🖤

「渋谷さん、いる?」


いつも通りスマホを弄りながら休み時間を過ごしていた。


唐突に、爽やかな声がわたしを呼んだ。


しんと静かになる教室。


女子からの視線めちゃくちゃ痛いんだけど~。


恐る恐る声の主を見る。


人好きのする笑顔を携えた藤堂冷が、そこにいた。









「渋谷?アイツだけど」


吉池が藤堂冷に答えてわたしを顎で指す。


「そっか!サンキュ」


ニコッと笑顔を向けられた。


なぜか心臓を鷲掴みにされたみたい。


逃げられない、そんな気がした。




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