第89話 「違う、そうじゃない」

「これはエンマが喜びそうですね!」

デイモンがタブレットをみて、にっこりと笑う。

市販のカップアイスをデコったり、フレンチトーストなどと一緒に盛り付け、共通のハッシュタグを付けてSNSにアップされた写真が、どれも美味しそうだ。


カチカチ・・・。

「えっと、あとは缶詰と・・・」

部屋の奥でダイアナがネットスーパーで買い物していた。

「おばあ様!僕の買い物も一緒にお願いします!」

ダイアナにスーパーカップ全種類の発注を頼んだ。



「モンたん、頼まれていたお買い物、キッチンに置いておいたわよ。スーパーカップ。」

「ありがとうございます!おばあさま。」

ダモフェンリルがスキップでキッチンに向かうと・・・そこに置かれていたのはアイスのスーパーカップではなくカップ麵のスーパーカップだった。


「・・・・・・・・。」


チャッカ!チャッカ!

怒ったような爪音を響かせながらダイアナの元へ戻るデーモン。

「おばあさま!これ違います!」

目じりに涙を溜めて訴える。

「スーパーカップって言ったじゃない?」

はて?という顔で困るダイアナ。

「僕がお願いしたのは“エ”で始まる方です!」

「エースコックでしょう?」

困惑するダイアナ。

「エッセルの方です!」

「エッセルってなあに?」

スイーツにうといダイアナには通じていなかった。



ズゾゾゾー。

「エンマ味噌が好きです!」

「俺も!」

「美味しいわー。」

スーパーカップMAX みそラーメンはエマには多すぎるのでジジ&マリーとシェアしている。ハフハフと嬉しそうだ。


ズズズー。

「僕は濃コクとんこつが好きです。でも本当はアイスの方を買うつもりだったんですよ。抹茶味に粒あんをたっぷり乗せて、バニラ味には黒蜜と黄な粉を乗せるつもりだったのに。」

「アイスも好きですけど、ラーメンも美味しいですよ。」


結局美味しくいただいた。

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