第2話
「そう言えばクエストすると食料出てきたし。クエストアプリを起動しよう。」
まともなことを言っているが既に食料のことしか考えていない。
ラノベの主人公は通常独り言が多い。寂しさから来るのだろう。しかし、田中一の場合前世から独り言が多く後ろの人にビクッとさせることが多かった。
クエスト一覧
現在、出来るクエストは以上です。
反復横飛び 50回
水平飛び 30回
腕ストレッチ左右 20回づつ
股割り 10回
腕立て伏せ 50回
スクワット100回
もちろん、環境の整ってない幼児がやるメニューではないのだが…
「やることないし、するか。」
反復横飛び、水平飛びなどまではよかった。
が…
「若返ったから出来ると思ったのに~痛っ。かったいわ。股割りってマジつれ~。」
痛い思いをして体の柔らかい幼児でも時間をかけてする股割りではあるが、考えなしの田中一は即日クリアを目指しているため一日ですませようとしている。
もちろん、仕事以外ではヒッキー状態の彼にとっては運動のうの字もないくらい運動をしてこなかったのだが何故出来ると思うのだろう。疑問である。
数時間後、なんとかクリアポイントが溜まりアプリにクリアの文字が浮き上がった。
「何だろな~米!!米!!米が欲しい。あ、あー、これね…」
クリア報酬
惣菜パン、カットサラダ、牛乳、大工セット、木材、
大容量バック((笑))、畳六畳分のエリア解放
報酬受け取りの画面をタッチしてください。
「マシだけど…大工道具って要るのかね…それに大容量バックしかも((笑))ってなんだよ!!とりあえずポチっとな!」
狭い空間に古びたバックのみ現れた。
「バックだけかよ…中に入ってるかな…痛っ。釘かよ。」
着信音が鳴る。
「あ、メールだ。文句言わないと!!」
"件名 取扱説明書
本文 大容量バック((笑))の使い方
まず、先に取り出したい物を想像しましょう
次に手を入れます。するとあら不思議。
取り出したい物が簡単に出てくる便利なバックなのです。
注意:想像せずに手を突っ込むとアトランダムに道具が出てきます。まさか説明読まずに手を突っ込んでないですよね。まさかとは思いますが…
"
「う…何も言えない。さ、何もなかったと、とりあえず、土地広めるか…」
一日もせずに八畳のスペースになった。
もう頭をぶつける寝返り心配はなさそうである。
「さーて、お次のクエストはなーにかなあ。」
………変わらなかった。
クエストリストは相変わらず
反復横飛び 50回
水平飛び 30回
腕ストレッチ左右 20回づつ
股割り 10回
腕立て伏せ 50回
スクワット100回
が記されている。
「た、食べ物のためだ…」
もはや、普段使わない一の脳みそのキャパシティを超えたのでもう見たらすることにした。
一時間しては休憩、一時間しては休憩のくりかえしで、クエストコンプリートを五回を超えても未だに同じメニューが続いた。
二回目
くわ、鎌、鍋、謎の種、薪5kg、塩3kg
三回目
皿、ウォッカ、針、糸30m分、砂糖3kg、アプリ追加
四回目
ステテコ、手拭い、白ブリーフ、ボロボロなズボン、
巻頭衣のような上着、アプリ追加
5回目
雑草、植木鉢、手のひらサイズのスコップ、石、トランクス、アプリ追加
「だんだんクエスト報酬と悪くなってきた」
6回目
寝袋、まわし、ゴスロリドレス、ポンチョ、生物、パン
「寝袋とパンはいいとして…服誰得だよ!!」
田中一はボケ役からツッコミに進化した。
とはいえ、30畳以上の土地を手に入れた訳でボケ役であっても、さすがに
「小屋建てよう。出られないとはいえ、さすがにまずい。」
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