れた。

 スライムは俺たちとゴブリンに挟まれることになった。

「さてこの場合やることは分かっているよな姫姉」

「愚問だよ、優君「スライムを助けるよ|(ぞ)!」」

 姫姉は茂みから出てきて止まっているゴブリンに一瞬で近づきいつの間にか腰に差していた刀でゴブリン二体の首を瞬時に斬り落とした。

 その間に俺はスライムたちを抱き上げた。

「あの、お二人ともスライムが魔物だと分かっていますか?」

「わかっているがなんとなく助けてみた」

 やっぱり初めてのスライムだしちょっとテイムしてみたい。

「それよりもメルさん、スライムってテイムできますか」

「はあ、出来ますがスライムはすごく弱いので戦闘には向きませんよ。どちらかと言うとペットですね」

 まあスライム可愛いし、ペットにはちょうどいいよな。

「じゃあ俺はこっちの水色のスライムにするぜ。姫姉はこの白いのでいいか?」

「うんそっちの可愛いので良いよ」

 俺は姫姉に白い方を渡した。それにしてもこいつ等一向に暴れたりしないのな。

「メルさんテイムってどうすれば良いんですか?」

「知らないんですか。はぁ、テイムはテイムしたいモンスターに念を送って返事が帰ってきたら成功です。スライムですのでそうそう失敗はしないと思います」

「「では、早速」」

 俺と姫姉はスライムに念を送ってみた。するとスライムから何か優しい気持ちが流れてきた。

「成功したらモンスターのステータスが見れるようになりますよ」

 試しにやってみよう。


名前 スライム

性別 なし

年齢 0

種族 スライム

レベル 1


HP 5/5

MP 3/3


スキル

耐性系スキル

物理耐性Lv.1


補助系スキル

吸収Lv.1、消化Lv.1


称号

ユーマの従魔


「スライムって感じのステータスだったわ」

「ではちゃんとテイムできたようですね」

「私も出来たよ。ホワイトスライムだったよ」

 姫姉もテイムできたみたいだ。これで異世界でしたいことの一つがまた叶った。

「ではテイムも終わったみたいですしゴブリンの討伐部位の右耳を取ってしまいましょう」

 メルさんの的確な指示によりゴブリンから魔石と右耳を取った。

「さてまだ時間もあるしもう少しゴブリンでも狩ろうか」

「そうだねこれならまだまだやれるよ」

 こうして俺たちは時間も忘れてゴブリンを狩りまくって、いつの間にか百体も倒してしまっていた。

「メルさん一つ聞きたいんですけど、この森ってこんなにゴブリンがいるんですか?」

「いえ、普通ならこの半分くらいしか出くわさないはずなのですが。もしかしたら王が生まれているのかもしれませんね」

 やっぱり異常な状態だったらしい。

「王ですか?」

 姫姉がメルさんに質問した。

「はい、ゴブリンキングです。キングが生まれるとゴブリンたちが活発になり、集団戦闘を行うようになります。他にも上位ゴブリンのゴブリンソルジャーやゴブリンアーチャーにゴブリンマジシャンなどが増えますね」

「じゃあ今この森って相当危険なんじゃ」

「はい、ですので速やかに街に戻ることを推奨します」

 だが俺たちは思ったよりもゴブリンを倒し過ぎたみたいで、次から次へとゴブリンたちが襲ってきた。

 何とか森の入り口近くまでたどり着いたがそこで俺たちは出会ってしまった。

 普通のゴブリンより倍以上大きなキングな奴に。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る