古強者

まきや

古強者の詩



レブナント


どうして貴殿きでんは我が国に


命をささげるのか


傭兵だったそなたをつなぎ留めたわけが


この私のせいだったとしても


そこには何も責務せきむは無くて


とが皆無かいむ


守護者のりつを背負った戦士に


もん付きのよろいがどこか似合わない


こうべを垂れたそなたから


私はいつも目をそらす




レヴ


どうしてあなたは剣を振るうの


なぜあなたは私を守るの


ぎ落としたのは私のかたきの腕


助けたのは幼い仔猫こねこ灯火ともしび


だから私はついていく


この人猫じんびょう


その寂しげな瞳に写らなくてもいいから


今日も私はあなたのそばに立つ




ラブネェルゥトォ!!


ワシのいとしい妻を殺した罪人ざいにん


我が領土に戻るがいい


首にかけた縄を引き


貴様の首を泥に落としてくれようぞ!


はらわたを引きずり出し


奴隷グールどもに喰わしてくれようぞ!


宵闇よいやみを怖れるがいい


ワシは常に貴様の影にひそ




――


数多あまた戦場いくさば


十四じゅうしの時からつかを取り


命のやり取りを繰り返してきた


いつ失ってもよくて


いつ死んでも構わなくて――


なのに


俺をもち


俺に付きまとい


俺を追うものが


生きて戻れと声をそろえて言う


あるじこた


をかしずき


かたきに引き裂かれるまで


俺は生き


返る人であり続ける

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古強者 まきや @t_makiya

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