最強クラン決定戦 予選(1/22)
これから最強クラン決定戦の予選が開始される。俺たちエルノール家は、みんなで予選会場に来ていた。
「ハルト様。頑張ってくださいね」
「うん。頑張るよ、ティナ」
ちなみに全員が戦うわけじゃない。ティナとマイ、メイ、リュカ、エルミアは応援だ。人化してるけどスライム娘たちはまだ冒険者登録をしていないから、彼女らも俺たちの応援をしてくれる。
「「みなさん、がんばれー」」
「私は参加しませんが、回復ならお任せください」
「リュカがいるから死んでも大丈夫だな」
た、確かに大丈夫だけれども……。
できれば死人なんて出したくない。
「なぁ。セイラも見学で良いんじゃないか?」
「エルミア、それは無理です。戦いの最中で誰かが怪我をしたら、すぐに治療してあげたいので」
「だったらやっぱり私も参加する! セイラは私が守る!!」
エルミアが突然そんなことを言い出した。彼女のお腹には俺の子がいるから、できればあまり激しいことをしないでほしい。
「それはダ──」
「ダメです。エルミア」
「えっ」
「貴女は絶対に安静にしていなきゃダメなんです。エルミアのお腹には赤ちゃんがいるんですから。その子を私と一緒に育てるんでしょ? 私も楽しみにしているんです」
「あ……。う、うん。そうだな」
頬を赤らめながら、エルミアがおとなしくなった。
てゆーか、俺とエルミアの子をセイラが一緒に育てるって……。そんな約束してたんだ。
逆ならわかる。エルミアはセイラにベッタリだから。俺とセイラに子どもができたら、絶対にエルミアが世話を焼きまくるはず。実際にはエルミアと俺の子が先にできたわけだが。
もちろん子どもは家族みんなで協力して育てる。
一気に5人だから大変そうだけど、みんなでやればなんとかなるはず。双子も生まれるかもしれないから、5人以上になる可能性もある。それでも俺たちなら大丈夫。
「ハルト。セイラを頼むぞ」
「うん。みんなを守れるように頑張るよ」
──***──
予選一回戦
「で、初戦の相手がアイツらだと」
「ふふふ。偶然かしら」
「えっ。な、なんで!?」
俺の目の前に良く知ってるヒトたちがいた。
「久しぶりね、ハルト」
「お、お久しぶりです。母上」
見たことのない真っ白な軽鎧に身を包んだ俺の母がいた。
「俺らもいるぞ」
「おひさー。ハルト」
グレンデール王親衛隊の正装を纏ったカインと、王国騎士団の鎧を身に着けたレオンが母の後ろにいる。その彼らの隣にも、俺の家族が。
「もっと実家に帰って来ても良いんだよ。ハルト」
全体的に黒い装束──まるでこの国の諜報部隊が使うような装備のシャルル。
えっ、まさか……。
そーゆー感じ?
なんとなく俺の直感が、
でもこんな多くのヒトが見ているところに仕事着を着てくるかな?
「それだけ私が本気だってことだよ」
「も、もしかして、俺の思考を?」
シャルルは読心術というスキルが使える。
昔から俺の思考はシャルルに筒抜けだった。
「うふふ。ごめんね」
ステータスが呪いで〘固定〙されていて精神系の攻撃にも耐性がある俺の思考を読めてしまう時点で、シャルル以上に諜報活動が向いている人材はいない。どんなスパイであっても、彼女の前では秘密を守れないからな。
「ハルトよ。我も来たぞ」
「祖龍様!?」
最強の魔物がいた。
この世界に魔力の素を流している祖龍だ。
「お前が我が子孫をなかなか連れて来ないから。我の方から出てきてやったぞ」
「も、申し訳ありません……」
完全に忘れてた。
祖龍様の所に、白亜やリュカたちを連れて遊びに行くと約束していたことを。
でも邪神を倒した後の邪神討伐祝賀会には祖龍様も呼んだから、そんなに期間は空いていない。というか数千、もしくは数万年とかを生きてる祖龍様が待ちきれなくて来ちゃうんだ。
「アンナに誘われたから来たものの、敵にエルフ族がいるとは聞いていないぞ」
「えっ……。ダ、ダイロン?」
「なんだお前。人族なのに、なぜ俺のことを知っている?」
「ダイロン。彼の名は、ハルト=エルノールです」
敵にサリオンがいた。
「エル、ノール?」
「ちなみに彼は、
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