第19話 嵐前
俺の朝は相変わらず早い。
今日も教室に入るのは1ば───
「いっちばんのり~~!!こんな早く来たの初めて~!」
そう。今日は2番乗りである。
今日はこの、エミリ、じゃなかった。ストーカ、じゃなかった。雲水と登校してきたのだ。一番乗りにこだわりは無いから別にいいけどね。
ま!誰が一緒にいようと関係ない!俺はラノベを読むだけ!!
席について本を取り出す。
俺の席は窓側の一番後ろ、端の端である。
対して、雲水は廊下側の一番後ろ、のはすなのだが
「なんで俺の前に座ってんの?」
当たり前のように俺の前の席で教科書をカバンから取り出している雲水に声をかける。
「ん、ここの席だった子が私と席交換していいよって言ってきたの。優しいよね。」
えぇ....っとここの席だったの子の名前は....わ、わからん......流石ぼっちな俺....。
とにかく、ここの席だった子マジでやってくれたな。めんどくさいことしやがって。
「そうか、とりあえず俺はラノベ読むから、邪魔はしないでくれ。」
「わかった。」
案外すんなり了承してくれた。さ、読むか。
ガヤガヤ......ガヤガヤ......
ラノベに集中してて気づかなかった。もうすぐHRだ。んで、雲水はっ......と。
「そりゃ、そっか。」
雲水はクラスメートと談笑していた。
俺に関わったことを公言した事で友達が居なくなるんじゃないかとか思っていたが、そんなの杞憂だったみたいだ。
クラスメートからの信頼あついもんな。
うん。ちょっと寂しい。いや、ちょっとだけだよ......って俺ツンデレかって。
脳内でキモイ論争を繰り広げていると、先生が入ってきた。
「えー、少し話がある。」
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「えー、少し話がある。」
開口一番に先生はこう言った。自分の友達は、えーやばくなーいとか薄っぺらい言葉を並べている。
「とりあえず席についてくれ。」
そう言われ、さぐりんの前の席に座る。
ふふふ。やっぱりこの席最高。ほんとに友達使えるわ~。
けど、そんなふうに浮かれていた私も、次の言葉で冷静になる。
「転校生が来ている」
例えさぐりんに熱を注いでいるからといって、やはり今まで培ってきたクラスメートの信頼を裏切るのは得策ではないと思った。
こうして、さぐりんの前の席に座れるし。
だから、転校生とは早く仲良くしないといけない。基本的に転校生は影響力が強いからね。
にしても、高校で転校は珍しいな。余程の事情があったのか。
緊張した面持ちで待っていると、転校生が入ってきた。
「うそ.......でしょ...........」
入ってきた転校生を見て、私は絶望した。
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こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。
レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。特にレビューして下さるとすごくハイテンションになって裸で踊り狂います。質問等もお待ちしております。
毎日投稿を心がけておりますが、嵩いの李は現役高校三年生受験生なので、やむを得ず投稿できない日もあります。何卒、御理解お願いします。
これからも『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。
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