第128話 姉弟でも感想は違います
「うぷぷ。エマちゃん、このサモワールには蛇口がついているんだよ。熱源は中にあるんだ。さあお茶をどうぞ。」
紅茶と一緒に、小さな器でジャムかコンポートのようなものがサーブされる。
「このままだとお茶がとても濃いのでお湯で薄めるんですよ。ジジ君とマリーちゃんの分は薄めて冷ましましょうね。」
デイモンがエマ好みに薄めたり、猫舌なジジ&マリーの分を薄めて冷ましてサーブし直す。
「ありがとうダモ!」
「いえいえ。こちらの器のヴァレニエと合って美味しいと思いますよ。」
「ヴァレーって何ですか?」
「ヴァレニエは果実を甘く煮たものだよ。ジャムのようにどろどろにしないで果実がゴロゴロしているのが特徴かな。これはブドウのヴァレニエ。この間、冬支度を手伝いにきてくれた姉さんが作ってくれたものだよ。」
ダイアナの手作りと聞き、カールの耳がピコン!と立った。
「美味いな!おいしいよ、ダイちゃん。」
「ありがとうカール。」
「二人は相変わらず仲がいいね。デイモン君とエマちゃんも、とても仲がよさそうだね。」
「もちろんです!」
デイモンの尻尾が激しく振られる。
エマも否定せずにニコニコと聞いている。
そんな孫たちをみて、ダイアナとカールが嬉しそうに視線を合わせる。
良い家族旅行になりそうな予感がした。
――― デイモン君はエマちゃんの
ブラムの感想はダイアナ達とは全然違っていた。
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