ナンパ«冬乃 空»

「なにやってんの?」


 女性の肩に乗っていた手をつかみ男を睨む。


「あ?なんだテメーは!?邪魔すんなよ」


 男は手を振り払いながらこちらを睨み返してきた。

 ちょっとびびってしまったが今はそんなことよりも。


「嫌がってるだろ、やめろ!」


 女性の手を引いて俺の背中の後ろに隠すように立たせる。


「うるせーよ。調子こいてんじゃねーぞ。テメー」


 男達が詰め寄ってきた。だが引かない!!


「おーい!ソラー!!!!」


 カイリが走って追いかけて来てくれた。

 それに気付いた彼らは


「おい、あんまり騒がしくするとやばいぜ」

「周りのヤツらも見ちゃってんーノッ。」

「クソ、仕方ねぇな。勘弁してやるよ」


 そうして彼らは去っていった。

 一安心と言いたいところだけど…


「大丈夫でしたか?怪我とかはないですか!?」


 彼女の様子を見ると照れくさそうに下の方を見ていた。

 ん?どうしたのかな?

目線を僕も下に向けると手を繋いだままでした。


「ごめんなさい!これは痴漢とかじゃないんで!」

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