第23話 VSカグツチ(後編)
(奴の属性はどう見ても火ですね。)
((それなら私達がメインな訳ね。))
(僕の魔力を使って下さい!基本の4属性しか持っていませんが、精霊さんなら水を氷に変換出来るはずです。)
(モチ!やるよ冬子!ソエルちゃんは魔王さんの身体の中を強化、特に体温調整に気をつけて!)
(了解しました。ヒカルさんと私は一心同体です、ふふ。)
(ならば私はヒカルの目になろう。どんな攻撃も見切ってやる。)
すげーなカマセさん。さらっと言ったけどチートだろ。自分で魔法が使えれば。
(呑気に考え事してるな!集中しろヒカル!!)
おーさっきまでのおふざけは一体……。
まぁいいや。
(来るぞ!避けろ!)
「死ねえぇぇぇぇぇぇ!!!」
燃え盛る巨大な拳が迫る。
さっきまで勝てる気がしなかったが、今は逆に
負ける気がしない!!
ズガァァァン!
一瞬前まで俺が立っていた場所、塔の少し前の地面を殴るカグツチ。
「なっ!消えた!?」
お約束の反応だな。
下だよ!
「アイリさん!ソエルさん!」
((はい!))
地を蹴り一気に奴のアゴ下へ。
「「必殺!!昇○拳!!!」」日本人の俺と会長が叫ぶ。
チラッと会長の方を見ると手を振っていた。隣のアイリさんは目を閉じて魔力コントロールに集中しているご様子。
多分会長が目で見てタイミングを合わせてるんだろう。
カマセさんの膨大な魔力を氷属性に変換、威力強化した拳の威力は凄まじく、
スッコーーーーン!!
と気持ちいい音を立て
10メートルはあろうかという巨体が宙に浮く。
「ゴ!ガァァァァァ!!」
そして拳が触れた部分、アゴ下からどんどん体が凍っていく。
お互いに浮いているこの状況。
悪いけど追い打ちかけさせて頂きます!
「アイリさん、足場をお願いします!」
(OK、その後はアレだね!)
足元の空気が凍る。
それを蹴ってカグツチの上に跳び、
クルッと回って一回転、
そう皆の憧れ
「喰らえ!空中踵落とし!!」
(キャー!魔王さんカッコいいー♥️)
上を向いた顔面、その中心に踵を叩きつける。
「グガァァァァァァァァァァァァ!!!」
顔を薄く覆っていた氷がひび割れその上からまた凍り始める。
いや~変態でも美少女の声援ってすっげー気分いいな。
((デレデレすんな!!一人じゃ何も出来ないくせに!!!))
ソエルさんとユウちゃんが叫ぶ。
グッハァ!!急所を狙った容赦ない攻撃。泣きそうだよ(泣)。
ドガァン!
とカグツチが頭から地面に落ちる。
これで終わってくれるか?
(まだだヒカル!何か来るぞ!)
(ですよね。アイリさん!お願いします!)
(りょうか~い♥️)
「ウオオオオオォォォォォ!!!!!」
雄々しい叫び声を上げるカグツチ。
所々に張り付いた氷が一瞬で蒸発し
全身から炎が立ち昇る。
最初の火柱の10倍くらいか?
炎は猛然と迫るが熱はまったく感じない。
右手を突き出して落下する俺の手と炎が触れる。
ピキィン!
しかし俺の手が燃える事は無く
逆に炎が先端から凍りついていく。
「チィッ」
冷気が体に達する前にカグツチが立ち上る。
が冷気は止まらない。
火柱が氷柱に変わり、地面に達した冷気は砂の地面を氷で覆っていく。
「クソがぁぁぁ!!」
地面を殴りつけ周りに炎を伸ばすカグツチ。
地を這う冷気と炎がぶつかる。
しかし、当然のように炎が凍りつくだけで冷気は以前止まらない。
「アアアァァアァアアアァァアァ!!!!!!」
怒りに燃えるカグツチが飛びあがり氷柱の上にいる俺を直接殴りに来る。
いくら速かろうが冷静さを失った大振りの一撃。
ユウちゃんが視る事だけに魔力を集中した視界の前では
カウンター待ちのサンドバックにしか映らない。
(そろそろ終わりにしてやれヒカル。)
(了解っす。)
足を引き、左手を前にかざし右手は腰だめ。
(イきますよ皆さん。)
((絶頂!?))
(……キメますよ皆さん。)
((シ○ブ!!??))
(((…………。)))
((「黙れ変態がぁぁぁぁぁぁ!!!!!」))
「グギャアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!!」
カウンターの右ストレートを喰らったカグツチは落下しながら纏った炎を消していった。
ドォン!
と地面に落ちた時には元の大きさに戻り、立ち上がる気配は無い。
終わったのか?
ヒドイ最後だったが……。
とりあえず
(皆さんご協力ありがとうございました!)
(((((お疲れ様でした!)))))
テッテテー ヒカル は超必殺技「怒りの鉄拳」を覚えた。
消費ツッコミゲージ7
変態を2人以上疑似憑依した状態で使用可能。
ツッコミ側のキャラクターが多い程威力に補正がかかる。
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