「類は友を呼ぶ」という諺は確かに存在するが……爆弾魔な幽霊と俺を変人と一括りにするのはやめて頂きたい!

 え〜、四日目になりました。ちなみに、さっき確認してみたら賞味期限は(後三日)のままだったけど、体感的には四日目なので四日目です。ということで、少なくとも俺の中では四日目なので、四日目ということにしましょう。


 昨日寝落ちしたところからスタート。ちなみに、セーブはできない仕様なので(これ、ゲームじゃないのにセーブ要素があったらそれはそれで驚く)、負けてもここから再スタートはできません。「へんじがない。ただの しかばね のようだ」状態になるだけです……って、こんな迷宮の中で一人寂しく白骨死体になっていくのって嫌だな。

 よーし、元の世界に帰るためにも、ここで白骨死体にならないためにも今日も張り切ってコソコソとボコボコするぞー!


 おっ、早速第一魔獣発見! ……って村人じゃないんだから。


-----------------------------------------------

NAME:クリムゾンウルフ

LEVEL:27

HP:89/89

MP:0/0

STR:103

DEX:93

INT:12

CON:58

APP:-3

POW:53

LUCK:13


SKILL

【爪術】LEVEL:8

→爪を上手く使えるよ!

【咬みつき】LEVEL:8

→咬みつきが上手くなるよ!

【頭突き】LEVEL:8

→頭突きが上手くなるよ!

【体当たり】LEVEL:6

→体当たりが上手くなるよ!

【威圧】LEVEL:10

→威圧感で相手を怯ませるよ!

【遠吠】LEVEL:8

→遠吠で仲間に居場所を知らせたり、威圧できるよ!

【纏雷】LEVEL:6

→雷を纏わせるよ!

▶︎【赫雷】LEVEL:8

→赤い雷を纏わせるよ! 破壊力は高いけど速度は落ちるよ!

【縮地】LEVEL:10

→物凄い速度で相手と距離を詰めるよ!

【血契盟約】LEVEL:8

→自身のHPと引き換えにステータスを上昇させるよ!


ITEM

-----------------------------------------------


-----------------------------------------------

NAME:クリムゾンラビット

LEVEL:26

HP:69/69

MP:23/23

STR:89

DEX:151

INT:12

CON:62

APP:5

POW:68

LUCK:21


SKILL

【蹴撃】LEVEL:7

→蹴りが上手くなるよ!

【跳び蹴り】LEVEL:6

→跳び蹴りが上手くなるよ!

【体当たり】LEVEL:3

→体当たりが上手くなるよ!

【加速】LEVEL:3

→速度を上げるよ!

【威圧】LEVEL:4

→威圧感で相手を怯ませるよ!

【縮地】LEVEL:8

→物凄い速度で相手と距離を詰めるよ!

【血契盟約】LEVEL:8

→自身のHPと引き換えにステータスを上昇させるよ!


ITEM

-----------------------------------------------


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NAME:クリムゾンスネーク

LEVEL:25

HP:108/108

MP:10/10

STR:92

DEX:235

INT:3

CON:21

APP:-2

POW:12

LUCK:21


SKILL

【尾術】LEVEL:8

→尾を上手く使えるよ!

【組みつき】LEVEL:8

→組みつきが上手くなるよ! 相手の動きを封じるよ!

【体当たり】LEVEL:3

→体当たりが上手くなるよ!

【咬みつき】LEVEL:8

→咬みつきが上手くなるよ!

【毒生成】LEVEL:21

→毒の生成が上手くなるよ!

【麻痺毒】LEVEL:21

→麻痺毒の生成が上手くなるよ!

【毒耐性】LEVEL:21

→毒に対する耐性を得るよ!

【石化耐性】LEVEL:21

→石化に対する耐性を得るよ!

【麻痺耐性】LEVEL:21

→石化に対する耐性を得るよ!

【威圧】LEVEL:4

→威圧感で相手を怯ませるよ!

【縮地】LEVEL:8

→物凄い速度で相手と距離を詰めるよ!

【血契盟約】LEVEL:8

→自身のHPと引き換えにステータスを上昇させるよ!


ITEM

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NAME:クリムゾンマンティス

LEVEL:28

HP:121/121

MP:0/0

STR:133

DEX:221

INT:3

CON:69

APP:-5

POW:72

LUCK:13


SKILL

【鎌術】LEVEL:10

→鎌を上手く使えるよ!

【体当たり】LEVEL:5

→体当たりが上手くなるよ!

【連続攻撃】LEVEL:8

→連続攻撃が上手くなるよ!

【無拍子】LEVEL:6

→無拍子が上手くなるよ!

【無念無想】LEVEL:7

→雑念を生じる心を捨てて無我の境地に至るよ!

【威圧】LEVEL:4

→威圧感で相手を怯ませるよ!

【縮地】LEVEL:8

→物凄い速度で相手と距離を詰めるよ!

【豪脚】LEVEL:6

→脚力を上げるよ!

【血契盟約】LEVEL:8

→自身のHPと引き換えにステータスを上昇させるよ!


ITEM

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 名前的にクリムゾンウルフとクリムゾンラビットは、ツインテイルウルフとコニヴェスラビットの亜種だろうか? 毛の一本一本まで真っ赤っかだ。なんか恥ずかしいことでもあったのだろうか?


 そして、蛇と蟷螂の方ははじめてだな。はじめまして。

 なんかどっちも赤いし、もしかしたらこの辺りでは赤いことがブームなのかもしれない。……クリムゾンって辺りがただの赤じゃなさそうだけど……血に濡れたとか、血に飢えたとか、赤い服のとか……って赤い服の人は同じクリムゾンでも別の人か。後はダークな雰囲気の魔法少女とかもいるよね。イ●フェル●ファ●アでも撃つのかな?


 さて、相手も気づいていないようだし、いつも通りこそこそ不意打ちを仕掛けますか。

 とりあえず、鋤を装備と……っていつもの鍬はどうしたんだって?


 いや、レベルが大幅に下がったしそろそろ鋤の方も使った方がいいかなぁって。

 といってもやることは鍬の時と全く変わらない。


 一、鋤に【梱包】を発動して魔力を纏わせます。


 二、鋤に【纏雷】を発動して魔力を纏わせます。


 三、【縮地】発動して一気に近づきます。


 四、振りかぶって、返り血気にせず思い切り撲殺☆


 レッツ、エンジョイ三分ショッキング! エンドゥ、ワン モア セッツゥ! ……って一匹辺り三分もかからないな。


 という感じで気づかれる前に不意打ちを食らわせ、気づかれてからも関係なく撲殺して(それ、不意打ちする必要あったのか? というツッコミは置いといて)、とにかく四体のクリムゾンな魔獣達を討伐し終えた俺は死体を布の袋に突っ込み、安全地帯に戻った。


 さあ、恒例の飯タイムです。今は朝餉? 昼餉? 夕餉? 一日五食とか八食とか普通にあるからよく分からないや。

 まあ、おやつまで魔獣の肉だしね。コーヒーとショートケーキとか、アフタヌーンティーとか、青表紙本と三巻本とか贅沢は言わないからさ、せめておやつくらいはおやつと呼べるものが良いよ……え、青表紙本と三巻本は古典籍だって……あはは、本恋しさに甘味としてカウントしちゃった……そろそろヤバいかもしれない。


 まあ、魔獣撲殺して「ヒャッハー☆」している時点で既にヤバいんだけどね。

 でも、無言で魔獣を撲殺し続けるよりはまだマシだと思うんだ。魔獣殺しがただの作業になったら、俺は自他共に認める人格破綻者になるだろう。……変態で人格破綻者か……それって誰も得しないよね! 一生を牢の中で過ごす人達の仲間入りだよねッ! 流石に御免被る!!


 と、そろそろ食事したいんだけど……さっきからずっと背後に気配を感じているんだよね。

 ついでに寒気も感じはじめてきた……迷宮生活が長くて(そんなに長くない)ついに迷宮病でも発症したのかな? ……なんだろう、迷宮病って。島に入ってはいけない病の友達みたいな迷宮に入ってはいけない病の略称とかかな……って、それなら迷宮で四日(正確には多分三日)暮らしている俺はそろそろ本当にヤバいかもしれない。


 とりあえず、後ろを振り向いてみる……誰もいない。

 戻ってからもう一度振り向いてみる……やっぱ誰もいない。


 ……そうだよね、誰もいないよね。居る訳ないよね。

 だって、俺は一人で飛ばされた筈だし、ここ安全地帯だから魔獣は入ってこれない筈だし。


 ってか、傍目から見ると誰もいないところでだるまさんか転んだをしている悲しい人にしか見えないな。

 ……なんか、本当にいるように感じたんだよっ! 本当だよ、本当だって、ねえ、信じてよッ!

 生まれてこの方うん十年間彼女ができる気配と霊感を感じたことはないけど、それでもなんかゾクって感じたんだよ!


 ようし、もう一回振り向いてみよう。きっと誰もいない筈だ。よし、「三、二、一」でもう一度振り向いて誰も居なかったら『あたしセイちゃん。今よく分からない迷宮の中にいるの』……えっ、今の幻聴? なんか聞こえたようだけどまあいいか……どこまで話したっけ、ああ「三、二、一」でもう一度振り向いて誰も居なかったらそれで何も無かったということにしよう『あたしセイちゃん。今安全地帯の結界の中に居るの』……やっぱりなんか居るんですけど、いや二回目のは絶対幻聴じゃないよね!

 まさか、異世界で「メリーさんの電話」の都市伝説に遭遇するとは思っていなかったよ。まあ、電話の充電切れているし、名前がメリーさんじゃなくてセイちゃんだし、そもそも電話越しじゃないし……構造以外はほとんど別物になっているけどね。

 異世界だし、その辺りマイナーチェンジされているのかな? 『あたしセイちゃん。今あなたの後ろにいるの』うわぁ、遂に背後に立たれた……俺、可愛い西洋人形とか捨てた覚えないけど。なんでこんなに怖い思いしないといけないの?

 俺って浅野ゼミに入りたいなぁ、って毎日勉強して、気づいたら学年一位になってて、浅野ゼミのイベント用に調べ学習をしていたら突然魔法陣が現れて、老害に無理矢理召喚されたと思ったらスキルとか売れ残りしかなくて、挙げ句の果てに在庫処理みたいに全部渡されて、どこかも分からない迷宮に放り出されて……寧ろ、被害者の要素しかないよ。犯罪に数えられるとしたらゴブリンとかの「撲殺☆」しかないよ……って撲殺も犯罪だって。


「ったく、俺が何をしたって言うんだよ幽霊さんよ! 背後に立たれると気が散るからとっとと帰って――」


『あたしセイちゃん。今ダイナミテーに着火したの!!』


 振り返るとそこには半透明な女の子が宙に浮いているというよく分からない光景が広がっていた。

 漆黒のラバーセーラー服からは発達途上なのであろう申し訳程度に膨らみがある。黒のニーソックス、ローファーを履いた女子中学生か高校生なのだろうスタイル(発育度的には中学生だろうか、これで高校生と言われると……)、潤いに満ちた艶やかな髪は腰まで伸び、白磁のようなつるつるとした白肌のパレットには、可愛らしく見開かれた黒目の印象的な双眸、スゥと通った鼻梁に小ぶりの鼻、若々しい潤いを含んだ薄桃色の唇が完璧な形で配置されている。

 彼女の周囲には無数の青白い炎が浮いていた。そして、彼女は手に持ったダイナマイトを青白い炎に近づけ――。


 うむ、よく分からん。分からんが、真実はいつも一つ……じゃなかったこの場で為すべきことはただ一つ。


「〝溢れる水よ〟――〝クリエイトウォーター〟」


 着火されたダイナマイトに照準を合わせ、〝クリエイトウォーター〟を発動。丸ごと水で包み込んだ。

 ふう、なんとか爆発だけは免れたぜ! 咄嗟にこれだけ反応できる奴ってのもなかなか居ないだろう。だって、そもそも前の段階で相当パニクってても仕方がないからね! ホラーな展開の後で別種の恐怖被せてくるってなんなの? マジでなんなの! ようし、とりあえず……。


「――出たなぁ、幽霊め!」


 ――よし、言ってやったぜ(キラり)!



 デスクライトも無エ、机も無エ、椅子も無エ、防音設備もマジックミラーも無エ。当然ながらカツ丼も無エ……ってカツ丼があるなら俺が食べたいよ!!


 あるのは密室だけ。俺と幽霊の女の子――もし、街頭に立っていて職質されるとしたら間違いなく俺だが、今回職質するのは俺の方だ。

 だって、俺何もしてないもん。ただダイナマイト投げられそうになって消火しただけだもん。寧ろこっちが被害者じゃん。

 だから、幼女誘拐犯に向けるような視線を俺に向けるなぁ!


 とりあえず、目つきを悪くしてから思いっきり【威圧】を発動してJC(仮)を座らせる。

 JC(仮)は涙目になっていた。……幽霊にも【威圧】って効くんだな。


「……What's your name?」


『なんで英語なんですか?』


「あれ、ダメか。……Comment vous appelez-vous?」


『もう、何言っているか分かりません。普通に日本語で大丈夫です。……日本語でオーケー』


「さっきのはフランス語で『貴方の名前は?』だよ。浅野ゼミに通うために大学に通っていたら、大学の一組織である教養教育センターに勤めている各国の先生とも何故か話す機会が増えてね。……で、気づいたらフランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、イタリア語で挨拶くらいはできるようになったんだ」


『……よく分からないけど、あなたって大学生なの? でも、ブレザー着てるし』


「俺は高校生だよ。どちらかと言うと帰るべき場所・・・・・・は大学って感じだけどな……って俺のことはどうでもいいんだ。君の名は?」


『あたしは、美少女幽霊セイちゃん……冗談よ、高野たかのせい。出身は日本でここに来る前はJC……女子中学生をやっていたわ……より具体的な場所説明が居るかしら?』


「いや、要らないよ。とりあえず、同郷の出身である可能性が高いことは分かった。で、YOUは何しに異世界へ? ……これまでの経緯を教えて」


『あたし、男子生徒の後ろに立って脅かそうとしていたところで魔法陣に呑み込まれ、気づいたらクラスメイトと共に真っ白な部屋に飛ばされた。……そこにいた老人がとにかく要領を得なくて、仕方なくあたし達は老人のタブレットを借りて(正確には男子生徒の一人がぶん取って)それぞれスキルを選ぶことになった。私も二つスキルを選んで、さあ異世界へ出発ということになったんだけど……あのクソジジイ、転移先をランダムにしやがって、気づいたらどこかも分からない迷宮の中に居たわ』


 ……途中からどんどん口調が悪くなっているけど致し方ないだろう。

 だって、話を聞く限り元凶は間違いなくあの老害だもん。……いや、しっかし中学生にまで手を出していたか、もしかしたら小学生とか保育園児とか幼稚園児とかその辺りまで手を出していたかもな。

 ……そんなん召喚しても烏合の集にしかならないけど、あの老害なら気づかずやるかもしれない。そもそも、あの老害は社畜でも一瞬にして烏合の集に変えることすらできるだろう烏合の集にする天才だ……って、全く褒め言葉に聞こえないな。


『あたしはとりあえず安全な場所を探そうと辺りを探索しようとし始めたの……そして、出会ってしまったわ。人型の魔獣の群れと』


 人型の魔獣とは恐らくゴブリンかコボルトのことだろう。ゴブリンやコボルトは「男は殺す、女は孕ませる」が合言葉なんじゃないかなという、性欲にお富になったお方達だ……とりあえず敬語つけたけどよく分からなくなった。

 女性にとっては天敵、きっと聖もかなり生理的嫌悪感を感じたのだろう。


『あたしは必死で戦ったわ。あたしの純潔をこんな奴らに渡してたまるもんですかってね。……でも、それでも長くは続かなかった。いくら頑張ってもこっちは異世界から召喚されたばかり、ステータスを確認できるのかは分からないけど、きっと見れたのならレベル1って表示されていたわ。そんなあたしに魔獣を倒せる筈が無い。追い詰められたあたしは、強姦されるのが怖くなった。だから、クソジジイのところで手に入れたスキルの【幽体離脱】を発動して――』


 ……あれ、どんどん雲行きが怪しくなってきたぞ。強姦レイプされそうになったからって、普通は幽体離脱するって選択肢選ばないでしょう。


『そして、身体からすり抜けたあたしは、改めて人型魔獣にあたしの本体が強姦されそうになったところを俯瞰で目にして――パニックになった。無我夢中でスキル【爆弾作成】を発動してダイナミテー……ダイナマイトを投げまくったわ。そしたら、もうめちゃくちゃ、あたしを強姦しようとした魔獣は爆死、そして天井も崩壊して瓦礫が降ってきて一面砂だらけになっちゃった』


「つまり、貴女の死因は強姦されると思ってパニックになって投げまくったダイナマイトによる爆死か、降ってきた天井が落下したことによる圧死のどちらかということですね。いやはや、よく分からない死を遂げられまして、ごしゅーしょーさまです(棒)」


『全然、弔われている感ないわよ。寧ろ全力で笑いを堪えるのに必死みたいな感じね。ホント、失礼しちゃう』


 いや、寧ろ笑うなってのが難しいだろう。トラクターに轢かれそうになったことによるショック死並みにヤバい死因だよ。なんで自分まで巻き込んで爆死させているの? どんだけドジっ娘なの! ……というか、その大崩落って。


「もしかして、上の階層の階段を土砂崩れで塞いだのって、お前?」


『……えっ、上塞がってたの? 道理で誰も来ない訳だよ。折角念願の幽霊になったんだから驚かそうと思ったのに』


 どうやら、上層を塞いだのは聖じゃないようだ……というか、聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がするが……。


「あの、お嬢さん。その『せっかく念願の幽霊になったんだから』という点について詳しく」


『あたしが保育園の頃だわ。あたしは友達を「わっ!」って驚かせた時のあの驚いた顔が忘れられず、その頃から色々なクラスメイトを驚かせるようになったの。相手に気づかれずに接近する術や気配を消す術みたいなのをどんどん会得していったわ。……だけど、いつしかあたしはもっと恐怖する顔を見たくなった。なんかマンネリ化してきて、そろそろ新しい風を入れたいなってね。それから、あたしの夢は「トイレの花子さんのようにトイレの地縛霊となり、開けた瞬間に驚かせながら鬼火でダイナマイトに着火して、二重の意味で驚かせること」になったわ』


 ……なるほど、夢が叶ってよかったですね。さっきのは通常運転だったのか。

 結構可愛いし、きっと黙っていたらウチの“天使様”みたいに人気が出そうだけど、中身が壊滅的にヤバいからな。……これって、変態に分類されるんじゃねえ。


 いや確かに「類は友を呼ぶ」という諺は存在するけど……爆弾魔な幽霊と俺を変人と一括りにするのはやめて頂きたい!


「とりあえず、分かったから驚かそうと思ってダイナマイトに着火するのはやめろ! そうじゃないと、コボルトじゃないが、一生忘れられない恐怖をアナタの心に刻んで、ア・ゲ・ル❤︎」


 とりあえず、さっき以上の【威圧】を掛けてみた。

 聖はぶるぶる震えて涙目になりながら、だけど口を開くことも立ち上がることもできなかった。

 【威圧】が怖かったからなのか、俺の口調が怖かったのかは聖のみぞ知ることだろう。


 ……えっ、最近お前が毛嫌いしている老害に似てきてるって。

 ――おいやめろ、マジで殺すぞ!

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