第31話 気になる事
最近、
いや最初にソエルさんを見た時から気になっていた事がある。
髪の色と目の色だ。
ルビーのように綺麗な赤色。
染めたような不自然さは無く、元からそうなのだと分かる。
俺と同じで。
俺の場合はいじめられる原因にもなった訳で、
あまり好きでは無かった。
しかしこっちに来てからはそんな事は起こらず誰にも何も言われる事もない。
だが昨日、ライさんは言った。
自分達は精霊と人間の間に生れた子供だと、
ライさんとジンさんは体型こそまったく違うものの、その髪色と目の色は二人とも綺麗な黄色だ。
まったく同じ色。
そして俺とソエルさんも同じ……。
偶然……なのだろうか。
それとも……。
―――――――――
と、言う訳で図書室で調べてみた。
分かった事①
精霊と人間の間に子供が生れた場合は必ず双子になる。
先に生れた方が精霊寄りの大きな魔力を持ち
後から生まれる方は人間寄りで強い魔力の代わりに人の体を持つ。
そして血で繋がった二人は産まれ時点で契約で結ばれている。
分かった事その②
精霊と人間が契約を結ぶには魂の波長が同じでないといけない。
そして契約を結ぶ前では声で語りかける事しか出来ない。
精霊界と人間界では距離がありすぎるため、そして精霊は体を持たないため。
つまり最初の時点で人の体を持っていたソエルさんは誰かと契約した後だって訳だ。
いやそもそもあの感覚
心の会話。契約印での会話と同じ。
もし俺の思った通りなら……。
いや、そうなると謎だ。
何故わざわざ回りくどい事をしたのか。
何故俺に秘密にするのか。
何故俺はそれを知らないのか。
俺に話してくれた兄を探してるってのは嘘なのか?
……昔の記憶、一つだけ覚えている。姉の記憶。
「ごめんねヒカル、姉さんはやらなくちゃならない事があるの……。でも大丈夫、あなたは一人じゃない。忘れないで、あなたはいつでも愛に包まれているって事を。」
……アカリ姉。
この世界に……いるの?
――――――――――――――
「ぶえっくしょい!!」
「うわっ!汚ねえな!抑えろよ!手でよお!」
「うるさいなー。しょうがないでしょうが!!あははは!今のはしょうがが2回」
「分かった分かった。黙ってろ馬鹿。」
「はぁ?馬鹿ぁ?あ~ヤダヤダ可愛い妹に馬鹿だなんて。オニイチャンヒドイー。」
「はぁ。なんでお前が妹なんだろうな。ソエルと逆なら良かったのに……。」
「キモー!シスコンマジキモー!!」
「あ"ぁ?てめぇは人の事言えないだろ!ブラコン野郎が!!」
「ちょっとヤメテ~。ブラコンだとお兄ちゃんも入っちゃうじゃん!私はヒカルが好きなの!」
「分かったよ変態。」
「お兄ちゃんに言われたくない。変態シスコン野郎!!」
「お前なぁ。兄ちゃんにそんな口きいていいと思ってんの?あのアカリ姉大好き抱き枕(笑)ぶっ壊すぞ?」
「へぇ~やってみれば?そしたらお兄ちゃんのラブリーソエル写真集(笑)燃やすよ?」
「殺すぞ。」
「こっちの台詞だよ。」
「「ウガーーーー!!!!」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます