第5話 「女将」(@okami_03 様)

 つよく、かわいく、うつくしい。

 そんなものを愛で、生きる。

 私のお気に入りを、ぎゅっと集めた小箱ついったー


 芯のある人が好きだ。なにものにも左右されない、自分のスタイルを持っている人が。自分のスタイルがある人は、たくさんの物を受け入れる柔軟性を持っている。竹のようにしなやかなつよさを持ちながら、見ればふっと笑みがこぼれる、そんな人が好きだ。その生き様の、なんとうつくしいことか。


 ロリィタの夢見るドレスが、和装のあでやかな着物が好きだ。着物は、私を自由にする。他者の期待から、まとわりつく眼差しから、解放されるためのスイッチ。大多数と違うことに、後ろ指を指すしかできない人々には哀れみを。自分のスタイルを貫く、うつくしき同志たちに微笑を。


 さあ、自由の羽を手に入れたなら出かけよう。うまい楽と、うまい酒と、うまい料理があるところへ。唇から零れる笑いと、いつ果てるとも知れぬ友との語らい。この愛おしい時間が、明日への力を与えてくれる。


 軽やかに宵の街を通り抜けて行く。自由の羽を纏って、うつくしい人と共に。

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