第8話

あれから三ヶ月、

新規のクエストが発生することはなく、トレーニング用のクエストのみをこなして、ひっくり返して結界外の敷地を増やしてを繰り返している。


「ねぇ、誰とも会わなくね?三ヶ月だよ。三ヶ月」


異世界に来てから昆虫や小動物、偶然取り込んでしまった魔物たち以外はメイさんとシュエン以外は話す事はない。魔物たちはシュエンやメイさんのチョウキョ…いや説得によってこっちには大人しくしたがってくれる。


「ハジメさんが人が通りそうなとこをひっくり返さないからじゃないですか…川も取り込めばよかったのに。プルプル。あ、そっちの草花の鑑定結果も木簡に炭で書いて下さいね。シュエンさんと違って私たち頭悪いんですから。」


「川取り込んだら、戦争起きそうで怖いじゃないか。書けばいんでしょ書けば」


メイさんはお外で狩りはしてくるものの基本側から離れない。木簡や炭で現在記録しているのも、ハジメの頭の記憶の少なさからであった。頭のいい人間なら紙と墨くらい作れるのだろう。

わざわざメイが書かせているのも異世界語を書いて覚えさせる為である。


「帰ったぞ。あれだけ木簡入れてなにする気じゃ。」


家の回りには現在、五棟の木簡置き場がある。


もちろん、チートなシュエンさんが作った。


「俺に聞かないでよ。メイさんに聞いて。」


「もしものためです。プルプル。あの記録のお陰で薬草庫もできたじゃないですか。」


「フム、あの薬草茶は旨かった。じゃあ、仕方ないの。我ならすぐわかるがお前たちは無理じゃろ。」


外見は美青年エルフ中身は好好爺、不一致すぎてなんとも言えない状態だが最近はハジメもなれてきた。


「ほれ土産じゃ、生も旨いのだが火を通すのだろ?」


「ふう、今日の分終了。卵だね。中身が入ってないならいんだけど。メイさん、マルマルとキャロある?後、レクソン」


マルマルは元の世界の玉ねぎ、キャロはにんじん、レクソンはほうれん草の味のする野菜である。


「ウサギ用の飼料から取ってくるよ。」


ウサギを食べるために飼っている。動物愛護協会があればフルボッコにされそうなことではあるが、彼らの中にも、鳥、豚、牛を食べる人はいるだろうからこの状態になれば平気で食べるようになるだろう。


とにもかくにも、料理しないとものが食えない。


「ハーブ塩どこだっけ?あ、メイさんありがとう。」


「僕はここだけど…え、何その光ってるやつプルプル」


「わっ?!光ってる。なんか動いてるし。」


「何を騒いでおる。たかだか妖精であろう。」


「「妖精?!」」


「妖精じゃな。どこから入ったのやら。」


「もう、頭キャパオーバーだから。飯作るわ。」


妖精をほっぽって、包丁で野菜を刻み出す


「ご飯!!プルプル」


「飯じゃな。」


他の二人?もご飯のことで脳ミソが支配された。


「……あのぉ…。」


驚かそうと入ってきたはずの妖精は完全に無視されたのであった。









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