第198話 プレゼントは無難が一番
「お花の苗にしたんですね!」
「ああ、これなら喜んでもらえそうだからな。」
モテないトリオは3人でいくつかの苗を揃えたようだ。エマならば、きっと美しい花を咲かせるだろう。
「デイモンはお洋服か、さすがだな。」
「もうすぐ春ですから。春らしいワンピースを仕立てました。人間界の王室の子供達のお洋服のデザインを参考にしたので上品ですよ。」
「うむ。エマちゃんは魔界ランドのプリンセスのようなものじゃからな!」
「まあ、エマがデイモンの番になるかはデイモンの努力次第ですが…。」
「今のところ、良い雰囲気のようですね。」
モテないトリオにしては優しい見通しにデイモンの機嫌がうなぎ登りだ。
「エンマ!おはようございます!」
翌朝、エマを待ち構えていたダモフェンリルがエマに走り寄ってスリスリする。
「おはようございます、ダモは朝から元気ですね。」
ダモフェンリルをフサフサとモフるエマが嬉しそうだ。
「エンマにホワイトデーです。」
ダモフェンリルがエマに大きな包みを渡す。
「わあ!ありがとうダモ!」
「開けてみて下さい。」
「ピンク色のワンピース!」
「桜色というのですよ。」
「エマちゃんに似合う色ね!」
「さすがデイモンなんだぜ!」
ジジ&マリーからも高評価だ。
「桜が咲いたら、このワンピースを着てお花見に行きましょうね。」
「はい!楽しみです。」
「来年のお花見も、その次の年もずっと、永遠に、僕がエンマのお洋服を作りますから。」
「うん。ありがとうダモ。」
デイモンの尻尾とエマの羽根が嬉しそうに揺れる。
ほぼプロポーズのようだったことに本人たちだけが気づいていなかった。
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