第39話 *魔法技術体系と共同管理領域
「まずは、復習から。言葉には、言霊というように力を持った言葉がある。この言葉を用いることによって、魔法は発動する。もちろん、その場合には魔法・場所・イメージが伴っていなければならないわ。また、そこに入れる魔力操作も重要ね。」
既に×2を受けた王子さまはもちろん、全員が頷く。
当然、自分たちにも×をもらいたくはないからだ。
「魔力が多い人は、大がかりの魔法は使えるけれども、繊細な作業は難しい。反対に、魔力の少ない人は、繊細な作業に長けている代わりに、大がかりな魔法は使えない。適材適所という言葉の通りの状況ね。でもまぁ、稼げるのは繊細な作業が行える魔力が少ない人よねぇ~」
「そうなんですか!」
食いついたのは、兄王子。
魔力は、多いとも少ないともいえない。平均的な量だったからだ。
「そうよ~。あなたの場合は、鍛練によってどちらかになるわね」
「どちらかしか選べないのですか?」
「そう、どちらかよ。魔力の使い方が全く違うからね」
「もう、魔法の使い方を勉強しています。無理ですか?」
「私なら、リセットして、魔力だけ魔法の使い方のみを忘れるように出来るわよ」
「少し考えさせてください」
「いいわよ。でも、この講義はきちんと受けてね」
「はい、分かりました」
「続けるわね。さて、この世界では他の世界とは違っている点が1つあるわ。はい、王さま答えて」
「あ~、技術が魔法だけではなく、科学や精神にも及んでいること…です」
「60点…。昔、講義した後も同じ間違いをしていたわね。はい、残りが分かる人…」
王妃さまが手を上げて…
「はい」
お姉ちゃん先生が、そちらへ指を指して、
「では、残りをどうぞ」
「魂と無です」
「正解。まぁ、実験的要素が強いのだけれど、共同管理領域の中でも多数の世界の者が関与しているし、この世界の重要人物にも参画している希有な世界ね。ここから派生している世界も多いから、量子計算もどんどん進歩、能力も上がっているわ。私から見れば、まだまだ受精卵レベルだけれど」
「コアお姉様レベルなんて、居るわけがない。そんな怖いこと…、あ」
「はいそこ、王さま×1」
その瞬間、王さまの頭にネコミミが出現した。
「あ、止めてください。子ども達に影響が…」
「だめ。講義中の私語は厳禁です。それとも、本当の死後にしたい?」
「これでいいです」
王さまが、項垂れながらそんな声を出した。
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