🖤

「やっぱ笑顔可愛いよね!爽やかだし!」


「ね!ほんと顔も小さいし芸能人みたいだよ~かっこいい~」


「あ!こっち見たんじゃない?」






きゃあきゃあ黄色い声援を上げられているのは、藤堂冷。隣のクラスの男子だ。さしづめサッカーの授業でゴールでも決めたんだろうなあ。

成績優秀容姿端麗、スポーツも出来て、しかも代々続く由緒ある家の御曹司らしい。向かうところ敵なしじゃん。絶対パリピっしょ。

吉池が羨ましがっていた。




廊下側の自分の席で窓にへばりついて外を眺めたり手を振ったりしている女子達を眺める。



わたしは黒板にある自習の文字に従い資料を開いていた。開いてるだけで携帯ゲームしてるけどさ。


今ゲームの主人公が目的のアイテムをゲットしたところだ。よっしゃー。



また窓際から一層大きな歓声が聞こえた。


うるせーうるせー。









しかし

藤堂冷とは関わることないだろうなあ。目立ちたくないからいいけどさあ別にー。
















そう、思っていた。数日前までは。


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