第197話 やる気満々のホワイトデー

「無事に裁判が終わって良かったですね。」


隣国の皇帝陛下の裁判が無事に終わり、先に処分の決定した者達よりも多めの罰金と多めの社会奉仕活動を言い渡された。

さらに魔界ランドを含む近隣諸国で皇帝と側近が学習プログラムを受講することも義務付けられた。

国境を接する国は、いつでも被害を受ける可能性があるからだ。


「うむ。今回のことで多くを学んでくれることじゃろう。」

カールも満足そうだ。


「デイモンは、さっきから真剣に何を見ているんですか?」

「ホワイトデーのプレゼント選びです。」


バレンタインにエマから贈られた巨大なカカオ豆を思い出し、ちょっとげんなりするカールとモテないトリオ。


「エンマはお花の苗とか、喜ぶと思うのですがお洋服も作りたいし…、贈りたいものがあり過ぎて…。」

恋するデイモンがため息をつく。


「お洋服はいいんじゃないか?デイモンにしか作れないものだろう。」

「俺たちもお返しに悩んでいたんだ。」

「子供への贈り物って意外と難しいものだよな。」

モテないトリオもエマへのお返しに悩んでいたようだ。


「ワシはクリスマスにクレヨンを贈ったばかりなのじゃあ。」

「それは可愛らしい贈り物ですね。」

「おじいさまのクレヨンはエンマのお気に入りですよ。あれからよくお絵描きしていますから。」

「使ってくれて嬉しいのじゃあ。」


子供らしく、愛用してもらえる贈り物という課題に頭を悩ませる5人のもとに地獄の閻魔大王からグループLinesが届いた。


―― チビへのホワイトデーだが、我が国伝統の爆竹を考えておる。どうじゃ?

お主らとかぶらぬか気になったので聞いてみた。


「……。」

「……。」


―― アホですか?


―― うちの国の本場のものは大型で威力もあるから大喜び間違いなしだぞ!


―― それは危険性が高いということですね。


―― だから楽しいのではないか!


「あ、もしもしガネーシャさんですか?実はいま閻魔大王からグループLinesが入ったのですが。その内容がかくかくしかじかで。」


イブリースがガネーシャに電話ですべてチクった。


―― ちょ!ガネーシャが!

―― あとで

―― また、あ


閻魔大王からのグループLinesが途絶えた。


「ガネーシャさんにお任せしましょう。」

全員が肯いた。

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