第65話 新たな美少女登場?

「……うっ……」


 俺はゆっくりと目を開けた。


 ここは……どこだ……俺は……自宅に転移で……帰った……よな……


 見たことのない天井。頭がぼやけている。記憶が曖昧だ。俺は今の自分の状況を確認する為に、周りを見渡した。


 畳の上に布団。俺は布団に寝ていた。広さは六畳。障子の扉があり窓はない。天井も高くない。一般的な高さ。蛍光灯は一昔前の作り。今どきではない昔の部屋。


 そんな事よりも俺の横、手の届く距離の畳の上で、俺の方に顔を向けてスヤスヤと寝ている少女に目が釘付けになった。超好みの美少女。


 不覚にも一目で惚れてしまった。寝顔が超かわいい。


 俺は体を起こして美少女を観察した。銀髪でポニーテール。立つと髪が地面につきそうなくらい長い。身長は俺より五センチくらい低そう。


 服は青を基調にした着物……というかコスプレ着物にしか見えない。肩むき出しで太ももが見えるほど丈が短い。


 体型はスレンダー。そして手のひらサイズより少し大きいおっぱい。


 これで一目惚れしない男はおかしいと思ってしまった。


 自分はどうなったとか、これからどうなるとか、ここが何処なのか、そんな事は考えられない。目の前で寝ている美少女の事で頭がいっぱいになっている。


 俺は横で寝ている美少女に手が伸びた。体に触れたいと思ってしまった。


 ——ぐっ! 寝ている美少女をお触りしてはダメだ。最低だ。


 美少女の頬に手が触れるギリギリのところで、我に帰った。


「……う……ん……」


 美少女が横向きから仰向けに寝返りをした。コスプレ着物の下が少しはだけて、パンツが見えそうになった。


 ごぼぁぁ! ぱっ、パンツが見えそう。俺はパンツには興味はなかったはず……なのに、なのに……見たい……


 俺は美少女の下半身から目が離せない。美少女は足をモゾモゾしている。コスプレ着物の下がさらにはだける。


 そしてついに、パンツが見えるくらいにコスプレ着物がはだけた。俺は美少女の下半身を凝視してしまった。


 ん? ん? まっ、まさか……これは……パンツを履いて……いないだと!


 美少女はパンツを履いていなかった。俺はものすごく興奮した。


「ふふ。目覚めてすぐに性欲むき出しとは、拓海は変態なのじゃ」


 俺は聞き覚えのある突然の声に反応して、美少女の顔を見た。美少女は俺を見てニヤニヤしている。


「ももっ、もしかして、コン様⁉︎」


「そうじゃ。われなのじゃ」


 美少女はコン様だった。コン様は起きて、はだけた着物を整えて俺の方を見た。俺は布団の上に正座をした。


「で、でもその姿はいったい……」


「少女バージョンなのじゃ。われは自由に姿を変えられるのじゃ」


 コン様は自由に姿を変えられる……まぁ、古代神様だから不思議ではないな。でも何故、幼女ではなく少女?


「それにしても、お主は……そんなにわれのを見たかったのか?」


「……はい。見たかったです」


「何故見たかったのじゃ?」


「……コン様がかわいすぎて、一目惚れしたからです」


 コン様は自分の後ろの壁まで一気に下がった。


「にゃ、にゃ、にゃんと。われに一目惚れ! しかもわれが超絶かわいいと拓海は思ったのじゃな!」


 超絶とは言っていないけど……


「はい。思いました」


 コン様はニヤニヤして頬に両手を当てている。


「拓海がわれをかわいいと思ったのじゃ。一目惚れしたのじゃ。やったのじゃ。作戦は大成功なのじゃ」


 コン様は嬉しいのか、畳の上で寝そべりニヤニヤしながら動き回っている——











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