第62話 *デート?
「ヒマ?」
「予定もない日だから、ヒマだな」
「お買い物に行こう!」
「いきなりだな」
「いきなりでいいじゃない。それに2人で行くということは、デートよデート。自分で言うのは、恥ずかしいけれどね!」
でーとだって?
何を隠そう、デートなんてしたことがない。
仕事が忙しかったから…のはず。
「服装は、どうしようか…」
そんなことを呟けば、秋穂が
「とりあえず、外出着に着替えて。私が選んであげるから」
「そ、そうか?」
「うん、うん。いい街を知っているから」
「城下街とは違うのか?」
「私の故郷だったところでね、新しい街ができたから、そこに行こうと思ってるの」
「だった?できた?」
「まぁまぁいいから」
お忍びで、城下街へ降りる際の格好になった。結局…。
「それで、故郷だったって、どういうこと?」
「ちょっとヘマしたやつが居てね、2つの世界、科学技術文明初期の世界と魔法技術文明中期の世界が混ざっちゃった」
「大惨事じゃないか」
「そこは、うまく着地点ができたから良かったのだけど、この前、慌てて帰ったのは出発時点を記録したポートが消えかかっていたから。混ざったことで、ポートが耐えきれなかったみたい。今は、大丈夫だけど」
「へぇ~知らなかった」
「必死に隠していたからね。犯人が。上の人は知っていたと思うけれど。さて、それじゃあ行きましょうか」
「お金は?」
「金貨とかで良いわよ。世界に入るときに、勝手に両替されるから」
「金貨とか?」
「ああ、説明しないとダメか。指定した金属成分…含有率に合うように硬貨が生成されるからで、こんな感じになっているって。もちろん、両替される際の含有率は知らないけれど」
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