1話 無視

いじめの代表的なものに無視がある。

暴力や陰湿的ないじめなんかよりよっぽど軽いようなこの行為だが。


僕にとっては、おそらくイジメられていた人にはわかると思う。


※それは自分が「居ても居なくても良い、必要のないどうでも良い人間」だと言うことを実感させられる行為だからだ。


小学二年の時だった

小一から勉強のできない僕は、よく先生にそんなことじゃ二年生に上がれないよ?

とよく脅されて居た。


僕は物覚えが悪く、注意力がなくて、勉強の仕方を知らなかった。

誰も教えてくれなかったし。僕がダメなのだと思い込んで居た。


 そんな僕が自信を持てるはずもなく、一年生時代はよく一人で教室にいた。

特に何をすることもなく、落書きや折り紙を一人でして誰もいない呼び教室で遊んでいた。


 そんなことをしていたから、友達などいなく。

そんな僕でも当たり前のように小学二年生に上がれた義務教育と言うのは

ある意味牢獄のようなものだと思った。


それが酷くなったのは小学2年生からだ、僕は誰にも見てもらえなくなった。

無視が始まった。


特にひどかったのは女子で、汚いだとかうざいだとか消えろだとかを、

僕が黙って廊下を歩いていると笑いながら行ってきた。


そして授業で組みを作るときは当たり前のように一人残った。

僕は先生と組まされていたが、そのうち先生と組むのすら嫌になった。


どうせ誰にも相手にされないなら、一人でいよう。

「居ても居なくても同じで、居ない方が都合が良い人間だった僕は」

一人を好むようになった、人間を嫌うようになった、女性を恐れるようになった


それが高校3年まで続いた。


「居ても居なくても同じで、居ない方がいい幽霊はこうして出来上がった」。

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