第5話 見習い魔女のハーブティー

世話を始めて一週間でエマが育てたハーブが実った、植物の加護様様だ。

初めての収穫で作ったのはフレッシュハーブティだ。

「摘みたてのフレッシュハーブを洗ってブレンドするだけの簡単なレシピだよ。」と教えてもらったのは、カモミールとレモンバームをバランス良く混ぜ、ふんわりと小瓶に詰める。リラックス効果のあるハーブを二種類組み合わせて一日の疲れを癒すハーブティーの出来上がりだ。


早速試飲してみる。

ティーポットにハーブを一掴み入れて沸騰したお湯を注いで蒸らす。お湯の中で踊るハーブを見つめていると、じわじわと色と香りが立ってくる。カップに注ぐと一気に香りが広がった。

「どうぞエマちゃん、熱いからふーふーしてね。」

「ありがとう!」

カップを受け取るとハーブの香りが広がり、顔がにやける。

エンマが育てたハーブで淹れたハーブティーですよ!


熱そうですね、ふー、ふー、ふー。ごくり。

嬉しそうに揺れていたエマの羽がピタリと動きを止めた。


・・・・・・・味がしません。香りは強いのに味がしません。

大事なことなので二回言いました。


「・・・・・・・・さっぱりしてますね。」

子供らしく甘い飲み物を好むエマには物足りなかったようだ。

「蜂蜜を入れる?」

入れます!と言って、たっぷり混ぜれば蜂蜜味のハーブティーになった。

「甘いです!美味しくなりました。」

蜂蜜は多種多様なビタミンやミネラルが豊富に含まれており、天然のサプリメントなので美容にも良いが、エマは美容を気にしたことがない。ピチピチの幼女ですから!


ハーブを詰めた小瓶を持ってルーシーを訪ねる。

「ルーちゃん!」

「エマちゃん、どうしたの?」

「あのね、これルーちゃんにプレゼント。エンマが育てたハーブで作ったハーブティーの素です!みんなはそのまま飲んでいましたけど、エンマは蜂蜜を入れた方が美味しいと思います。」

ルーシーが頭をなでてくれた。えへへ。


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