第1話 ソエルさんとの出会い
「私と契約して魔法少年になってくれませんか?」赤い髪に赤い目を持つ美少女は言った。
…………
なんか変な感じだな。夢なのに自分の体の感覚があるなんて。
俺は目を開けると黒い空間にいた。地面の感触はあるので自分が立っている事は分かるが周りは真っ暗で何も見えない。
目の前の美少女だけがはっきりと見える。
「だが断る!」
クゥ~~~~!!一度言ってみたかったんだよねこれ。
「それは……何故ですか??」美少女は首をかしげる。
「何故と言われても……夢だし。」
「夢……と言いますと??その台詞を言うのが、と言う事ですか?」
妙にリアルな反応だな。夢じゃない?………訳ないよな。
「あ~うん。一度言ってみたかったんだよね。」
「そうですか。なら次はちゃんと答えて下さい。コホン、私と契約して魔法少年になってくれませんか?」
「エーットその前に魔法少年って何ですか??」
訳が分からないのでそう聞くと少女は一度目を閉じ、カッ!と見開くと
「質問を質問で返すなぁーっ!!私が「魔法少年になりませんか?」と聞いているんだッ!!」
……さすが俺の夢だな。まさかジ○ジョ4部を一気読みして寝たからこんな夢を見てるのか?まぁいいや。とりあえず
「ひィィィィィィィィィィなります……………な、な、なります~」
確かこんな返しだったよね。
「本当ですか!良かったありがとうございますヒカルさん」
少女が抱きついてきた。夢にしてはあまりにリアルな感触、体温もしっかり伝わってくる。珍しい事もあるもんだな。
「……それでは誓いのキスをして下さい。」
「は!?誓いのキス?!?いやいやいやだ、駄目ですよそんな」俺が慌てて言うと美少女はキョトンとして
「何故ですか??」
「な、何故って、だって俺キスなんてした事な……じゃなくてそうゆう事は好きな人とじゃないと!」
「それなら大丈夫ですよ。これは契約のキスです。お互い恋愛感情は一切無いわけですからノーカンです。」
「いやそれはそうかもしれないですけど……」
いや問題アリだろ!あんたみたいな美少女は慣れてるのかもしれんが俺は初めてですよ!?キスなんてしたら好きになってしまうんですが?!?
「??どうしたんですか?顔が赤いですが??」
そう言って美少女は顔を近づける。
近い!近い!近い!まずいですよ軍曹!敵艦接近!敵艦接近!俺はどうすれば!?
(もはやこれまで覚悟を決ろヒカル小佐。)
(し、しかし、軍曹!敵の顔面戦闘力は測定不能クラスです。対してこちらはモブクラス!戦力差は歴然です!)
(落ち着けヒカル小佐!君も男だろう。それとも退路を断たれた(抱きつかれた)この状況で君はなお逃げようとするのか?)
(軍曹。)
(それに君は1つ忘れている。ここがどこだか考えろ。)
(ここが、どこだか?は!そうか今俺は夢を見てるんですね軍曹!)
(うむ。恐らくだが間違いあるまい。私も夢の中でこんなにはっきりと思考出来るのは初めてだ。)
(そうか。夢の中なら何も心配は要らないですね。ありがとうございました軍曹!)
(あぁ!頑張れよ。ヒカル小佐、君に幸あれ!)
こうして脳内軍曹との脳内会議を終えた俺は冷静さを取り戻した。
目の前数センチにある美少女の顔と目を合わせる。
「一つ聞いてもいいですか?」
「はい。何でしょうか??」
「あなたの名前は?」
「私はソエル。ソエル・サラマンド・フレイムです。」
「ソエルさん。宜しくお願いします」
俺は目を閉じソエルと唇を重ねた。
柔らかい感触がしたと思った瞬間、俺は気を失った。
「っ………こちらこそ宜しくお願いしますヒカルさん」
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