第69話 デイモンの粒あんLOVE
「むふふ♥」
使い慣れた鍋を前にデイモンが嬉しそうに笑う。
エマの栽培した小豆で大好物の粒あんを炊くのだ。
「エンマ♥まずはお鍋です。大きめのお鍋を使います。小豆の4倍以上のサイズが目安ですよ。」
お水で膨れますからね!と嬉しそうだ。
「まずはエンマの小豆を洗います。艶々でキレイな小豆ですね。」
水魔法でキレイなお水を出して小豆をザブザブ洗う。
「そしたら、たっぷりのお水で小豆を煮ます。沸騰したら火を止めて、お鍋に蓋をして蒸らします。蒸らし終わったら煮汁を捨てます。煮汁は灰汁ですからね。
次にヒタヒタのお水で煮ます。沸騰したら弱火でコトコトですよ♥
お水が減ってきたら、少しずつ足して・・・ヒタヒタをキープですよ。小豆を潰さずにふっくら煮ましょうね。」
ヒタヒタをキープするデイモンの目つきは鋭い。
「良い感じで煮えてきたな・・と思ったら一つ指で潰してみましょう、指で潰せるようになるまで弱火でコトコトです。あらかた煮えたら蓋をして蒸らします。蒸しあがったと思ったら、また指で潰してみましょう。・・・うん充分柔らかいですね!」
エマも一つ潰してみるが簡単につぶれた。
「次にお砂糖ですが・・・僕はザラメを使います。ザラメを小豆のお鍋に入れて全体にまぶすように混ぜて・・・火にかけて練ります!ぐつぐつ煮ながら、練って練って・・・完成です!バットに伸ばして冷まして・・・粗熱が取れたらピチッとラップをしましょうね。」
「わあ、艶々で美味しそうですねえ!」
出来立ての粒あんを前にエマも嬉しそうだ。
「唄子さん、今日は粒あんを使ったおやつにしてください!」
デイモンのおねだりにエマも頷いている。
「じゃあ、粒あんを使った和風ティラミスにしようか?」
「わあ!」
デイモンとエマの顔が期待に輝く。
「まずはカステラを敷いて、その上にエマちゃんとデイモンの粒あんとホイップクリームを混ぜたものを乗せて、その上にマスカルポーネチーズと砂糖とホイップクイームと卵黄とメレンゲを混ぜたものをたっぷり乗せて、表面に粉糖と抹茶を混ぜたものを振りかけたら…出来上がり。どうだい?」
「とっても美味しそうですね!」
ね!と笑い合うデイモンとエマ。
ジジとマリーの尻尾も揺れている。
唄子さんがお皿に作りたての和風ティラミスを盛り付け、デイモンのお皿には多めに粒あんを乗せ、エマとジジとマリーのお皿にはカットした苺とホイップクリームを乗せてくれた。
追い粒あんにデイモンの尻尾が揺れる。
粒あんがなくなるまで、毎朝デイモンは小倉トーストを食べ続けた。
飽きないどころか、とても幸せそうだった。
食べる度に「美味しいですねえ」と、しみじみつぶやいていたが、何日めかに「でぇらうみゃぁー!!」とつぶやいていた。
どこの方言でしょうか?
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