「ごきげんよう、さようなら」は日本語の文法的に崩壊しているが村岡花子リスペクトなのだからしょうがない。

 異世界生活十六日目 場所ラグーランナの森


 時刻は……多分九時ぐらい? 〝移動門ゲート〟を開いてアルルの町まで迎えに行く。

 【全マップ探査】を使うと白崎達が宿屋 白いアネモネに泊まっていることが分かった。

 流石は期待の新星――期待してますよ! 勇者様方!!


「おはよう、ちゃんと迎えに来てくれたんだ!」


 白崎、俺に天使の笑顔を向けるなんて勿体ないっすよ。全世界の“天使様狂信者ファン”に刺されそうなのでやめて下さい。……まあ、刺されたら即反撃するけど。

 刺すってことは刺されていいってことだよね。両者合意なら勿論問題ないさー。なんくるないさー。なのです♪


「……まさか、俺が置いて行くと思った? 全く心外だな。俺ってそんなに信用ない?」


「……ベツニ、ソンナコトナイヨ。モチロン、ソウシクンノコトハ、シ、シンヨウシテルヨ」


 どうやら本当に信用されていないようだ。……聖だけじゃなくて、白崎達までか。


「そいじゃあ、戻りますか。その前に一応これからのことを確認しておくか。――ラグーランナの森を抜けるとコンラッセン大平原に出る。そこを進めばジェルダの町だ。その後、ブレエルの町を過ぎて少し行けば自由諸侯同盟ヴルヴォタットの首都ファルオンドに行ける。ファルオンドでの目的は二つ。一つは超古代文明マルドゥークの遺跡ジグラートの探索許可を得ること、無理なら貴族を脅して許可を取る。もう一つは、【宵闇の魔女】という魔法の使い手に会うこと。……彼女は世界各地に片手で数えられるほどしかいない【無詠唱魔法】の使い手らしいからね。このスキルを手にできれば今考えている戦術の一つが完成する」


『……と見せかけて、その魔女さんの方に興味があるんでしょ。このこのー。こんなに可愛い女の子を侍らせて、まだ欲求不満なの?』


「……前言撤回。てめえら全員置いて行く。んじゃ、さいなら!」


『冗談ですごめんなさいもう弄ったりしないから後生ですから置いていかないで!!』


 聖が涙目になって俺の服を引っ張った。……たく、シワになるじゃねえか。

 全く、置いて行く訳ねえだろ。俺は嘘はつきたくない性分なんだ。……まあ、たまにど忘れして嘘ついたみたいなことになることもあるけど。そろそろ歳かな? わしゃ、もうダメじゃ。後は若い衆に任せるでのぅ。


 ……って言うとキレられそうだから、言わないけど。


 〝移動門ゲート〟を潜って再びラグーランナの森へ。

 そのまま飛び出してくる魔獣を撲殺したり、串刺しにしたり、切り捨てたり、分解したりしながら進んでいく。

 ちなみにめぼしいスキルを持っている魔獣はいなかったので死体は拾わなかった。……別にゲロマズな食糧には困ってないので。


 よし、ラグーランナの森を出た! コンラッセン大平原に到着だ! 辺り一面黄金色だ! ……蒼き衣を纏ってないし、失われし大地とは絆を結ばないし、人々を清浄の地に導かないよ! だって俺、ただの無職ニートだもの! ……涙は出ないし、女の子でもないよ!


 早速【全マップ探査】を使うか。


 人の反応……ひーふーみーよー……四人か。たく、少ないよ! これじゃあ時蕎麦できねえじゃん!

 ……えっ、人を数える時は正確にしないと意味がないって? 銭勘定の方もちゃんとしないとダメだと思うけど……。というか、犯罪だし。


 しかし、前にも似たような展開があったな。確か、白崎達の時だ。

 ……まさか、今回も同郷出身者とかじゃないよね! 正直関わりたくないんだけど。

 ちなみにヘイト溜め込んでいる順に並べるとオタ、オタ(特殊)、腐女子>不良>ビッチ> 自称インテリ(笑)>その他大勢なモブ>脳筋> 副委員長、委員長って感じだ。


 オタク連中は消すべし、不良はしばくべし、ビッチは八つ裂きにするべし。……どっかの悪質教の教えみたいだな。……ぶっちゃけヘイト上位勢とは金輪際関わりたくない。

 ……えっ? なんで弱いものイジメ大好き不良とか「ぎゃあつかぎゃあつか」喚いているビッチどもよりもオタク連中の方がヘイトを溜め込んでいるかって? 俺をアーカイブ扱いしてこき使いやがったからだよ! 絶対に許さない。――うしのこくまいりぃ!


 ……まあ、報告しないと職務怠慢を疑われるし、一応報告しておくか。


「ここから南南東にそこそこ進んだところで、四人くらい人の反応を見つけた。そこから少し離れたところに何体か魔獣の反応もあるみたい。で、北北東の方にジェルダの町ってのがあるんだけど、とりあえずそこで一休みするか、そのまま進むのかどっちがいい?」


『草子君。……あたしの記憶違いじゃなかったら、こんなやり取り前にもあった気がするんだけど。具体的に言うと白崎さん達の時に』


「まさか、こんな感じだったんですか! 聖さんに突っ込み入れられていなかったら私達見殺しにされていたの!!」


 全く失礼な。どっかの勇者様が助けてくれると思ったんだよ。それを出会いを奪うみたいに俺を救援に向かわせやがって。折角のロマンチックな雰囲気が台無しじゃないか!

 「俺と白崎さんの出会いを邪魔しやがって」って勘違い勇者が来たら一体どうするんだよ! 消すの? 世界の救世主セイヴァーを消すの!? いや、するけど。俺は基本的に(俺の)いのちだいじにだし。


「……で、なんだか面倒な予感がしてるけど、とりあえず魔獣ぶっ倒しにいく?」


「やっぱり草子君って優しいよね。なんだかんだで結局助けてくれる」


「……はぁ。もし無視して進んだら白崎さん達がうるさそうだからだよ。全く、俺の目的は地球に還ることなんだからこんなところで寄り道したくないのに」


 とりあえず進む。……見たことのない魔獣だ。

 ……駝鳥? 黄色い駝鳥? ……チョ●ボなのだろうか? キュピィ! クピピ……。


-----------------------------------------------

NAME: ストラシオーケーメラズ

LEVEL:20

HP:46/46

MP:0/0

STR:45

DEX:120

INT:0

CON:50

APP:-10

POW:50

LUCK:1


SKILL

【蹴撃】LEVEL:3

→蹴りが上手くなるよ!

【疾駆】LEVEL:3

→速く走れるようになるよ!

【豪脚】LEVEL:3

→脚力を上げるよ!

【突進】LEVEL:3

→突進が上手くなるよ! 【体当たり】の上位互換だよ!

【捨て身】LEVEL:3

→捨て身攻撃が上手くなるよ!

【威嚇】LEVEL:3

→威嚇が上手くなるよ!


ITEM

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 敵としてはそこまで強い部類ではない。寧ろゴブリンと張れるレベルだ。

 だが、いかんせん数が多い。土煙を上げながらこっちに向かって走ってくる。……硬いものに引き寄せられる走●鷹鳶なのだろうか?


「そういえば試してない魔法あったっけ? 【天体魔法】って【天文学】の知識関係あるのかな? ……〝北の空を彩る柄杓の星々に裁かれよ〟――〝天枢ドゥーベ天璇メラク天璣フェクダ天権メグレズ玉衡アリオト開陽ミザール揺光ベネトナシュ〟――〝天体魔法・七星の光明グラン・シャリオ〟」


 星々の真名を唱えると共に、星々の位置に合わせて光が出現し、七つ全ての光が揃った時、七つの魔法陣が展開され――大地が白く塗りつぶされる。


「……う〜ん、範囲的には〝爆裂魔法ハイパーエクスプロージョン〟より上って感じかな? ただ、詠唱が長い……まあ、カッコいいし気が向いたら使うってことでいいか」


「……草子君、多分それもチート魔法だと思うわぁ」


 北岡よ。お前らだってこれくらい使えるだろ? 勇者パーティのメンバーなんだし。

 ……まあ、雑魚相手にオーバーキル過ぎるとは思うけど。普通に使える奴いるんじゃない? 例えば賢者とか、魔法協議会の裏切り者とか。



 反応があった場所に移動。調査通り四人の女子が居た。

 ……クラスのビッチ共だ。


「やあ、ビッチ共。ごきげんよう、さようなら」


 『赤毛のアン』などで有名なカナダの小説家ルーシー・モード・モンゴメリの著作の翻訳で有名な村岡花子リスペクトだ。

 少々日本語として崩壊しているが、リスペクトなのだからしょうがない。しょうがないったらしょうがない。……生姜ないんだからね! ……あっ、誤変換した。


「ちょっと待ちなさいよ! 誰がビッチよ。そして、会って早々置いていくってどういうことよ」


 ビッチリーダーなのだろうか? ゲド●コリーダーの仲間なのだろうか? ……真っ赤ではないしキノコ頭でもないようだ。大体コイツがグループのリーダー格だったのでそういうことにしておこう。

 ぶっちゃけ、名前忘れた。ステータスを見るのも面倒だしそのままにしておこう。


「「「「白崎さん、朝倉さん、北岡さん。ごめんなさい!! 私達があの場で我儘を言わなければクラスを崩壊させることにはならなかった」」」」


 やっぱりお前らがクラス破壊要員の一つだったか。

 まあ、例えあの場にクラス破壊要員がいなくても老害クオリティでクラスは破壊されていただろうが。

 なんだって出版社を丸々召喚して担当と漫画家を切り離すほどの天才だ。烏合の集にする天才にとってはちょっと亀裂が入ったクラスなど一殺で確殺だろう。


「……もう過ぎたことだからいいよ。でも、クラスのみんなにはちゃんと謝ってね」


「「「「はい!」」」」


 ……意外と素直だ。一体何が会ったのだろうか? 我儘だったビッチが謙虚になっている。異世界には人格を変えるほどの何かがあるのだろうか? ……まあ、異世界カオスだしね。なんらかの化学反応が働いたのだろう。


「……ところで、岸田さんの姿が見えないようだけど、どこかに行ってたりするの?」


 ん? そういえば、ビッチって五人だったよな。リーダーとビッチA、ビッチB、ビッチC、ビッチDって。

 全くもって心底どうでもいいから忘れていたよ。まあ、うるさい声で読書妨害して来た連中だし、覚えておいて報復した方がいいんだろうけど。……ジ●ソウを召喚しようか? メニューにないカクテルを頼むとバナナの皮で殺してくれる殺し屋さんを召喚しよっか? ……まあ、どっちでもいいけど。


「「「「――白崎さん、皆さん。どうか、岸田さん達を助けて下さい!!」」」」


 ほら来た面倒な予感だ。



 ビッチリーダーの話によればこちらの世界に来てから最初は絶望しながらも「白崎さんやクラスのみんなに謝る」ためにこの世界で生き抜く術を模索し始めたらしい。

 そんな風に異世界生活を始めて十五日目、遂に事件は起きた。


 その日はラグーランナの森に採集に出かけていたらしい。

 そこそこ戦い慣れてきたということもあり、より採集できる量を増やすために分散することにした。

 ビッチBの証言によれば、木になっていた果実を捥ぎ取っていた時に男の声が聞こえ、奇妙に思って草陰から覗くと見たことのない大きな馬車と、見るからに悪そうな雰囲気を漂わせる男。そして、虚ろな目の岸……えっと、なんだっけ? ビッチDでいいか。が居たそうだ。

 ビッチDは拒絶する素振りすら見せずに謎の首輪をつけられ、そのまま馬車に乗せられた。

 ビッチBは恐怖のあまり助けに行くこともできず、そのままへたり込んでしまったらしい。


「…………また面倒な話だな。異世界の定番奴隷商人と隷属の首輪的な奴か。……でも、ミンティス教国以外の国では奴隷制度が全面的に禁止されているんじゃなかったっけ? ということは非合法な奴隷商人って奴か。奴隷商人に合法も非合法もねえと思うけど。……ということはバッグに犯罪ギルドとかいるんじゃねえか。脅威が膨らむなぁ。まったく夢もキボーもありゃしない」


「……草子君。私、岸田さん達を救いたいんだけど」


「全く白崎さんはとんだお人好しだよ。俺は反対だ。百歩譲って岸……誰だっけ? ビッチDを救うのは良しとしても、奴隷商人とは全面的にことを構えない方がいい」


「さっきから偉そうにしてるけど、アンタ誰よ! 所詮は白崎さん達の取り巻きでしょ」


 カッチーン。……まあ覚えている訳ないよね。寧ろ覚えている白崎達の方がおかしいよね。

 俺だってアイツらの名前を覚えていないのだから同罪か。なら、自己紹介をするか。できるだけ丁寧に。


「はじめまして、日本文化研究学部国文学科浅野天福ゼミ大学公認特例ゼミ生の能因草子と申します。白崎様の取り巻きAみたいなものですが、取り巻きの助言など不要ですよね。というか、こんなモブに博学才穎、容姿端麗、文武両道の三拍子揃った世界の至宝“天使様”の取り巻きなど務まる訳がないですよね。白崎様、皆様、本日でお暇を頂戴したいと思います。白崎様達は主人公らしく奴隷解放をしてきて下さい。それでは失礼致します。〝距離に隔てられし世界を繋ぎたまえ〟――〝移動門ゲート〟」


『やばいよ! 草子君マジギレだよ! このまま置いていく気だよ!!』


 いや、だってお呼びじゃないみたいだし。このままここにいてもストレスだけ溜まりそうじゃん。

 俺の目的は地球に帰還することであって、少女奴隷をもふもふすることじゃない。


「草子君、そもそも前提から間違っているよ! 草子君はどう考えても取り巻きAじゃないから。私達が草子君のパーティに押しかけたんだから」


「……草子さんは一度拗ねると大変ですからね。以前にーとのせいで冒険者になれなかった時はアルルの町を吹き飛ばすとか言ってましたし。……こうなったら仕方ありません。絶対に勝ち目はありませんが、ここで止めましょう」


 聖、リーファ、白崎、朝倉、北岡の五人で俺を取り囲む。

 このまま逃がさないって魂胆か。……俺だけ仲間外れにされたのに、いらない子扱いされたのに、帰っちゃダメなの!? とっとと追放してくれない!? 俺とっととファルオンドに行って【無詠唱魔法】を教えてもらいたいのに!! 多分俺の予想が正しければ対ヴァパリア黎明結社の切り札の一つになるんだよ!!


『草子君、覚悟ぉ! 〝漆黒の影よ、裂き分たれて糸となり、汝を拘束せよ〟――〝影縛之拘束シャドウ・バインド〟』


「〝全ての魔法を粉砕せよ〟――〝マジカル・デモリッション〟」


 影の触手、粉砕完了。……そもそも俺には【魔法無効】があるから魔法効かないし。


「草子さんに魔法は効きません。【物理無効】があるので物理攻撃も効きません……もしかして最初から詰んでる!」


「えっ、今頃気づいた? でも勇者パーティなんだから【物理無効】も【魔法無効】も無理ごと殺すくらいのことしないと。そんなんじゃ魔王討伐なんて夢のまた夢だよ! 〝痛みを理解したまえ〟――〝ダイレクト・ペイン〟」


 最初は聖に、続いてリーファの精神に直接激痛を与える【精神魔法】を発動する。

 ……えっ、そんだけで撃沈? いくらなんでも弱過ぎない。


「草子君。君には感謝している。だからこそ、このまま行かせたりはしない。私達にとって君は命の恩人だからな」


「あっそ。俺は別に助けた覚えはないんだけどね。んじゃ、さいなら。〝痛みを理解したまえ〟――〝ダイレクト・ペイン〟」


 はい、朝倉撃沈。……本当に勇者パーティ? いくらなんでも弱過ぎない? そんなんじゃ魔王どころか魔王軍幹部にすら勝てないよ?


「【拘束】スキル発動ぉ。――草子君、逃がさないわぁ」


「そういえば、【拘束】を獲得したんだっけ。おめでとう。……でも、詰めが甘いよ。〝紅煉の世界の灼熱よ! その熱で全てを焼き尽くせ! 一切合切を焼き尽くして浄化せよ〟――〝灼熱世界ムスペルスヘイム〟」


「まさか! 自分に向かって【火魔法】の上級魔法を――」


「俺、【魔法無効】あるから魔法効かないし、服にも【全属性耐性】が掛けられていたみたいだから。そんな麻縄じゃ拘束なんてむりーむりむりよー」


 〝ダイレクト・ペイン〟を発動し北岡撃沈。……というか、全く外傷を加えずに精神に直接痛みを流しているだけなんだけどね。

 そういえば、同姓同名の魔法があったっけ? 題名詐欺な魔法科高校生が主人公の作品に。まあ、こっちは思い浮かべて痛みを直接与えているんだけど。タンスに小指をぶつけた時の三百倍の痛みにしてるけど……ペイン●リンガーの上位互換とかじゃないし、最早原形をとどめてないとか言わない。


 ……残りは白崎か。【完全掌握】を使う最強クラスのチート存在キャラ。……絶対強者? 相手に次々と仲間を倒され、たった一人残っても希望を捨てないのだから、間違いなく主人公だ。

 いずれ世界を救う勇者になるであろう逸材だけど、今はまだ経験が足りない。掌握される前に意識をブラックアウトさせれば問題ないだろう。


 主人公も一度くらいは負けないとね。そして、修行して強くなるのです! ……って、どこの少年漫画だよ!!


 ……あれ? 白崎が聖杖アスクレピオスを捨てた? 武器捨ててどうするの? 戦うんじゃないの?


「……草子君。草子君のことだからきっと考えがあって奴隷商人と戦うことに反対しているんだよね? 草子君が何の理由もないのに、ただ面倒だからって反対する筈がない。だって、岸田さんを救い出すことには反対しなかったんだから。……その理由を教えてくれないかな? 教えてくれなかったら分からないよ」


 はぁ。そんな悲しそうな顔をされると見捨てられないじゃないか。

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