391話 阿りの正義

 異世界生活百六十二日目 場所コンラッセン大平原、能因草子の隠れ家(旧古びた洋館)


 本日、白崎達は戦闘訓練に勤しんでいる。……やはり、努力ができる天才に凡人がいくら努力しても勝てないな、と思いつつ、戦闘訓練すらここ最近していない俺は、ふと思いつきでエルダーワンドの実験を始めることにした。


 異世界転移直後があったエルダーワンド……まあ、以前は別の名前だったけど、それと〝DIES IRÆ〟。この二つは変わり続けてきた俺の戦闘スタイルの中でも初期から変わらずあるものだ。

 それだけ色褪せない強さってことなんだけど、現状に甘んずるということは成長の可能性を捨て去るということであって、凡人と言ったら凡人に失礼な底辺モブキャラの俺は他人の数十倍、数百倍、数千倍……数那由他倍の努力をしたところで、明らかに足りないわけですよ。


 という訳で、今回はステータスではなく別の方向にチャレンジをしようということで……ってことで、時間もあるし一度エルダーワンドの限界に挑戦しようと。


 何かあると危険なので屋敷からはかなり離れた森の中でエルダーワンドに魔力を流す。


 エルダーワンドが脈動し……やがて限界を迎えた? エルダーワンドは突然高速で地面に突き刺さり、そこから根を張り、枝を生やし、葉を茂らせ、実を生らせ、根が伸びた先では高速で同じ樹木が生え、根が切り離され……えっ、えっ、ちょっと待て!! ふええぇぇぇぇっ。


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神樹エルダーツリー

→とある異世界の辺境の村にある神として崇められた伝説の樹木だよ! 魔力を吸収することで成長するよ! 魔力を与えることで魔力の所有者の願う形に姿を変えるよ! その異世界ではニワトコと呼ばれているけど地球のニワトコとは完全に別物だよ!

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 …………はっ? これが伝説の樹? いや、最早樹海みたいになっているんですけど!? 樹●降誕だ!? しかも既存の樹をぶっ潰す勢いで成長しているし!! あっ、あれか? 特定外来生物は異世界に持ち込んじゃいけないって話か。

 試しに枝を折ってみる……うん、普通に折れたよ? そこに魔力を流し込んで……。


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・エルダーワンド

→神の加護が宿ったエルダーツリー(ニワトコ)を用いた杖だよ! 魔力を込めるとどんな武器にでも姿を変えるよ!

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 ……エルダーワンドができた。何、これ? エルダーワンドが増殖できるって話? 新手のアイテム増殖? バグ!? まさかバグなの!? おい、射撃の得意なプログラマーさん、モデルガン置いてこっちのバグをどうにかしてくれ! どう考えてもペラペ●のドラゴンよりも重要度高めだから!! このままだとカオスに更なるカオスを持ち込んだカオスクリエイターとして討伐対象にされちゃうから!!


「ま、まあ。見なかったことにしよう……うん、ここには最初から神樹エルダーツリーの森があったんだ。さて次は〝DIES IRÆ〟の研究に移ろうそうしよう」



 異世界生活百六十三日目 場所超帝国マハーシュバラ、冒険者ギルド本部


 織田O、T、A達から冒険者ギルド本部の情報を手に入れて、〝移動門ゲート〟オープン! 関所とか無視していいのかって? んなもんは知らん。

 【空間魔法】があることが分かっているのに出入国のシステムに加味しない方が悪い。


 不法入国? ってか、ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国の時点でもやっていたし本当に今更だし超皇帝の命まではとらないとはいえ武力至上主義の世界の頂点に立つ超皇帝をボコして権威を失墜させようとしている時点で招かねざる敵だし、インフィニットには嫌われているから報告された時点で全面戦争になりそうだな……しかも、今回は逃げ道がない分だけ戦いが始まればどっちかが死ぬまで、あるいは逃げるまで永遠と続く……うん、途轍もない被害が出そう。


 超帝国マハーシュバラには大きく三つの中央都市が存在する。

 ……えっ、何故中央なのに三箇所かって? それは超皇帝に聞けよ! と言いたいが、まあ地形を見れば一目瞭然だ。


 まず、超帝国マハーシュバラの文字通りの中心部には超皇帝宮殿キャッスル・マヘーシュバラがある。

 この超皇帝宮殿キャッスル・マヘーシュバラと、超皇帝宮殿キャッスル・マヘーシュバラを守るように存在する神滅分隊マハカーラが有名な国防陸軍、魔導戦艦を使った空中戦を得意とする国防空軍の軍部院、更にその外に文官や技術者が詰める文技院が存在する中枢区域――通称皇帝区域インペリアル・エリアがあり、ここには一般人は立ち入り禁止となっている。当然、身分を示さなければ中に入ることができず、部外者は完璧に締め出される……まあ、アイツらのことだし身元をきっちり調べるシステムは持っているだろう。ヴァパリア黎明結社に侵入されたらアウトだろうし。


 そして、前述の皇帝区域インペリアル・エリアから北、南東、南西に中央都市ブラフマー、中央都市ヴィシュヌ、中央都市シヴァが存在する……明らかに三神一体トリムールティをイメージしているな。


 冒険者ギルド本部はこの中の中央都市ヴィシュヌにある。ちなみに、全てイン●ラシア王国を思わせる? いや、どっちかっていうとニューヨークのようなイメージで現代的な超高層ビルが立ち並び、とても異世界には見えない。

 中央都市ブラフマーには謎の大企業ホワイト・レイブン・インダストリアル(WRI)の本部が存在するオフィス街、中央都市ヴィシュヌは冒険者などの戦闘や探索を得意とする集まる荒くれ者達の聖地? 流石にそこまではいかないけど、中央都市シヴァは巨大な図書館や怪しげな古書店などが犇めく学徒の街など、それぞれで特色を出しているらしい……うん、絶対にズレているよね!! 明らかに合わせる名前を間違っているよ!!

 ……しかし、中央都市シヴァか。『ナコト写本』とか『エイボンの書』とか『ナコト写本』の失われた断片とかが掘り出せる古本屋とかないかな? そして、『ナコト写本』の失われた断片によって異世界へ……へ? あれ? ここも異世界だし地球に帰りたいんだが……邪神さん、地球に戻してくれんかね? ってダメだ。俺の知っている邪神クトゥルフさんもこっちに呼ばれた口だし、世界移動とかできなさそうだわ。


 そういや、老害タブレットに魔法書ネクロノミコンの名前があったっけ? あれ、是非一度味見……じゃなかった、解読してみたいよね。文学好きとオカルト好きなら誰だって一度は手に入れたく……えっ、ならないの?


 織田O、T、A曰く、ここでかつてお世話になった熟練冒険者と合流して共に即死使いと愉快な仲間達な不良品な不良共を討伐に向かう予定だったらしい……ってか、その熟練冒険者も例の奴隷商人討伐に参加していたんだよね……些か過重労働が過ぎると思うんだが……。


「よっ、確か壇上に上がって堂々と謙遜しながら挨拶していた国家同盟相談役の兄ちゃんか」


 豪放磊落な雰囲気で話し掛けてきた黒髪短髪、隻眼の剣士と物静かそう……に見えてグサグサと言葉のナイフを刺してきそうな魔法師、そして軽薄そうな優男の弓使い……どっかで見たことがある構成? 具体的には異世界に召喚された召喚術師が精霊と契約して活躍する異世界モノ。


「初めまして、能因草子です。同郷? の織田O、T、A共に脅されて無理矢理不良共の殲滅に参加することになりました」


「……いや、脅していないし、寧ろ脅されていたのは俺達というか。というか、『時間対策と即死対策は必須であり、高レベルになっても対策しない方が悪いって至高の御方を見て学ばなかったの?』ってチートな骨の人を例に挙げて散々怒られていじめられたのは俺達なんだけど!! どう見たっていじめっ子は草子君だよね!!」


 失敬な! 誰がいじめっ子だ!! いじめられっ子の間違いじゃないか?

 こっちは地球にいた頃から居ない子扱いとパシリ扱いで散々な目に遭ってきたんだよ! 最早、ただ存在するだけで害悪なビッチ共と不良共よりもお前ら似非オタク共の方が明らかに俺にとっては害悪でしかなかったし。

 というか、俺が折角この世界を旅する中で学んだ世界の常識ってものを特別に伝授してやったのに、なんだその言い草は。授業料毟り取って、ついでに毛根も死滅させるぞ! オタ頭溶岩焼き落としメテオ!!


「まあ、そんな冗談はさておき。俺もこの国に用事があったんで……幸運値が高いせいか、将又一周回って不幸なのか、過剰な●女神の寵愛ネームレス・グローリーが発動しているのか、まあ行くとこ行くとこ連中と遭遇するし、寧ろ遭遇できたらありがたいんだけど……家屋って直せるからね」


「草子君、もう賠償のことを念頭に置いているけど、こういうのって戦争にならないように努力するべきなんじゃないの?」


「いや、今回仮に襲撃に遭うなら俺じゃなくて征社大将軍様のせいだと思うけど。実際アレクの一件も手綱を持つために配置されていたイヴとカンパネラにたまたま・・・・遭遇しちゃった訳だし、四陣営戦争はマジェルダが新核兵器を作ろうとしてバランス崩したせいだし、挙句マルドゥークの兵器を復活させているし、ダニッシュ騎士団長が超帝国マハーシュバラを誘い込んで、矢鱈俺を危険視している征社大将軍様が勝手に仕掛けてきただけだし、ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国の一件も魔王が連中の暗躍に気づいたことが発端だったし。いや、百パーセント事件に巻き込まれるメガネの坊主と一緒の扱いをされると困るんだけど」


「草子君、あの砂漠の街デザートレーティアはどう解釈するのですか?」


「あっ、あれか? どう考えても国家同盟がGUILTYだし、あれに関しては大した被害を出していないだろ? 確かに命を奪ったけど、そんなこと言い出したらキリがねえし。……この世は弱肉強食。奪われたくないなら奪うなってね。大人しく山の中にでもいって魔獣と戯れながらのんびり生活をしてろってね。まあ、それでも殺生は免れないだろうけど」


 何度も言っているけど別に俺が元凶って訳じゃなくて、俺が行ったところでたまたま事件が起きているだ、け……あれ? メガネの坊主も似たようなものな気がしてきた……まさか、死神なのか、俺。異世界に行って死神化したのか?


「前々から思っていたけど、とんでもない人……これは注意しておかないと。初めまして、ザヴィヤヴァ=ヴィンデミアトリックス二十一歳・・・・


「おっと、忘れていたぜ。俺はラサラス=アルテルフ、ランクは金だ」


「アルナスル=ルクバトです。……しかし、思ったほど強くなさそうですね。これなら僕でも倒せそうかも」


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NAME:ラサラス=アルテルフ AGE:21歳

LEVEL:295

HP:70000/70000

MP:3000/3000

STR:90000

DEX:40000

INT:65

CON:30000

APP:28

POW:30000

LUCK:39


JOB:剣士ソードマン、冒険者


SKILL

【片手剣理】LEVEL:300

→片手剣の真髄を極めるよ! 【片手剣】の上位互換だよ!

【唐竹】LEVEL:300

→唐竹が上手くなるよ! 上から下に斬るよ!

【袈裟斬り】LEVEL:300

→袈裟斬りが上手くなるよ! 相手の左肩から右脇腹を斬るよ!

【逆袈裟斬り】LEVEL:300

→逆袈裟斬りが上手くなるよ! 相手の右肩から左脇腹を斬るよ!

【左斬り上げ】LEVEL:300

→左斬り上げが上手くなるよ! 袈裟斬りの逆に斬り上げるよ!

【右斬り上げ】LEVEL:300

→右斬り上げが上手くなるよ! 逆袈裟斬りの逆に斬り上げるよ!

【無拍子】LEVEL:300

→無拍子が上手くなるよ!

【兜割り】LEVEL:300

→兜割りが上手くなるよ!

【武器破壊】LEVEL:300

→武器破壊が上手くなるよ!

【縮地】LEVEL:300

→物凄い速度で相手と距離を詰めるよ!

【マハーシュバラ語】LEVEL:300

→マハーシュバラ語を習得するよ!


ITEM

修羅皇の白刃ソード・オブ・ロード

→修羅皇と呼ばれる魔獣が持つ刀だよ!

銀鋼の重鎧シルバーメタル・メイル

→銀鋼と呼ばれる特殊な金属製の重鎧だよ!

・魔晶石×120

→魔晶石だよ! 魔力が自然界で結晶化したものだよ!

・金貨×39

→万国共通の金貨だよ! 価値は一枚で一万円だよ!

・銀貨×110

→万国共通の銀貨だよ! 価値は一枚で百円だよ!


NOTICE

・通知一件

→未使用のポイントが後350000あります。

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NAME:ザヴィヤヴァ=ヴィンデミアトリックス AGE:21歳

LEVEL:295

HP:30000/30000

MP:210000/210000

STR:20000

DEX:10000

INT:20000

CON:20000

APP:29

POW:20000

LUCK:39


JOB:魔法師、冒険者


SKILL

【火魔法】LEVEL:300

→火属性の魔法を使えるようになるよ!

【水魔法】LEVEL:300

→水属性の魔法を使えるようになるよ!

【氷魔法】LEVEL:300

→氷属性の魔法を使えるようになるよ!

【風魔法】LEVEL:300

→風属性の魔法を使えるようになるよ!

【雷魔法】LEVEL:300

→雷属性の魔法を使えるようになるよ!

【生活魔法】LEVEL:300

→生活魔法を使えるようになるよ!

【マハーシュバラ語】LEVEL:300

→マハーシュバラ語を習得するよ!


ITEM

滅びを招ぶ白竜の杖ドラゴン・スケイル

→白竜の鱗から作られた杖だよ!

魔を導く外套ソーサリー・ローブ

→魔法強化の効果が付与された特殊な布のローブだよ!

・魔晶石×120

→魔晶石だよ! 魔力が自然界で結晶化したものだよ!

・金貨×42

→万国共通の金貨だよ! 価値は一枚で一万円だよ!

・銀貨×191

→万国共通の銀貨だよ! 価値は一枚で百円だよ!


NOTICE

・通知一件

→未使用のポイントが後330000あります。

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NAME:アルナスル=ルクバト AGE:21歳

LEVEL:295

HP:91000/91000

MP:350/350

STR:60000

DEX:90000

INT:160

CON:1000

APP:25

POW:1000

LUCK:10000


JOB:弓使いアーチャー、冒険者


SKILL

【弓術】LEVEL:300

→弓を上手く使えるよ!

【照準】LEVEL:300

→照準を付けるのが上手くなるよ!

【狙撃】LEVEL:300

→狙撃が上手くなるよ!

【乱射撃】LEVEL:300

→乱射撃が上手くなるよ!

【射程上昇】LEVEL:300

→射程が上昇するよ!

【マハーシュバラ語】LEVEL:300

→マハーシュバラ語を習得するよ!

【気配察知】LEVEL:300

→気配察知が上手くなるよ!

【魔力察知】LEVEL:300

→魔力察知が上手くなるよ!

【熱源察知】LEVEL:300

→熱源察知が上手くなるよ!

【振動察知】LEVEL:300

→振動察知が上手くなるよ!


ITEM

月を落とす弓ムーン・フォール

→月を落とすとすら言われるほどの飛距離を出せる伝説の弓だよ!

・突風の矢×150

→突風の加護を受けた矢だよ!

・業魔の矢×150

→業魔の加護を受けた矢だよ!

・祓魔の矢×150

→祓魔の加護を受けた矢だよ!

森を駆ける狩人の服ロビンフット・コス

→伝説の狩人ロビンフッドを彷彿とさせる狩人の服だよ!

森を駆ける狩人の帽子ロビンフット・ハット

→伝説の狩人ロビンフッドを彷彿とさせる狩人の帽子だよ!

・金貨×20

→万国共通の金貨だよ! 価値は一枚で一万円だよ!

・銀貨×121

→万国共通の銀貨だよ! 価値は一枚で百円だよ!


NOTICE

・通知一件

→未使用のポイントが後320000あります。

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 奇遇だな。俺もチームドライアードよりレベルもランクも低い上に即死対策もしてない奴にどんだけ戦えるのかって思っていたところだよ。

 お前が俺を舐めていたように俺もお前らのことを戦力外として見ていた。だからお互い様だね、うん。


「まあ、十五分以内なら神界にキレられるけど何度でも生き返らせられる訳だし、いざとなったら貫通即死で息の根を止めればいい訳だし」


「……何故か僕達サラリと戦力外通知された気がするのですが……」


「十中八九お前のせいだろ? 放たれた殺気が明らかにあれだけで人殺せるぞ、ってレベルだったし、どう考えても俺達が勝てる相手じゃない」


「同感……それより気になるのは、何故草子さんが冒険者ギルド総帥ワールドマスターを睨んでいるのかってこと。確かに、あの人は冒険者に対して悪い印象を抱いているそうだけど、まるで親の仇でも見るような目……冒険者に誰か大切な人を殺されたとか?」


 ザヴィヤヴァの詮索はある意味で正しい。俺はこいつのせいで沢山の者達が苦しめられてきたことを知っている。


「随分といいご身分でいらっしゃるようですね。自分の罪を忘れ、いや、罪を償っているとでも思い込んで今なお罪を重ねているのか? 本当に図太い、いや身勝手な神経をしていますね。皇響夜キョウヤ=スメラギ現冒険者ギルド総帥ワールドマスター殿」



「確か、能因草子君だったね。冒険者になれなかった件については謝罪するよ。その上で君には虹ランクの冒険者と同じ扱いで……」


「その話は前にも断った筈だよな。ブリストル嬢じゃないが、『二度は言わせないで』と言いたくなるね。……そうやって裏口から非正規で雇い入れて程のいい駒として使おうと思っているんだろ? はっきり言ってお前はイヴやブルーメモリア、紅葉達以上の外道だと思うよ。アイツらは明らかに頭のネジが外れていたし、やっていることは最悪そのものだ。俺も要因の一つになったからあまり大きなことは言えないが、ユーゼフの一件や魔王領バチカルのシャルミットさんの件では本気で怒りを覚えた。人の人生をめちゃくちゃを当たり前のように滅茶苦茶にする所業。だが、イヴもブルーメモリアも紅葉も、アイツらはみんな真っ向から挑む者と戦った。逃げも隠れもせず……ブルーメモリアは最終的に逃げたけど、あれは逃した俺の落ち度だし、戦略的撤退だったからノーカンだ。だけど、お前は違うだろ? お前は危険のない場所で連中と同じように……いや、それ以上の災禍を振り撒き、怖くなったからという理由で脱退したら、今度は連中に狙われないようにカオス形成に心血を注ぎつつ、連中を倒して正義面をするために超帝国マハーシュバラに協力した。いや、それも超帝国マハーシュバラとヴァパリア黎明結社をぶつけて同士討ちになることを願いつつ、自分は冒険者ギルドという絶対安全の地位で高みの見物。かの神楽坂ほどの度胸もないし、色々と中途半端。そのくせ、小賢しい小手先の技で世界から信頼を獲得して冒険者の存在を世間の常識に組み込む……そんな中途半端なところと自分の悪いところを隠そうとするところが本当に苛立つな。普通はもっと隠すとこなんじゃね? 元ヴァパリア黎明結社時空門管理部門長様?」


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NAME:皇響夜キョウヤ=スメラギ

LEVEL:20000(DESPERADO)

HP:4000000/4000000(+10000)

MP:4000000/4000000(+10000)

STR:3000000(+10000)

DEX:6000000(+10000)

INT:100(+10000)

CON:3000000(+10000)

APP:230(+10000)

POW:3000000(+10000)

LUCK:10(+10000)


JOB:冒険者ギルド総帥ワールドマスター、時空魔法師


TITLE:【元黎明結社時空門管理部門長】、【超越者デスペラードの領域に至りし者】、【 冒険者ギルド総帥ワールドマスター


SKILL

【全属性魔法】LEVEL:MAX(限界突破)

→全属性の魔法を使えるようになるよ!

【時空魔法】LEVEL:MAX(限界突破)

→時空属性の魔法を使えるようになるよ! 【時間魔法】と【空間魔法】の上位互換だよ!

【複数魔法同時発動】LEVEL:MAX(限界突破)

→複数の魔法を同時に発動できるよ!

【複合魔法】LEVEL:MAX(限界突破)

→複数の属性の魔法を融合できるよ!

【森羅魔眼】LEVEL:MAX(限界突破)

→森羅万象を見通す魔眼を得るよ! 【看破】、【邪眼】、【魔眼】、【瞳術】、【透視】、【千里眼】の上位互換だよ!

【クライヴァルト語】LEVEL:100

→クライヴァルト語を習得するよ!

【ミンティス国】LEVEL:100

→ミンティス語を習得するよ!

【マハーシュバラ語】LEVEL:MAX(限界突破)

→マハーシュバラ語を習得するよ!

【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:100

→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!

【エルフ語】LEVEL:100

→エルフ語を習得するよ!

【ドワーフ語】LEVEL:100

→ドワーフ語を習得するよ!

【獣人第一共通語】LEVEL:100

→獣人第一共通語を習得するよ!

【海棲語】LEVEL:100

→海棲語を習得するよ!

【ヴァパリア黎明結社共通語】LEVEL:MAX(限界突破)

→ヴァパリア黎明結社共通語を習得するよ!

【掣肘】LEVEL:MAX(限界突破)

→掣肘が上手くなるよ! 【威圧】の上位互換だよ!

【覇潰】LEVEL:MAX(限界突破)

→覇潰が上手くなるよ! 【覇気】の上位互換だよ!

【気配察知】LEVEL:MAX(限界突破)

→気配察知が上手くなるよ!

【魔力察知】LEVEL:MAX(限界突破)

→魔力察知が上手くなるよ!

【熱源察知】LEVEL:MAX(限界突破)

→熱源察知が上手くなるよ!

【振動察知】LEVEL:MAX(限界突破)

→振動察知が上手くなるよ!

【危機感知】LEVEL:MAX(限界突破)

→危機感知が上手くなるよ!

【全マップ探査】LEVEL:MAX(限界突破)

→今居るマップ情報を完璧な状態で得るよ! 【空間把握】の上位互換だよ!


ITEM

冒険者ギルド総帥ワールドマスター・の正装フォーマルスーツ

冒険者ギルド総帥ワールドマスターの正装だよ!

九魂の腕輪ナインフォース・ブレスレット

→腕輪だよ! 九つ入れられるよ! 【即死無効・スキル】、【即死無効・魔法】、【因果無効】、【物理無効】、【属性魔法乱反射】、【状態異常乱反射】、【魔力回復】、【体力回復】、【電脳保存】が入っているよ!


NOTICE

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「……お、俺は……罪を償うために」


「違うな。それに、お前はヴァパリア黎明結社に他の異世界への移動手段を与えて被害を大きく拡大させた挙句、ヴァパリア黎明結社そのものを巨大化させたというとんでもない罪を犯した。それをこの程度で贖罪できると思ったら大間違いだ。異世界転移によってこの世界に俺達と同じようにやってきてしまったお前は、保身のためにヴァパリア黎明結社に入った。お前の超越技――異世界に至る方法は、ヴァパリア黎明結社で生存するために発現した能力――つまり、お前の魂の形なんかじゃない。お前はその力で存在意義を得て部門長にまで昇進したが、時空門の完成と制御システムの完成でお前は存在意義を失った。消されるのが怖くなったお前は、ヴァパリア黎明結社を抜けて冒険者ギルドを築いた。新たな存在意義を得るために……その一方で超帝国マハーシュバラと契約を結び、裏でヴァパリア黎明結社を討とうとしている。八方美人って奴だな……欠点のない美人って意味じゃない方の。同じ黎明結社離脱組でも高槻斉人とは違う。あの人はマルドゥーク文明の遺跡から魔術書を秘密裏に発掘し、自分の能力と魔獣を駆使して対ヴァパリア黎明結社の最終兵器を開発する中で力尽きた。あの人は徹頭徹尾最後まで本気でヴァパリア黎明結社と戦おうとしていた。……別に今の俺でも十分お前を殺せる。【時空無効】で無効化しつつ、即死耐性貫通即死を……いや、属性攻撃をぶち込めばそれでチェックメイトだ。だけど、そんなことをしたところで時空門が消える訳じゃない。別に全ての悪は等しく裁かれるとは言わねえし、そんな御都合主義は創作の世界にだってない。悪が栄えた試しなしってのは幻想だ。だが、連中はお前が思っているような馬鹿ではない。中には話が通じない奴もいるが、お前の冒険者ギルドという存在の価値に疑問符を浮かべている奴もいるだろう。俺が結社側なら黒でも白でもないお前みたいな奴は邪魔だ。利用価値もない訳だしな……せいぜい夜道には気をつけろよ。連中は予想外の方向から、最も最悪な結末を運んでくる。俺達にはそれを材料に近づけることくらいしかできないんだからな。それでは、とっとと不良共の討伐に行きましょうか?」


 善玉・・のこいつを殺したところで、こいつによって苦しめられた多くの者達が救われる訳ではない。

 だが、八方美人のこいつがいつまでもあの強大で意味不明な組織を騙し続けられる訳がないのだ。


 そしていずれ必ず綻び、こいつは破滅に向かって突き進む。

 その状況でなお超越者デスペラードとして運命を超えていくなら、もうご立派としか言えないな。


 人には人の正義がある。その正義に向かって生きる。

 これが響夜という人間の正義なら、せいぜいその正義を貫いてもらいたいものだねぇ。おもねりの正義を。

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