文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
髑髏魔導王の魔神のテレパシーは騒音規制法違反で訴えられないのだろうか?
髑髏魔導王の魔神のテレパシーは騒音規制法違反で訴えられないのだろうか?
異世界生活百四十八日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、豪雪凍土の四天王領
『――コンスタンスッッ!! 僕は僕達の
荒れ狂う耳をつんざくテレパシーの嵐が五月蠅い。
もうこれだけで十分ダメージだよ! というか、騒音規制法違反で訴えてやろうかァ! って、テレパシーだから聞こえない奴には聞こえないのか……。
『――僕は最強の魔法使いなんだ! 最強なのに、最強なのに! あの女のせいで!! 絶対に許さないィィ!!』
体長一キロ弱の巨大な髑髏の魔導王がテレパシーを辺り構わず撒き散らす……五月蠅い。
「…………全く、悲しくなるわね。かつての仲間がこんな変貌を遂げてしまうなんて。あそこで追放されて本当に良かったわ」
「あっ、そうですね」
追放されたことをポジティブに捉えているギャフンと言わせたいとも、復讐したいと考えることもなく、ただ心底どうでも良さそうな表情でゴミを見るような目で巨大な髑髏の魔導王を見るコンスタンスに俺は何も言えなかった……いや、いっそ清々しいなって尊敬するけど。
----------------------------------------------
NAME:
LEVEL:10000000
ΣΑ:99999999/99999999
STR:10000000
DEX:100000
INT:99999999
CON:1000000
APP:1000000
POW:1000000
LUCK:1000000
BASIC CAPABILITY
①邪悪なる魂化者の呪核
→《
②邪悪なる魂化者の瘴気
→《
③邪悪なる魂化者の再生
→《
④邪悪なる魂化者の意思伝達
→《
⑤髑髏魔導王の固有能力
→魔力を使用せず呪力により魔法を発動する。
SKILL
【全属性魔法】LEVEL:MAX(限界突破)
→全属性の魔法を使えるようになるよ!
【複数魔法同時発動】LEVEL:MAX(限界突破)
→複数の魔法を同時に発動できるよ!
【複合魔法】LEVEL:MAX(限界突破)
→複数の属性の魔法を融合できるよ!
【無詠唱魔法】LEVEL:MAX(限界突破)
→無詠唱で魔法が使えるようになるよ!
ITEM
----------------------------------------------
しかし、随分厄介なステータスだな……というか、スキルじゃないから会得できないし。というか、そもそも食えそうな見た目していないし。
「……ところで、折角のチャンスだし復讐したりしたい?」
「復讐には興味ないわ。でも、昔一緒にパーティを組んでいたし、引導を渡してあげるわ」
ちなみに聖、リーファ、白崎、レーゲンの四人は別の場所にあった三つの反応の方に向かっている。
何かあった時はゲートミラーを使ってこちらに合図を出してもらうことになっているので、どっちにも増援に駆けつけることは可能だ……まあ、
「確率操作――確定斬撃・九烈斬閃」
「
戦闘開始早々、朝倉と北岡が仕掛けた。
「――硬い! まさかここまで硬いとはな」
「てっきり実態のない霧みたいな相手だと思っていたけど、硬い系だったのね」
どうやら、
「〈
「――【守護者の盾】」
「天より降り注ぐ神の光! ――大軍用殲滅兵器《ヘーリオス》」
「――
「十二天を統べる将よ! 我が求めに応じ、十万億土の彼方より〝十二天式符〟の元に現れ、我にその力の片鱗を与え給え! 〝後一天后水神家在亥主後宮婦女吉将〟――急急如律令!」
「十二月を統べる将よ! 我が求めに応じ、十万億土の彼方より〝十二月霊符〟の元に現れ、我にその力の片鱗を与え給え! 〝開門せよ、
「オトちゃん! アクアちゃん! 力を貸して!!」
『任せて! すとりーむ・おーしゃんッ!!』
『お任せください! おせあん・どらごんッ!!』
「――〈
おっ……柴田、岸田、八房、高津、常盤の元ビッチチームも大活躍だ……しかし減らないHP。相当硬いな、こりゃ。
さっきから進藤、久嶋、大門と狩野の脳筋四人衆も接近戦を仕掛けているみたいだが、すぐに回復されるからあんまりダメージが通っている感じがしないんだよね? ってか狩野よ……完全に染まっているんだな、脳筋に。
「〈勾玉顕現・妖狐憑依〉!! 〝紅煉の世界の灼熱よ! その熱で全てを焼き尽くせ! 一切合切を焼き尽くして浄化せよ〟――〝
「降り注げ、地を焦がす稲妻。災いを齎す竜となれ」
「六属性矢――乱射撃」
「〝万象を滅却する波動よ! 相反する相剋の力によりて顕現し、その力を思う存分揮い給え! 灰は灰に塵は塵に戻りて万物須らく円環の輪へと還る。今こそその輪を外れ、滅びの道を進み給え〟――〝
志島、一、柊、ミュラの攻撃が決まるも、受けた側から再生……しかもあんまりΣΑ、減ってないな……。
「「収束して迸れ、魔を滅する聖剣技――《
狩野と孝徳の勇者固有技は流石……って言いたいけど、あんまり削れていないっぽい?
「〝
ロゼッタが重力で足止めをし、そこにイセルガが【透明化】を使いながら攻撃を仕掛ける。
実は割りと相性がいいロゼッタとイセルガ……まあ、お互い認めたくはないだろうけど。
「これは……瘴気ですか」
状態異常ではなく特殊攻撃判定をされるらしいので、【状態異常無効】で無効化できず地味に微ダメージを受けているイセルガだが、勿論スルー。変態と一ノ瀬に草子さんは優しくないのだよ。
「
「〝漆黒の雷内包する嵐、今大地を削る竜巻となりて塵一つ残さず殲滅せよ〟――〝複合魔法・デスストーム〟」
「
「〝神聖なる輝きよ! 邪悪を貫く槍となれ〟――〝
一ノ瀬、ゼラニウム、メーア、ジュリアナの攻撃がダメージを刻むも、最早恒例となった再生効果で修復される。
「占い師の
「――
「――
「〝双星顕符〟」
「――太極光闇飛斬」
「我が絶対零度の冷気を受けて死になさい! 我が四天王領で暴れる意味不明な存在よ!! 【エターナルフォースブリザード】!!」
アイリス、ジューリア、雪乃の攻撃が決まるもすぐに再生され……ってか、【エターナルフォースブリザード】って必勝じゃないのか? なんか普通に再生させているぞ!?
『――この程度か!! やはり僕こそが史上最強の魔法使いだ!! 〝マイナス二百七十三度の壁を超えし異次元の冷気よ! 全てのものを永遠の眠りへ誘え〟――〝
「〝世界を裁きし三叉の戟よ、全ての魔法を分解し、魔より身を守るあらゆる盾を砕き、色即是空空即是色の理に従い、新たな世界を作る糧となれ〟――〝三叉分解-Trident-〟」
ちっ、魔法の分解は上手くいったけど、
「コンスタンスさん、魔力渡すんで渾身の奴放っちゃってください。俺はアイツにトドメを刺す準備するんで」
「ちょっと待っ――!!」
無限の魔力を圧縮した魔核をコンスタンスに投げ、ついでに魔法のビジョンを送り、エルダーワンドを取り出して刀剣状に変形させる。
ちなみに、コンスタンスに頼らなくても足止めしながら戦えるのにコンスタンスに
ただ、全力で魔法を使える機会を提供して、この一戦で自信をつけてもらいたいという思いはある。
「……分かったわ。やってやるわよ!! 〝付与は新たな境地に到達した。環境を変え、気候を変える力は最早付与術にあらず〟――〝
ところで、単に隕石を落とす魔法といっても色々なものがある。……まあ、そこに至るまでの
一つ目は【時空魔法】――俺が【たった一人で殲滅大隊】という不名誉な二つ名を得るきっかけとなった〝
二つ目は【重力魔法】――実際の星を落とすとなると、地球に当てはめると
そして、三つ目――最後が天体への
「〝
魔核が溶け、膨大な魔力が消滅――眩しい輝きが点から次第に巨大化していき、現れた巨星が
ふう……間に合った。至近距離過ぎて流石に【宅警ト守護之神】では厳しいと思って一か八か【空間之神】と【正義之聖神】と【宅警ト守護之神】を生贄に捧げて良かったよ。
-----------------------------------------------
【時空ト矛盾之極神】LEVEL:1
→時空を支配し矛盾を抱える時空の支配者の究極能力だよ! 次元断層によりあらゆるものを切り裂く次元断層斬、次元断層による絶対防御であらゆる者を護る多次元結界、時空連続体を崩壊させる時空連続体爆裂、意識するだけで同世界のあらゆる時間軸の一点に瞬間移動が可能な時空間移動、指定時空間の支配圏を獲得して他者からの支配を無効化する時空間支配、自在に時間を停止させる時間停止、触れた対象の時間を際限なく加速させることで消滅させる超時間加速の効果があるよ!
-----------------------------------------------
まあ、計算し直すと【時空ト矛盾之極神】の次元断層を使わずに【宅警ト守護之神】の結界を使ってもギリギリのところで持ちこたえられたと計算結果が出ているけど……。
ってか、これってどのスキルの上位互換扱いもされていないみたいだね。【空間之神】の『支配空間内では自身を含む敵味方や物質を瞬間転移させることができる』能力と『支配空間の一部を切り取って別の支配空間入れ替えることができる』と『空間を歪曲させて亜空間を作り出すことができる』能力がまさかないとは思わないけど無くなっているかもしれないし……ナイヨネ? 一応、他の生贄にしたスキルと一緒に復活させておくか。
えっ? 一度生贄にしたスキルを復活させれるのかって? ……余裕だけど??
「さ……て、と。呪核も見つけたことだし、一直破壊しちゃいますか。――【魔法剣・
「
〝
……実はコンスタンスに〝
◆
【三人称視点】
現在は危険な地として魔族から忌避される豪雪凍土の四天王領も、雪乃が魔王軍幹部に任命される以前は活気が溢れている……とは言わないものの、それなりの数の魔族が住み、通常の四天王領として機能していた。
その名残として、この豪雪凍土の四天王領には数多くの砦や要塞が残されている。また、この永久凍土の下には遥か昔に栄えた古代文明の都市が眠っているという噂も実しやかに囁かれているが、環境に適応可能な雪や氷系の妖怪の力を借りる必要があるということで戦時中で史跡調査に人員を避けない魔王軍はあっさり放棄、更にこの地が
聖、リーファ、白崎、レーゲンの四人が向かったのは永久凍土に埋まった遺跡……では勿論ない。
大昔に作られ、そのまま放置された砦の一つである。
草子はこの中に三つの生態反応を見つけた……そのうち一つは明らかに弱っているらしい。
草子はその弱っている反応こそが、抜け殻であると判断して速やかな回収を求めていた。
「…………レーゲン君は分かったんだよね? 私ってライトノベルを読んだことがないから、こういう時に足手纏いだなって思うよ」
「まあ、高嶺の花なイメージが強い白崎さんがライトノベルを読んでいたらびっくりですし、草子さんは引き出しが多いとかいうレベルじゃないですから、比較するのも烏滸がましいですよ?」
「……レーゲン君の中でも私のイメージって高嶺の花なんだ」
どんよりムードを漂わせる白崎。多くの者が憧れるであろう学園のアイドルや高嶺の花という立場も、白崎にとっては草子との仲を引き裂く忌むべき要因である。
「まあ、白崎さんが高嶺の花だと、草子さんは学会の上帝様ですからね。雲の上どころの騒ぎではありませんよ……全く誰ですか? あのような方をぼっちにしたのは……」
「…………ごめんなさい」
「いや、別に白崎さんのせいだとは思いませんよ? 草子さんも一度でも手を差し伸べてくれた白崎さんに感謝していたようですし」
「でも……名前忘れられていたよ? 高嶺の花だから覚える価値がないって言われたよ?」
白崎のオーラはドス黒かった。宛ら、呪力のようである。ソウ●ジェムならとっくに濁って絶望の魔女が生まれているだろう。
「じゃあ、そんな草子君にあたし達にだってできるって見せつけないとね! うふふ、あたしが一番活躍して、その勢いで正妻の座を頂いちゃうんだから!!」
「あっ、聖さん狡いです!! 私だって負けませんよ!!」
「――私だって!!」
「……本当に草子さんは沢山の人に好かれていますよね。ただ、草子さんにとっては本が一番大切なのでしょうが」
普通の思春期男子なら美少女ハーレム状態にうはうはな気分になるだろうが、相手は本好きを拗らせた変態である。
挙句、白崎達すら女性としてのアイデンティティを失う絶世の美女――カタリナ=ラファエルの身体を手にしながらも一切楽しまなかった究極の硬派……というより風変わりな人物である。
しかし、カタリナの身体を手にした草子にとって、美女の持つ魅力は元から評価が低かったのに更に激減……女の魅力で落とすというのは不可能に近い。更に、女性として振る舞ったことで
例えあの高槻斉人であっても扱い切れずに、絶対に攻略できない(運営も攻略方法が分からない)メインヒロイン)として渋々登場させるであろう攻略不能な
と、そうこうしているうちに一行は砦に到着――そのまま中に進んでいく。
そして、目にしたのは――。
「ああ、ロメオ。どうして貴方は美しいのか?」
「ああ、ジュリアーノ。どうして貴方はそんなにも勇ましいのか」
見つめ合い、熱い視線を交わし合うハーフエルフと魔族、そしてその背後に無造作に置かれた魔法師風の男だった。
「きゃー♡ リアルBLだわぁ!! 写真に収めないと!!」
といいながら、草子に
白崎、聖、レーゲンはそんな
「というか、ロメオとジュリアーノ……違う気がしますが、ウィリアム・シェイクスピアの『Romeo and Juliet』が元ネタ? でしょうか? しかし、こんなむさ苦しいロミジュリは初めて見ました」
「なんか文句あるのかァ!」
ジュリアーノと呼ばれた魔族の男は怒筋を立てながらレーゲンを睨んだ。
ロメオの方は底知れない殺意を孕んだ視線をレーゲンに向けている。
「……そこにいるのは勇者パーティのジェームズ=アーミンですね? その方を私達に引き渡してください」
「そういう貴方達は【ヴァパリアに与える鉄槌】のパーティメンバーですね。貴女達が来るのを待っていました! このロメオが!」
「ジュリアーノが!!」
「「我らが敵に鉄槌を食らわせ、能因草子の大切な者達を深い闇の底に誘って差し上げましょう!!」」
「ランク:
「ランク:
十数枚の
「その程度で元美少女幽霊のセイちゃんは止められないのです!! ――〈刻撃〉」
「――
「至高天に浮かぶ薔薇の如く、万天斬り裂く光、吹き荒み渦巻きて、燦嵐となりて敵を討て――《
「〈
ロメオとジュリアーノは、白崎達を侮っていた。
白崎達は決して守られるヒロインのような玉ではない。もし、そうであればとっくの昔に愛想を尽かされていたであろう。
守られることを当たり前だとは考えず、草子の隣で戦えるように常に戦いの技を、戦法を精力的に学んできた白崎達をこの程度のカードで止められる筈がない。
そもそも白崎達を洗脳し闇堕ちさせ、草子と敵対させるという作戦は成立しない。
ロメオとジュリアーノの作戦は二重の意味で破綻していたのである。
「まさか、
「ランク:
「ランク:
「『FANTASY CARDs』の生みの親にして
「この力でお前達を倒す!!」
【因果無効】の会得により【永劫回帰】で消滅していた記憶を取り戻した白崎達は、それが草子とフィードの戦いでフィードが切り札としたカードと同種のものであることを即座に理解した。
「「行け!! ソクラテス、プラトーン!!」」
「「収束して迸れ、魔を滅する聖剣技――《
「――〈刻撃〉」
「――
「「まっ、まさか!?
大魔導賢神ソクラテスと大魔導賢神プラトーンが打ち砕かれ、完全に打つ手が無くなったロメオとジュリアーノはその場で項垂れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます