第200話 男がほとんどいない世界に転生して……


────あれから数年の月日が流れた。その間、様々な事を俺達は経験した。


そして今日は待ちに待った優馬と雫、葵、夜依……姫命の“5人”の結婚式である。


☆☆☆


──今日は最高の快晴。晴れやかで、のどかな空気は俺達を祝福してくれているかのようだ。


……真っ白な派手目のスーツに、キラキラに磨かれて輝いた革靴。ビシッとワックスで揃えられた髪。あまり、見慣れない姿の俺が鏡の向こうに立っていた。


いつもはもっと地味目な服をチョイスしがちな俺だけど……


今日は俺史上最大の祝福の日。だから気合いを入れない訳には行かなかった。まぁ、何から何まで用意してくれたのは、相変わらずのかすみさんだけど……


ちょっと、流石にね。大事な式で、失敗はしたく無かったし……ね。


今、俺が居る場所は男専用の控室で、雫達は別の場所に居る。


「…………ふぅ、」


プルプルと震える手を自力で押さえ込みながら、緊張の為の息を吐いた俺。


大人になった俺は、心も体も様々な事が成長していた。多分、理想の男になれたはずだと思う。


男会の代表という重圧と責任も……人前に立つという多大な緊張も、そういうものは何とか“慣れ”でこなして来た。だけど……こういう自分や家族の大事な式の場合はやはり緊張してしまう。


俺の元々の性格は、どんなに時が経っても、経験を得ても変わらないようだ。


「よし……そろそろだし、気合いを入れないとな。」


流石にガチガチに緊張した顔は皆には見せられない。俺も大人になったんだ、成長した姿を見せなければならない……


──そんな独り言をブツブツと呟いて緊張を解していると……


「──おー、本日の主役を発見したぞ!」

「わぁ、やっぱりいつ見ても優馬君は最高にカッコイイねぇー!」


突然、部屋に2人の来客者があった。


「うおっ……びっくりした…………って、」


反応が少しだけ遅れたが、聞き覚えのある声だったのでそこまで驚きはしなかった。


「大地先輩に、椎名先輩じゃないですか?」


……そう、来客者は大地先輩と椎名先輩だった。


「お久しぶりです、大地先輩。椎名先輩。」

「おう、久しぶり。数週間ぶりだな!」

「おひさーだよ、優馬君。」


大地先輩は高校を卒業してから、頻繁に会う事はなくなった。なぜなら、大地先輩は高校卒業後すぐに俺御用達の宝石屋さんに弟子入りをしたからである。


元々、物作りが好きだった大地先輩。まさかそれを仕事にするというのは正直驚いたけど、実に大地先輩らしい。


椎名先輩は空先輩と同じ大学に進学後、しっかり卒業。今は大地先輩の妻として仕事などをサポートをしつつ、経営の勉強をしているらしい。後に大地先輩の店を出すそうだ。


「…………あっと、忘れる所だったけど。頼まれていたやつを渡しておくよ。」


そう言って大地先輩は厳重に梱包された小さな小包をくれた。


「ありがとうございます。」


俺は受け取った物を大切に持っておく。


「それにしても……いいのかい?僕の作った物なんかで?」

「いいんですよ!大地先輩だからいいんです!」

「ったく、やっぱり僕は良い後輩を持ったものだよ。誇らしさも感じるよ。」

「ははは、それは嬉しいですね!」


今回の結婚式で大地先輩から作って貰ったこれは絶対に使う必需品。だからこそ、相当迷った。連日大地先輩のいる宝石屋さんに通いつめ、様々な種類を吟味し、考えた。日頃の仕事が疎かになってしまう程にだ。


感性がない俺でも、流石にこれは選びたかった。

サプライズとしても、皆を驚かせたかったのだ。


「──あー、それにしても……随分と成長しましたね、お腹の赤ちゃん。」


大地先輩と椎名先輩は、あれからもずっと仲を深め、俺よりも数年早くに結婚をしていた。そして一足早くに子供を授かっていた。


「もうーね、移動が大変なんだよねぇー」

「大丈夫。僕が全力でサポートするから!」

「ありがと、大ちゃん♡」

「こちらこそだよ、椎名♡」


……まぁ、2人の仲は相変わらずにラブラブだ。


俺達もすぐに結婚をしたかったんだけど……まぁ、俺も忙しかったし、3人も仕事とか大学とかで色々と大変で、それどころじゃ無かったのだ。


……それから数分。久しぶりの大地先輩と椎名先輩との雑談を楽しんだ。多分、2人は緊張する俺の気を少しでも紛れさせようとしてくれたのかもしれない。



「──そろそろ、時間だよゆぅくん!」

「あ、お母さん。」


どうやら時間を忘れて話していたみたいで、お母さんが俺を呼びに来てくれた。


お母さんも今日は気合が入っている。もう、いい歳なのに、その美貌を保てるのはすごいと思う。

だけど……昔より一層涙脆くなっている気がする。


既にお母さんは俺の晴れ姿を見て、涙目になっていた。


「ちょ……お母さん、大丈夫?こんなに早くから感動してたら式が終わるまで持たないよ?」

「うぅ……だって、だって、いくらなんでも結婚は早すぎるんだもん。」


子供みたいに駄々を捏ねるお母さん。まぁ、この人もいつも通りの調子だ。


「茉優も結婚して……ゆぅくんも結婚だなんて、信じられないっ!」

「ぐっ……ちょ、それ気にしてる事だからさ、あんまり言葉にして出さないでよ!」


兄よりも先に妹が結婚するなんて、恥ずかしすぎる話なのだ。まぁ、相手は煌輝だったから強くは反対しなかったんだけどね。


元々、2人の関係が徐々に良いものに変わって行っている事は知っていた。だけどなぁ……結婚出来る歳になった瞬間に煌輝が茉優に告白をするというのはなんとも煌輝らしいやり方で、正直、出し抜かれた。


なんて……つい最近の話を思い出しつつ、俺はお母さんの手を握る。


「さぁ、行こっか。」

「うぅ、うん。」


もう既に涙腺崩壊寸前のお母さん。


「だから、早いってさ!」

「ごめんなさい。でも、でも……我慢出来なくなっちゃって。」

「はいはい、分かったから。ゆっくりでいいから。気持ちをリラックスさせて、早く泣き止んでよ。お母さんにはちゃんと俺達の結婚式を見て貰いたいからさ。」

「うぅ……」


このなんとも言えない気持ちは……俺も親にならないと分からないものなんだろうな。だけど、一番この世界でお世話になったのはお母さんだ。だから息子の晴れ舞台をしっかりと見届けて欲しいのだ。


☆☆☆


今回の結婚式は俺の顔見知りのみという制限付きにして貰った。そうしないと、式場が大勢の人でごった返してしまうからだ。


それぐらい俺の知り合いは有名人が多いのだ。


例えば、妹の茉優はあれからサッカーの道を極め、日本代表のキャプテンにまで上り詰めた。やはり、俺の妹は天才だったのだ。


プロと言えば、春香もで。野球の道を極めて、プロ入り。そしてメジャーリーグという更なる高みへと行っていた。


お母さんは単純に大企業の社長だし、元部下の凪さんはプログラミングの技術のみで独立をして……今はお母さんと肩を並べる程の大社長へと駆け上がった。


特別男護衛官の5人の藤林さん、尾関さん、榊原さん、近藤さん、吉田さん、高橋さんはそれぞれ昇進し、今では国の中核を担っている。


まぁ、皆すごいけど……特にすごいのは空先輩で、生徒会長という最大のジョブを更にランクアップさせ、今では時期内閣総理大臣候補にまで上り詰めているとか何とか、この人だけはいつも通りエグい。


そんな大物達が待つ式場の中へ入り、俺は3人を待つ。まだ俺は3人のドレス姿を見た事が無い。


俺の事をビックリさせたいのと、単純に俺の感性を信用していないからドレス選びに参加出来なかったのだ。


そこまで割り切られていると、逆に面白いけど……

一応、悲しいんだからな!?

なんて……何年経っても相変わらず、情けない俺に不甲斐なさを感じていると……


「──緊張してるんですか、優馬君?」


今日の牧師さんを務めてくれる奈緒先生がしょんぼりする俺に聞いてきた。


「あ、えぇ。そりゃ、してますよ。」


奈緒先生は俺達を卒業までしっかりと見届け、それから愚直に働き続け、月ノ光高校の学年主任となった。今では俺の…………


奈緒先生にはかなりお世話になっている。だから重要な役割である牧師さんを頼んだのだ。


「じゃあ、お願いしますよ、奈緒先生!」

「ふぅ、分かってますよ…………優馬“先生”!」


そろそろ、皆の入場が始まる。俺はそれに合わせて気合いのギアを引き上げた。


☆☆☆


愉快な音楽と共に、式場の豪勢なドアが勢い良く開かれた。そして──可憐で純白のドレス姿の3人がそれぞれ入場して来た。


……雫は親友の由香子と、

……葵は妹の青葉と、

……夜依は恩人の美波さんと、


皆が皆、自信と期待と緊張に満ち溢れている表情だ。


「ふぁふぇぇぇ……」


そんな中、一瞬にして魅入ってしまう俺。だから気付くのが遅れたが、その3人の後ろに成長して美人になった鶴乃が1人で入場していた。

……あ、いや、違うな。鶴乃はただの付き人で1人じゃない。だって、鶴乃の前にはちゃんと姫命がいるからだ。


多分見ている人からしたら鶴乃が3人の後ろに居る意味が分からないだろう。だけどこれは俺と雫、葵、夜依……そして姫命の結婚式なのだ。だから、仲間外れはダメだろう?


「皆すごいや……正直かなり、びっくりしてるよ。」


俺の元まで来た3人はそれぞれの晴れ姿を見せてくれる。


「……ふふ、いいでしょ、これ。」

「皆で一緒に考えたんですよね!!」

「そう、もちろん。神ちゃんも一緒にね。」


3人はそう笑顔で笑う。本当に幸せそうだ。


「はいはい、主役達が晴れ舞台で無駄話をしないの!皆待ってるでしょ!」


ついつい、話をしていると牧師さん(奈緒先生)に注意された。


「はい、すみません。じゃあ……早速お願いします!」


少しだけ、式場が微笑に包まれたが……奈緒先生が問題無く、牧師として進行を始めた。


「──私はあなた方が互いに愛し合い、支え合って行く事を確信しています。」


奈緒先生は初めから終盤のような雰囲気を作り出し、俺達が顔馴染みであるからこその確信の言葉を言い切ってくれた。


「──新郎、神楽坂 優馬。新婦、神楽坂 雫。神楽坂 葵。神楽坂 夜依……神楽坂 姫命。

あなた方は、神楽坂 優馬を夫とし。神楽坂 雫、神楽坂 葵、神楽坂 夜依、神楽坂 姫命を妻とし。

健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、いつ以下なる時も。夫を愛し、敬い、慰め合い、支え合い、共に助け合い、その命が続く限り真心を尽くす事を……誓いますか?」


奈緒先生は牧師さんらしく、上手い具合に言葉を並べて俺達に向けて問いた。


「誓います。俺は絶対に皆を幸せにします!」


まずは俺が即答で宣言をした。なるべく大きな声で心と体に完全に染み込むように誓った。


「……誓います。それに絶対にこの幸せは守ります。」


次は雫の番だ。

雫は高校三年生の時に、将来について相当悩み混んでいた。なぜなら、これといった目的はもう既に果たしてしまっていたからだ。だから自分の将来に関しては既に脱力感しか残っていなかったのだろう。


そんな雫が将来を決めるきっかけとなったのは……俺が男会でちょっとしたミスをしてしまい、それが社会的、経済的に不味い状況に陥った時だ。あの時は相当SNSで炎上したし……後処理が膨大だったのを今でも覚えている。


だからこそ、雫は皆を……特に俺を守る為に弁護士を志してくれた。今はまだ見ならないの弁護士だが……後にすごい弁護士になって俺を守ってくれる事を期待している。


「わ、私の生涯を賭けて……ち、誓います!!」


次は葵の番だ。

葵は、鶴乃が家に来た時点でどんな仕事をするのかをほぼほぼ決めていたようだった。高校卒業後、育児の専門学校へ行った葵は保育士になった。


更に、メンタルケアの資格など……様々なものを自ら取り入れ、保育士として立派に成長した。


子供が好きで、子供から好かれる性格の葵にはピッタリすぎる仕事で……今は自分に自信を持って、働いている。


「誓います。これからも、ずっとずっと。」


次は夜依の番だ。

夜依は、前に俺に宣言した通りの医者になる為に今も頑張っている。美波さんのような、男から被害を受けた女性を救う為に。決して見捨てない為に。寄り添う為に。論理的で、利己的な夜依らしい。


そんな夜依はつい先日、医師国家試験を合格した。

医師国家試験はそこら辺の資格とは“格”が違う。相当な勉強漬けの日々だったはずだけど……まぁ、流石と言えば流石なのかな……夜依は案外ケロッと合格したようだった。


夜依の夢の実現まで、後もう少しだ。俺達はずっと応援し続けるつもりだ。




「(──私も、誓います。)」




あぁ……そうか、ちゃんと。見ててくれるんだな。

少しだけ心の中がポカポカして、感動の涙が込み上げてきそうになる。


────ありがとうな、姫命。


後で、どうせ沢山、感動で泣くだろうから……ここは一旦我慢する。


それぞれの誓いの言葉が終了したと同時に、俺は奈緒先生からさっき大地先輩から受け取った小包を受け取る。


手際よくその小包を解き、中くらいの木箱を取り出すと……皆に向けてパカっと開ける。


──赤色、水色、緑色、紺色、金色。

5つの光を放つ、5つの美しい指輪がその木箱には収められていた。


これは婚約者の証などでは無く、ちゃんとした“結婚指輪”である。


結構大変な造りだった筈なのに……大地先輩は俺の理想通りの形で作ってくれた。すごく満足が行く物で、嬉しい。


それぞれ指輪を雫、葵、夜依の順で薬指に付け。鶴乃に姫命の分を手渡した。


そうして、次は最後の儀式……


「それでは……誓のキスを。」

「っ、はい。」


皆とのキスなんて日頃から沢山している。だけど、皆から見られているという緊張感と、大切な儀式という失敗が出来ないというキスは……全くモノが違う。


「ふぅ……」


俺は覚悟を決めて、1歩だけ皆との距離を詰める。

目線が重なり、羞恥が深まる。こ、これはもう勢いで連続で行くしかない!


そうして雫、葵、夜依の順で誓いのキスをして行った。






……とりあえず、第1関門の挙式は終わった。


☆☆☆


──少し場所を変えて、今度は披露宴だ。


ここでは食事を楽しみ、これまでの思い出を振り返る。出会い、別れ、悲劇、絶望、祝福、希望……様々な事を経験した俺達は語り合う事が特に多い。


俺達はそれぞれで別れ、馴染みの深い人から順に声を掛けて行く。


俺は大地先輩、煌輝、皇さんの男メンバーの所に挨拶に行った。


「大地先輩、指輪ありがとうございました。最高の出来ですね!」


俺は薬指に付けた指輪を大地先輩に見せる。


「喜んでくれるのなら良かったよ。」

「へぇ……これは良い出来だね。ボクも後で頼もうかな。」

「えぇ!?そ、それは勘弁ですよ!」


なんて……大地先輩が作ってくれた結婚指輪の話で盛り上がっていると……


「ゆぅ兄、すげぇカッコイイッスよ!」


煌輝が料理片手に俺を褒めてきた。ここは祝福の場。素直に後輩からの祝福に喜べばいいのだが……

1つ引っかかる事がある。


「おい、煌輝。“アニキ”は許したが……“ゆぅ兄”は断じて許さんぞ?」

「えぇ、まだ許してくれなんいんすか?まぁーちゃんは良いって言ってたんだけどなぁ。」

「──俺の妹もそんなあだ名で呼ぶな!!!」


まぁ、そんなこんなで煌輝もいつも通りだ。


それから、お母さんからのスピーチや、美波さんのスピーチ、皇さんのスピーチ、空先輩のスピーチ……などを聞いた。


皆が皆、俺を感動させる言葉ばかりを並べて来て……もう、俺の涙腺は崩壊していた。

やっぱり俺は最高に幸せ者であり……最高の幸運者だ。







「──ちょっと……優馬君。そんなに飲んで明日の仕事は大丈夫なんですか?」


満足感と幸福感で俺のキャパがバグっていたのであろう、気付かぬうちにお酒が進んでいたようだった。


「でも、いいじゃないですか。今日の俺は“主役”なんですし……」

「ダメですよ。それはそれ。これはこれでしっかりと割り切って下さい。そういう職業なんですからね。優馬君が選んだ“道”は……」

「あー、そうですよね。ふぅ、明日も生徒の為に頑張らないと。」


俺は今、母校の月ノ光高校で教師をしている。もちろん、まだ経験が浅くて、まだまだ新米教師の俺だけどね。


教師という職業は……昔からやってみたい職業だった。だって、教師というカッコイイ姿を高校で散々見てきたからだ。それに、誰かに知識を教えるという仕事はとてもやり甲斐があるのだ。


明日も、明後日も……とにかく教師は忙しい。だけど、充実している事は確かだと言える。


「──さぁーて、と。頑張るとしますかぁ!」


だって、俺は皆の教師なんだからな。


☆☆☆


その日の夜。全ての儀式が終わり、正式に俺の妻になった雫、葵、夜依。そして姫命。


式場でも、宴会はしたが……家でも晩酌はする。なぜなら今日は特別な日だから。


それぞれ、お酒を飲んで多少の酔いを体に回しながら、俺達は言葉を交わす。


そうして……


「……ゆーま、ありがとね。私達の事を選んでくれて。」

「ゆぅーくん、ありがとうございます!!」

「ゆぅ、ありがとう。」

「(──ありがとう、和也くん!)」


4人からの俺に向けての感謝の言葉。


「…………っ、」


それだけで……俺は、満足だ。


「──ありがとう……雫、葵、夜依、姫命。大好きだよ。ずっと、ずっと、これからも。永遠に。」


俺はこれからも皆と……楽しく、歩んで行く。


☆☆☆




──更に月日は流れ……




──今日は俺の娘の結婚式……


俺は娘が幼い頃にくれた俺の似顔絵をじっくりと眺める。それには“パパ大好き”と大きく、そして愛くるしい字で書かれてある。


何度も何度も眺めて、見飽きている筈なのに……

やっぱり、この絵は俺にとっての宝物なのである。


皆はあれから更に成長し、今ではそれぞれ、俺との娘が生まれた。


そうして俺達の娘は立派に成長し、俺の顔馴染みの男と結婚する事が決まった。その男は男会の役員の顔見知りで信頼出来る男だ。まぁ、煌輝みたいに多少の生意気な感じもするけど……まぁ、俺も随分と感慨深くなったものだ。


「──さてと……今日は思いっきり泣いてやるとしますかぁ……」


俺は娘の事を思うとこれまでの記憶が遡り、涙腺が崩壊しそうになるのを必死に堪え、父の威厳を見せつけなければならないと思いながら娘と一緒に歩を進めるのであった。




転生して……生まれ変わって、男がほとんどいない世界に来て……辛いことも、苦しいことも、悲しいことも、沢山沢山あった。でも、そんなの簡単に覆るぐらいの楽しいことや、感動したこと、幸せなことが今の俺を明るく照らしてくれる。



────俺はこれからも、ずっと永久に幸せだ!


男がほとんどいない世界に転生して、俺はこれからもずっと、この世界で皆と一緒に幸せに暮らして行く……だって、これは俺が始めた。俺だけの“青春”の物語なんだから。







✣✣✣✣✣


『あとがき』


まず初めに、最後までこの作品を見て下さりありがとうございました。


この作品は自分が高校1年生の5月頃から書き始めた作品で、今が高校3年生の3月1日。高校の卒業式。高校在学中に自分の小説の作品を完結まで書く事が出来て本当に良かったです。正直満足しています。


沢山の応援、沢山の評価、沢山のPV……本当に、本当にありがとうございました。



『追記』


今回は話の中で伏線を沢山広げたのにも関わらず、最後まで話の内容に触れる事無く書き切わってしまい、申し訳ないです。


茉優と煌輝 編。春香編。シャル編。菜月編 。由香子編などが出来ませんでした。


でも、話の内容などはメモしてあるので、またいつか追加で書くかもしれません。



──後、最後に成長した皆(主要キャラクター)の職業を書き残しておきます。


優馬→学校の先生 男会代表 その他色々。

雫→弁護士

葵→保育士

夜依→医者

茉優→プロサッカー選手

春香→プロ野球選手

鶴乃→水泳選手

由香子→会社員

菜月→凪さんの会社に就職

大地先輩→宝石屋

椎名先輩→経営者(大地の宝石屋)

空先輩→時期内閣総理大臣候補

煌輝→料理人

奈緒先生→月ノ光高校の主任





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男がほとんどいない世界に転生させられたんですけど………どうすればいいですか? かえるの歌🐸 @kaerunouta

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