第6話 僕はついに魔王を倒した!
「王よ。魔王を退治しました!」
「そうかそうか。では勇者よ、魔王を倒した国宝の剣をこちらへ」
「はい。こちらになります」
「では、これはもう不要。処分するのだ。勇者の力ならば、破壊も容易かろう」
「しかしこの剣は国宝。本当に、それでいいのですか?」
「魔王は退治したのであろう? ならば争いの元となる武器などいらぬ」
「王がそう言うのならば……承知しました」
「……無事、破壊できたようだな。して、なんなりと褒美をとらそう。
なんでも述べよ」
「ではひとつ、答えていただきたい質問があります」
「儂の知ることなら何なりと答えよう」
「魔王を倒しましたが、魔物は減る気配もありません。
世界はいつ、平和になるのでしょう?」
「はっはっは。そんな簡単なことか。ならば答えて進ぜよう」
「いだつなのでしょう?」
「儂が世界を統一すれば、争いは無くなる。戦を何度かした後(のち)にな」
「戦!? 魔王を倒したのは平和のためでは無かったのですか!?
「何を言う。もとより勇者にアレを倒すよう命じたのは
儂が世界を統一するためだ。そもそもお前が魔王として倒したのは、神だ」
「神!?」
「気にするな。所詮呼び名の違い。魔王も、神の一人だ」
「……では、神が死ぬと、何が起きるのでしょうか」
「神罰と呼ばれる物がなくなる。つまり、封印された真の魔力を解放し放題だ」
「封印された力が復活するって……それでは、まるで魔王みたいじゃ……」
「悪魔も神も、同じ生き物。倒せるのは勇者と伝説の剣のみだからな」
「もしかして、王が……」
「……魔物の王が魔王だと、いつから思っていた?」
*
最初、この話は魔王がでてこないっておもったでしょ。
ついでに、かわいい女の子も出てこないと思った?
残念!
最初にいる王様が魔王さんでした。
魔王さんは、勇者をだまして、無事完全体へと復活を果たしたのでした。かくした魔王は、世界を征服します。でも、征服してしまったあとは、戦う相手もいないし、実はある意味平和になるんじゃないかな、とちょっと思ったりするよ。
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