第15話 「金木犀」(@Kaneki_Sei 様)

電子音の奏でるロックに乗れ。

一言でも、本気を魅せてみろ。


あの子を撃ち抜くささやきの準備はいいか?

視聴者どくしゃをぶん回す展開は?

書きたいものを書いてるって、胸張って言えるか?


爆音でBGMを流しながら、今日も秘密基地ものがたりを作る。自分の胸の高まりを、カッコイイと思う物を、思いっきり重ねた秘密基地ものがたり。蛍光イエローのテープに、ブラックの油性マジックでどんどんストーリーを書き込んでは貼り付けていく。


テープを貼るたびに、秘密基地ものがたりが立ち上がっていく。


今回の場所は?異世界という大草原。

建材は?鉄筋、コンクリート、それからガラス!思いっきり、近代建築をぶち上げる。ヴィヴィッドなキャラクターたちが、そこかしこで跳ね回る。踊って、歌って、はたまたスプレーでウォールアート。え?夏祭りの屋台で売ってる仮面やリンゴ飴がクールだって?好きに飾ってくれ。


夢を見ない僕の夜の中で、ネオンサインがきらめく。色とりどりに、点滅のタイミングさえばらばらに。蛍光色にそめられた夜は、まるでオーロラ。


さあ、もっともっと。大好きな作品を並べて、ロジックを並べて、時にはあえてリズムを崩して。おキレイじゃないのが、リアルで、ポップで、ロックだ。


誰かにチープだと言われることを恐れない。

誰かにキッチュだと言われることを恐れない。


さあ、みんなを僕の秘密基地ものがたりへ案内しよう。

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