第15話 ルナちゃんがキレた
「で? 決闘はどうなった? 降参したのか?」
俺はルナ達が降参したと思っていた。
「降参はしてないよ。リンちゃんが『降参? そんな事はしない。相手が十八人いても私一人で余裕で勝てる。ルナ一人でも余裕だ』って言ったの」
リンちゃんは無敵か? それにルナは強いのか?
「そしたら、そのリーダーの子が私を指差して、『このボッチに何が出来るの?』ってリンちゃんに言ったの。私、『ボッチて何?』って聞いたら、『友達のいない事をボッチって言うの』って言われたの」
アレ? ルナにはリンちゃんいるよな? ボッチじゃないよな?
「私ね、『親友のリンちゃんがいるからボッチじゃないもん』って言い返したの」
だよな? 親友のリンちゃんいるからな。ボッチではないよな?
「そしたらその子がね、『親友と友達は違うよ。リンちゃんは一週間後に魔界へ帰るからルナちゃんはボッチだ』って言ったの」
親友と友達は違うか……うまいな。座布団一枚だな。ボッチの意味が微妙に違う気がするが園児の言ってる事だし……まっ、いっか。
「それで?」
「私ね、リンちゃんに魔界に帰る事を聞いたらリンちゃん
そのリーダーの子、馬鹿の一つ覚えで連呼してるなぁ。
「私は『ボッチじゃない。ボッチじゃない』ってボッチって言われるたびに言い返したの」
本人達はマジ喧嘩……と言うか決闘中だけど、なぜか笑ってしまうな。
俺は笑いは
「リンちゃんはその時何していたの?」
「リンちゃんは私がリンちゃんの後ろに隠れながら言い返していたから私達の間に居たの」
リンちゃん板挟み状態。どんな心境だったんだろう……まぁ、激怒はしていただろうな。
「リーダーの子、今度はリンちゃんに悪口を言ってきたの」
「なんて言ってきたの?」
「『リンちゃんは性格悪いから魔界に帰っても絶対友達は出来ない。ルナと同じボッチだね』って言ったの。でもリンちゃん凄く優しくて、性格も良いんだよ」
「そんな奴ぶん殴れば良いのに」
俺は喧嘩はした事はないけど、決闘中だから殴って良し!
「うん。私、そのリーダーの天使をぶん殴ったよ」
ルナは俺の目を見て
「はっ? ……マジでぶん殴ったの? イキナリどうして? ルナは決闘は怖くてリンちゃんの側に居たよな? リンちゃんの後ろに隠れてたって事は怖かったって事だよな?」
「うん。決闘は怖かったよ。でもずっとボッチって言われて、さらにリンちゃんの悪口言われたから、私キレてぶん殴ったの!」
ボッチとリンちゃんの悪口でキレたのか……そういえば、俺がルナに文句言ってる時ボッチって言ったらキレてたな……これが原因か? ルナにボッチて言うのは禁句って事か。
「そのリーダーの子殴られてどうなった?」
「私が殴ったら三回くらい転がって気絶したの」
「えっ? 転がって気絶した?」
「うん。それから周りについて来た四人の子も軽く殴ったら飛んで行って気絶したよ」
はっ? えっ? 飛んで行った⁉︎ 五人瞬殺って事か? ルナ強いじゃないか!
これってルナの園児の頃の話だよな? アニメではなく実際の話だよな……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます