第14話 リンちゃんは魔王
「ルナ……決闘はしたのか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「うん。決闘はやったよ。担任の先生が審判をしてくれたの」
その決闘の審判やりたくないな。先生可哀想に。
「決闘のルールってあるの?」
「双方の話し合いで決めるの。私達の時は、武器無し、決闘の負けは、気絶もしくは先生が止めるまで。降参は無し。時間は三十分間で人数が多い方が勝ち。ってルールだったよ」
「ちょっと待て。それルナ達に絶対不利なルールじゃないか? 二人対十八人だぞ。誰が言ったんだ?」
「リンちゃん」
リンちゃんのばかぁ。どれだけ自信があるんだよ。
「でね、相手もそれを承諾してすぐに始まったの。場所は教室で机と椅子は外に出してからね。椅子とかは武器になるからって先生が言ってね」
さすが先生。凶器になるからね。でも天界や魔界のノリが分からない……
「あのさ、リンちゃんって何族? ルナと同じで女神族?」
「リンちゃんは魔王族だよ」
「魔王かっ!」
魔王族って強気な性格なのか? リンちゃんだけ?
「あれっ? ルナ達の通っていた幼稚園って何処にあるんだ? 天界? 天界なら神と女神と天使が住んでいるんだよな。 魔界は魔王と魔人が住んでいるって言っていたよな」
「幼稚園は天界にあったよ。リンちゃんはパパの仕事の都合で天界に住んでいたの。それは別に珍しい事ではないんだよ。天界と魔界は自由に行き来も出来るしね」
「なるほどね」
「それでね、決闘は始まったのだけど、私は怖くてリンちゃんの手を握って泣いていたの。リンちゃんは『私が全員倒すから大丈夫だ』って言ってくれたの」
リンちゃんマジカッコいい。園児の言うセリフではないけどさ。
でもこの状況を作り出した人物だけどね。
「リンちゃんがそれを言った後にね、私に一番文句を言っていた中心人物の子がね、四人引き連れて近づいてきてね」
「その中心人物ってさっき言っていた父親が偉い神と、母親が保護者の会長の子だよね? クラスのリーダー的な存在?」
「そうだよ。その子はクラスのリーダーなの。私とリンちゃんはいつも二人で遊んでいて、その子と関わりは無かったけど、いつの間にかリーダーになっていたの」
「その子は何族?」
「天使族だよ」
今度は天使族か……天使は性格キツイのか? このリーダーの子だけか?
そういえばルナは俺が天使と聞いて驚き、喜んでいたら不機嫌になったな。天使と女神どちらが好みとか俺に聞いて来たし……この子が原因か?
天使と仲は悪くないとは言っていたからおそらくこの子の事を思い出して機嫌が悪くなったのだろうな。
「それで近づいて来てどうなった?」
「その子が近づいて来て、『降参するなら特別に決闘は無かった事にしてあげる』って言ってきたの」
ほう。そのリーダーの子も流石に二人対十八人は無謀と思ったのか?
これで無事終了か? でもルナは決闘はやったと言っていたな。この後どうなるんだ?
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