🖤

「がっ」





わたしが腹に膝蹴りを入れたところで、男は白目を剥いて地面に倒れた。






「ふー」


スカートの袖についた砂ぼこりをパンパン手で叩き落とし、乱雑に投げ捨てたバックとショップ袋を手に取る。

そうだ、気分転換にこれからカフェ行って新作のプラペチーノでも飲もう。





「でもお小遣い使っちゃったんだった」




ちらっと気絶している男に視線をやる。

それからニヤアと自分の口角が自然と持ち上がるのを感じた。


あんじゃんあんじゃん、ここにあんじゃん。


鼻歌混じりに男の懐を漁る。そして黒々とした厳ついブランド物の財布を見つけて、そこから全て札を抜きとった。







わたしは周囲に誰もにないことを再確認して、ウサギのお面を取る。この季節蒸れるんだよねえ。




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