第121話 チビ妖狐の親離れ

たちばな一家が妖狐夫婦と共に育てたチビ妖狐たちの親離れの時期がやってきた。

もうチビたちも親たちもお互いに関心が薄い。

すっかり手がかからなくなり、たちばなも自由にアシュタロトに会うことができるようになった。

「それで引き取り手は決まったのか?」

「一匹を除いてね。」

「まさか・・・。」

「そのまさかなんだよね。」


親離れの時期がきて、チビ妖狐たちはたくさんの希望者と面会した。妖狐は人気のペットだが、希望すれば引き取れるわけではない。

引き取り環境が整っているか?育てる環境だけでなく人間性のテストなど厳しい審査を潜り抜けたらチビ妖狐たちとの面会だ。ここでチビ達に気に入られたら引き取ることができる。

しかし一匹だけ、すべての面会を拒否したチビ妖狐がいた。


チビ妖狐たちの育児に疲れ、ノイローゼ気味の親妖狐を助けるため、アシュタロトがたちばな一家の家事や妖狐の育児をサポートしていた時、滅茶苦茶アシュタロトに懐いていたチビがいた。

「アッシュがモフリンて呼んでたチビ…。」

「マジか……。」

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