第6話 何を教えればいいの?

「え?誰なの?」


 王子さまは、呼ばれた先生が自分と同じくらいの年齢の男の子だと知って、困惑しているようだった。


「僕はね。王子さまの先生として、ここに呼ばれたんだ。でも、何をすればいいんだろう?」


 先生となる近藤君も困惑しているようだった。


 王子さまに、先生として何を教えたら良いか、これは呼ばれた人が決めると言うことで、何でも良いと言ってある。

 どれが、今後のために役に立つか分からないから、何でもいいとしたのだ。

 ただ、それが近藤君の困っている理由だろう。


「何でもいいですよ。遊びでも、勉強でも」


 そう、言いながら応接室の控え室に入ると、近藤君に言う。


「なんでも?」

「なんでも」


 近藤君は少し悩んでいたようだったけれど、軽く頷くと、


「分かった」


 といい、王子さまに、こう言った。


「僕としりとりをしようよ」

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