第3話
一日目の夜は結局野宿だった。
野っぱらに寝袋に一人ポツンと入り寝る。
普通なら耐えられない光景だが、
田中一は、興味のないことは一切気にしなかった。
「そういや…生物って何だ。ナマモノ?セイブツ?ゴミなら捨てないとな…」
クエスト報酬で受け取っていない物がある。
「とりあえず、出さないとわからん。えい。」
目の前に丸くてプルプルしたものが出てきた。
「腐ってる…訳じゃなさそうだな。ま、いっか。」
プルプルしたものは放置された。
放置したまま、クエストアプリを開く。
クエスト新着
New 新しいアプリを開こう
New 家を作ろう
反復横飛び 50回
水平飛び 30回
腕ストレッチ左右 20回づつ
股割り 10回
腕立て伏せ 50回
スクワット100回
「アプリか…家をつくるのでも報酬もらえるのか。でも、家は放置だな。」
というのも。昨日、生理現象がおこった。
気にならない訳ではないので家は土地が増えるまで放置。
「さすがに、埋めたとはいえ小便と大便の上に直接作るのは気が病む」
オブラートに包んだのに台無しである。
という訳でアプリを起動することにした。
表示画面には、魔法アプリ、鑑定アプリ、日常会話アプリが表示されている。
「魔法アプリ開くか…。魔法ねぇ」
魔法アプリへようこそ
本アプリは使用者がノミやダニ以下の残念な頭の方でも魔法が使用できる便利なアプリです。
最初に手をカメラ画面で撮影してみましょう。
「手をとるのか手相判断か?」
バカな発言しながらも"カシャッ"撮影をした。
画面を確認すると、
本人確認終了しました。
チュートリアルに移行します。
と表示されている。
「赤、青、白、黄色、緑、茶、黒、紫、金、銀を意識してスマホを向けろ?!とりあえず、やりますか。」
まずは赤をイメージしてスマホを向ける…。
「赤が手のひらに写ってる!!VRじゃないんだよな。」
次は青をイメージ。
「また、写ってる!?こうなりゃ全部やっちゃえ。」
結果、全色表示された。
アプリには、こうかかれていた。
表示された色があなたの属性です。
毎日、このように属性をイメージする練習をしましょう。
※このトレーニングはスマホの充電につながりますのでトレーニングを欠かさないようにようにしてください。
「まさに自家発電…」
Help機能によると
赤:火、青:水、白:光、黄色:雷、黒:闇、紫:身体強化、緑:木、金:創造、銀:時空
とそれぞれ意味がある。
レベルアップすれば魔法も種類が増える。
なおかつ使用回数によりレベルも上がる。
初期はレベル0。
魔法が使えない人は才能がないわけではなく、単に想像力と、魔力が少ないだけとのこと。
「とりあえず、魔法使えるんだな…腹減った。魔法よりも食い物…。プニプニしたの…食えるかな」
魔法アプリに関わりキリだったため忘れられていた。仮名生物。
田中一に食われるのかと思いきや…
「お前…そこで何してる…」
言葉が通じないはずの生物に対して嫌悪を顔に浮かべた。
そこにあったはずの土はなく、プニプニした生物が茶色く変色している。
「そこは…俺がトイレした場所やないかーい!!」
田中一は後悔していた。あの生物を一時でも食べようとしたことを…。
あれを食えば、自分で自分のを食べるのとおなじなのだから。
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