文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
【幕間】冒険者ギルド総帥vs絶対女王※【三人称視点】
【幕間】冒険者ギルド総帥vs絶対女王※【三人称視点】
「――ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイぃ!!」
空と床が赤と黒のチェックで彩られたどこまでも続く世界を一つの影が全速力で走っていた。
世界有数の時空魔法師であり、元ヴァパリア黎明結社時空門管理部門長その人が、戦いを放棄して全速力で逃走を図った。
「無茶苦茶だろ、こんなの!! なんなんだよ、
【時空魔法】は既に封じられた。時計を手に常に時間を気にしている白兎によって時間操作は無効化されてしまう。
空間移動の方はまだ使えたが、そちらも封じられてしまった。
残っている手段は【全属性魔法】だが、こちらでは襲撃者に傷一つつけることができない。
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NAME:アリス-ザ・ワンダーランド・ガール AGE:16歳
LEVEL:99999999(DESPERADO)
HP:99999999/99999999(+9999999999999)
MP99999999/99999999(+9999999999999)
STR:99999999(+9999999999999)
DEX:99999999(+9999999999999)
INT:99999999(+9999999999999)
CON:99999999(+9999999999999)
APP:99999999(+9999999999999)
POW:99999999(+9999999999999)
LUCK:99999999(+9999999999999)
JOB:黎明結社メンバー
TITLE:【人間にも魔族にも見捨てられた者】、【不思議の国のアリス】、【絶対女王】、【お茶会を楽しむ者】、【エプロンドレスが最も似合う少女】、【ヴァパリア黎明結社七賢者】、【
SKILL
【物理無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→物理を無効にするよ! 【物理耐性】の上位互換だよ!
【衝撃無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→衝撃を無効にするよ! 【衝撃耐性】の上位互換だよ!
【魔法無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→魔法を無効にするよ! 【魔法耐性】の上位互換だよ!
【状態異常無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→全ての状態異常を無効にするよ! 【状態異常耐性】の上位互換だよ!
【即死無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→即死を無効化するよ! 【即死耐性】の上位互換だよ!
【因果無効】LEVEL:MAX(限界突破)
→因果干渉を無効化するよ! 【因果耐性】の上位互換だよ!
【クライヴァルト語】LEVEL:MAX(限界突破)
→クライヴァルト語を習得するよ!
【ミンティス国】LEVEL:MAX(限界突破)
→ミンティス語を習得するよ!
【マハーシュバラ語】LEVEL:MAX(限界突破)
→マハーシュバラ語を習得するよ!
【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:MAX(限界突破)
→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!
【エルフ語】LEVEL:MAX(限界突破)
→エルフ語を習得するよ!
【ドワーフ語】LEVEL:MAX(限界突破)
→ドワーフ語を習得するよ!
【獣人第一共通語】LEVEL:MAX(限界突破)
→獣人第一共通語を習得するよ!
【獣人第二共通語】LEVEL:MAX(限界突破)
→獣人第二共通語を習得するよ!
【海棲語】LEVEL:MAX(限界突破)
→海棲語を習得するよ!
【ヴァパリア黎明結社共通語】LEVEL:MAX(限界突破)
→ヴァパリア黎明結社共通語を習得するよ!
【掣肘覇潰】LEVEL:MAX(限界突破)
→圧倒的覇気で相手を威圧するよ! 【覇潰】と【掣肘】の上位互換だよ!
【気配察知】LEVEL:MAX(限界突破)
→気配察知が上手くなるよ!
【魔力察知】LEVEL:MAX(限界突破)
→魔力察知が上手くなるよ!
【熱源察知】LEVEL:MAX(限界突破)
→熱源察知が上手くなるよ!
【振動察知】LEVEL:MAX(限界突破)
→振動察知が上手くなるよ!
【危機感知】LEVEL:MAX(限界突破)
→危機感知が上手くなるよ!
【全マップ探査】LEVEL:MAX(限界突破)
→今居るマップ情報を完璧な状態で得るよ! 【空間把握】の上位互換だよ!
【神魔眼】LEVEL:MAX(限界突破)
→あらゆる視覚スキルの究極体だよ! 【視敵】、【俯瞰視】、【暗視】、【千里眼】、【照魔鏡の瞳】、【心眼】、【邪眼】、【魔眼】、【瞳術】、【透視】、【動体視力超化】、【看破】、【過去視】、【不確定未来視】の上位互換だよ!
【ワンダーランド】LEVEL:MAX(限界突破)
→ワンダーランドに招待するよ!
ITEM
・
→ボディスと裾の広がったスカートとエプロンのセットだよ! ボディスとスカートは青色だよ!
・
→〝
・黎明結社のペンダント
→ヴァパリア黎明結社のシンボルである六芒星に十字架を合わせた意匠のペンダントだよ!
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「全く、誰だよ! 攻撃系スキルがほとんどないからって油断した奴は!!」
そもそも、冒険者ギルド本部の最上階にある執務室に七賢者――アリスが単独でやってきた時点で響夜は疑問に思うべきだった。
だが、時既に遅し。【礼儀知らずを相手にしない者】などという得体の知れない称号があるにも関わらず、あっさりと見逃してすぐに逃走を図らなかった結果がこれだ。
実際アリスはここまで誰一人殺していない。受付嬢を脅し、受付嬢を守ろうと攻撃してくる冒険者を全員半殺しにしてトドメを刺さずに放置してくることが可能なほどの力を最低でもアリスが保有していることを見逃した……その慢心が響夜を確実な死へと導いた。
――そもそも、勝てる訳がないのだ。響夜如きではアリスに勝利することはできない。
草子ならば、その姿とスキルを見ただけで最悪の結果を予想するだろう。
戦闘力としては確かに上位には属さない……しかし、絶対に誰にも負けることがない究極の化け物。
即死チートの目の前に放置されても、アザトースと相対しても、因果を超えた魔法少女を目の前にしても一方的な蹂躙が可能な存在。
ヴァパリア黎明結社の七賢者の中で最強を挙げるとすれば、防御においては最強と評さざるを得ない存在。
それでいて、たった一つのスキルでへたな部門長クラスなら圧倒してしまう……そのへたな部門長クラスに分類される響夜に勝ち目などある訳がない。
二つの尻尾を生やした巨大な茶色と焦げ茶色の縞模様の猫――チェシャ猫が尻尾から鬼火を放った。
その鬼火が時計を手に常に時間を気にしている白兎――時計ウサギによって加速される。
【時空魔法】で加速を相殺し、響夜は辛うじて鬼火を躱したが、その直後炎が雷へと変化して猛烈な電流を迸らせた。
無貌の卵型に手と足が生え、はち切れそうなタキシードを纏った存在――ハンプティ・ダンプティの熱量の移動の不可逆性を無視する力……ハンプティ・ダンプティの比喩を嘲笑うような力が響夜のHPを削る。
「おやァ? それだけダメージを負ってもまだ沈まないのは流石ですねェ。まあ、アナタ様を裁くのは女王陛下……その前に死んでもらったら困りますからねェ。それで、投降はァ?」
「わざわざ死ぬと分かっているところに行く奴があるかよ!!」
響夜の恐怖と焦りに染まった表情を見ながら顔半分を隠す白仮面をつけた、シルクハットを改良したような独特の帽子を被った紳士――帽子屋ハッタは粘着質な笑みを浮かべた。
響夜に勝ち目はない。ワンダーランドに連れ込まれた者はアリスの許可があるか、アリスを殺すかのいずれかでしか脱出できないのだから。
アリスから許可を得ることは絶対にできない。残ったもう一つの選択肢――アリスを殺すというのはもっと不可能だ。
「いつまでも逃げるなんて辛いだけだと思いますけどねェ。ほら、来ましたよ? 女王アリス-ザ・ワンダーランド・ガール様の忠実なる兵――トランプリン達が」
上からトランプをモチーフとした布を掛けただけの果たしてこれを服と呼べるのだろうかという服装をしたトランプ兵を彷彿とさせる少女達。
スートごとに姿が異なり、黒のカードは虚ろで感情を感じさせない灰色の瞳を持ち、右目には所属するスートのマークが記されている。黒色ブーツを履いている。髪の色は灰色で近世ヨーロッパの貴族みたいな髪型。
赤のカードは虚ろで感情を感じさせない赤色の瞳を持ち、右目には所属するスートのマークが記されている。赤色ブーツを履いている。髪の色は赤色で近世ヨーロッパの貴族みたいな髪型。
穂先がスペードの形をしている槍を装備したスペード、一見すると何も装備していないように見えるクローバー、杖を持ったハート、巨大なレンチを装備したダイヤ。
本来はそれぞれの役割に合わせた行動をする筈のトランプリン達が四列で行進しながら響夜の方にやってくる。
その姿は緊迫感溢れる戦場ではあまりにもシュールだ。
「全く……逃げるなんて面倒なことをするからわざわざ移動しなければならなかったわよ。でも、楽しんでもらえたのなら良かったわ……死ぬまでの猶予を」
――いつの間にか背後に女王がいた。遥か彼方にいた筈の玉座に座った女王が。
赤色と黒色で彩られた胴を絞り胸を強調したドレスを着用。スカート部分には赤色のバラが付けられている。茶色のタイツを着用。
髪の色は茶髪。髪をくるくる巻きにして短く留めている。髪のあちこちに赤色のハートマーク型の髪飾りを取り付けている。瞳にはハートマークの彩光が映る。
最初に見たウェーブのかかった金髪、青いリボンのカチューチャ、青い瞳、青のワンピースに白のエプロンドレス、縞模様のニーソックスに黒い靴を履いた姿の少女とは明らかに別人だが、これもまたアリスの姿なのだろう。
ハートの女王とアリスの表裏一体として配置するところには何かしらの意図を感じたが、ゆっくりと考察していられるほどの心のゆとりがない響夜は当然スルーする。
「あたしはね、お前みたいな奴が嫌いなのよ。どっちに属することも選べる立場なのに、どちらかを選ぶことのない……そうやって中途半端な位置にいてどちらにもいい顔をできるようにする奴が。……あたしは、どちらにもなれない存在だったから、あなたのような人が本当に羨ましいし、赦せない。……ヴァパリア黎明結社は温厚な組織よ。敵対しなければ基本的には脱退者も放置する……でも、あなたのやっているソレは敵対行動よね? なら、当然覚悟がある筈よ? 命を捨てる覚悟が」
響夜を守っていたホワイト・レイブン・インダストリアル(WRI)製の
あの逢坂詠の前世からのライバルと言われるデクエゥシス=メリュボラハウムの超越技――超越機械兵が付与された無人戦闘兵器が瞬殺された今、響夜を守る存在はいない。
「……む、無理なことは承知の上だが、今までのことは水に流してもう一度俺を結社に」
「はぁ……あたしって頭の悪い奴を相手するのは嫌いなのよ。お前はあたしの一番嫌いなタイプの人種――それを今ここで証明してみせた。ここまでいっているのにあえて地雷を踏み抜くなんて、本当に愚かね。……他人に阿る日和見精神で
その瞬間、アリスは会話を放棄した。最早会話をするに値しない礼儀知らずだと、アリスは響夜を見限ったのだ。
『…………クビヲハネヨ』
玉座に肘を掛け、興味を失ったように響夜に向けていた視線を逸らしたアリス。
その瞬間、口を孤に歪めた二体のトランプリンのジョーカーが二人同時に鎌を振りかざした。
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