第22話 VSカグツチ(中編)
心の中に直接声が聞こえた。
(えへへ、やっぱりヒカルさんはカッコいいですね。)
(フンッ私を倒したんだあんなカス魔族になど負けられては困る。)
(ヒカルさん!僕達はヒカルさんの手下です。一緒に戦わせて下さい!)
「みんな。」
思わず胸が熱くなる。
泣きそうだよ。
(もう泣いてる場合じゃないですよ!)とソエルさん。
(そうですよね。皆さん協力お願いします!)と俺も心で会話する。
(そうじゃなくてだな。)とユウちゃん
(??何ですか?)
((この魔力は何だ(ですか)?))
この魔力??
(は~い皆さん初めまして!生徒会長の雪山冬子と)
(冬子の契約精霊のアイリで~す。)
((イエ~イ!))
(((…………。)))
後ろを振り返ると壁に背を預けた会長と憑依を解除したのだろう、隣に座るアイリさんが手を振っている。
((どういう事だ(ですか)!!))
(いやいや落ち着いて下さいよ。色々あって生徒会に入っただけで、)
(ハァハァヒカルく~ん。私もう我慢出来ないよぉ。ハァハァ)
(私もだよぉ。魔王さんの熱いの欲しい。ハァハァ)
(ちょっ!何言って)
((死ね!!変態野郎!!!))
(あ~もう!面倒だなぁ!)
(あっはっはまぁまぁそんなに怒らないでよヒカル君。帰ったら気持ちよくしてあげるから。)
(そうだよ魔王さん。落ち着いて♥️)
((黙れアバズレ共!!ぶち殺すぞ!!))
(………(イライラ))
(や~ん、殺すだってヒカル君。私怖いよぉ。)
(怖くて震えちゃうよ~。魔王さん抱き締めて~♥️)
(皆さんいい加減に)
(あの~ヒカルさん僕達には見えないんですが敵は何してるんですか??)
あ。
「ヒッヒッヒ、目を閉じて瞑想かい?今楽にしてやるからなぁ!!!」
いつの間にか目の前にいたカグツチが拳を振り下ろす。
(((((ヒカル!(さん!)(君!)(魔王さん!)手を前に!!!)))))
「はい!!」
ギィンンッ!!
3色の魔力が巨大な手を形作りカグツチの拳を弾く。
「なっ!何だこの魔力!?」
カグツチは驚愕の声を上げた。
「てめぇ!火の精霊使いじゃねぇのか!?」
(ヒカルさん言ってやって下
!)
(奴はビビってるぞ、ヒカル!)
(ヒカルさんカッコいいっす!)
((ぶちかませー!魔王さーん(様ー)!!))
心の中でこれだけ好き勝手に騒がれたら嫌でもテンション上がっちゃいますよね!!
「クックックックッ、ハッハッハ、ハーーーハッハッハッハ!!!!」
「な、何が可笑しい!?!」
「火の精霊の契約者は仮の姿!俺の真の姿は!俺の………」
(何て名前でしたっけ?ドラ?)
(((((ズコーー!!)))))
いやズコーて何ですかその古いリアクション。
(ドラ……ゴリウスですよ?)とソエルさん。
(いやドラ……ゲリン?だろう。)ユウちゃん。
(ドラ……ドラ………ドラ○もん?)会長。
(どら焼き美味しいよね♥️)アイリさん。
(僕も食べた事あります。人間界の食べ物って美味しいし見た目が綺麗で良いですよね。)カマセさん。
(ねー♥️カマセ君は何が好)
(ちょちょちょ!!ちょっと待って下さい。話がどんどんズレてるって言うか、考える気無いですよね!?)
((勿論!忘れちゃったもん♥️))変態2人。
(はぁ。)
(すみませんヒカルさん僕も思い出せなくて。もうヒカルさんの名前でいいんじゃないですか?)
(ドラゴリウス!)
(ドラゲリン!)
な~んか違う気がする。
(まぁいっか。)
「い……おい……おい!!」
「うおっ!」
「何を黙っているてめぇ。何が言いたい!?!」
おぉ馬鹿な話し合いを待っててくれたのか。良い人だな。
「クックック、俺の名は新田ヒカル!頼れる仲間達と共に戦う人間にして最強の魔王!借り物の魔王新田ヒカルだ!!」
フッ決まったぜ。
(借り物の……)
(借り物の魔王……)
(((((プッ……クックッくくく。)))))
!? 笑われてる……だと!?
「ヒッヒッヒ、ヒーーーヒッヒッ!!借り物の魔王だと?馬鹿が!魔王とは魔界の王!頂点に立つ者だ!一人で全てを超える者を魔王と呼ぶんだよ雑魚が!!」
「クックック、馬鹿は貴様だ。一人で全てを超えるだと?そんなのは仲間を信じる事が出来ない小さい奴の言い訳だ!仲間の力を信じ、共に戦う者こそ真の魔王!見せてやるよ。借り物の力。」
(ぶっ……くく、見せてやるよ。借り物の……ふっ……ふふ力、アーーハッハッハッハ!!借り物、借り物の力てあっはっはあっはっは!!)
ヒカルの精神に1000ダメージ!
(おいソエル、あんまり笑ってやるなよ。確かに敵の言ってる方が魔王として正しいと思うが。)
ヒカルの精神に1000ダメージ!
((ヒカル君(魔王さん)カッコいい!さっきの台詞、魔王ってより勇者っぽいけどね!))
ヒカルの精神に500×2ダメージ!
グッハァ!すごい連続攻撃だ。
俺の精神は限界、だがカマセさんならきっと、きっと笑わない筈。
(く、くくく……だっさ。)
↑カマセさん。
………ヒカルは目の前が真っ暗になった。ヒカルの心には信頼出来る仲間がもういない。
ポ○モンセンター……ポケ○ンセンターに行かないと。
「何を見せてくれるってぇ?このカス野郎が!!」
3度目の拳。こいつ必殺技とか無いのか?
(ふざけるのはここまでにしましょう。皆さん俺に力を貸して下さい!!)
(((((お任せ下さい!魔王様!!)))))
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