第145話 鴨鍋が名物だそうです
「今日は
「
「ありがとう、兄さん。野菜類を切ってくれる?」
「
「もちろん!」
エマは源氏族の厨房に興味津々だ。
見たことのない食材も並んでいる。
「エンマ、これは京野菜ですよ。このさつまいもは京かんしょという名前でホクホクで甘くて美味しいので、はちみつレモン煮にしましょうね。」
「わあ!」
エマとジジ&マリーが嬉しそうだ。
「鴨鍋に入れる金時人参は小さめに切りましょうね。」
「えへへ、ありがとうダモ。」
エマの人参嫌いは相変わらずだがデイモンが上手く対応しているようだ。
拍子切りの人参がエマの分だけペラッペラだ。
「九条葱は食べる少し前に焼いておきましょう。
淫魔の
「すごいわ!デイモンさん!!」
「デイモンは
鴨肉大好きなジジ&マリーがデイモンを賞賛する。
「ジジ君やマリーちゃんには鴨肉そのままよりも鴨団子が食べやすいでしょうから多めに準備しましょうね。」
「ありがとうダモ!」
ジジ&マリーへの気遣いにエマも感激だ。
カールとレティとデイモンは1人前では足りないので用意された鴨肉も野菜もたっぷりだ。
「
夕食にやってきた
「
とても自慢気だがブラッシングされたレティはむすっとしている。
「あの猛獣みたいなレティが大人しくブラッシングされるだなんて…。」
ダイアナが感極まって泣きだした。
カールフェンリルがポンとダイアナの肩にお手手を乗せるが、ダイアナの涙の理由の半分はカールフェンリルだ。
「弟がお役に立てたなら良かったです。」
これは茶化してはいけない場面だと悟った
「ええ!ええ!本当に!
「ばあちゃん、食事にしようよ!」
土鍋で出汁がグツグツしている。
拍子切りの大根と人参、水菜、焼いたネギに鴨ロース、鴨団子がたっぷりだ。
「これは美味しいな、出汁も団子も美味しいなあ。」
疲れた顔だった
「薫君は料理上手だよねえ。」
キースも感心しながら鍋をつつく。
「今回は兄さんがいたからミンチにするのは任せちゃったんだ。フェンリルってすごいよね。あっという間だったよ。」
デイモンを見ると、エマやジジ&マリーにお鍋を取り分けていた。
美しく盛り付けた具材に出汁を注いで子猫たちの前に置く。
「風魔法で冷まして…これで冷めましたから、猫舌のジジ君とマリーちゃんでも大丈夫ですよ。」
「ありがとうデイモンさん!」
「鴨うまいんだぜ!」
「まだまだありますから、たくさん食べてくださいね。」
「ダモの鴨団子、美味しいです!」
デイモンは、エマとジジ&マリーの乳母のようだった。
「
ヒースのコメントに一同肯く。
「
レティが肉!肉!と騒ぎ出す。
「お肉は充分あります。野菜も食べて。」
レティの方を見もせずに答える
苦労性の
「ママ!鴨のお出汁を吸ったお野菜、とっても美味しいですね!」
「苦手な人参も食べて、エンマは偉いですね!」
「えへへ、お肉と一緒に食べたら美味しかったです。」
「だそーですよ、母さん。」
エマとデイモンのやり取りに乗っかってノールックでレティに答える
「………。」
小さなエマが嫌いな野菜を我慢して食べているとあっては我儘を言いにくい。
普段から肉のおかわりを貰えたことは無いのだが毎回同じやりとりをする。
いつものことなので
「ダモ!お芋のはちみつレモン煮も美味しいです!」
「京かんしょという品種ですよ、母さんも箸休めにどうぞ。」
「義姉さん、締めはお蕎麦だよ。」
「わあ!鴨のお蕎麦大好きです。」
エマとジジ&マリーが嬉しそうだ。
「エマちゃんと子猫達は良い子だな。」
これはお年玉に期待できそうだ。
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