第5話 かくれんぼ

 近藤君を案内して、王子さまの待つ応接室へ。


「王子さま、先生が来ましたよ」


 と、いいながら扉を開くが、誰もいない。

 きっと、先生に会いたくないから、ここから逃げたのだろうと想像がつく。

 仕方なく、所在確認のために広域探知(レーダー)を使う。

 すると、隣室に隠れていることが分かったので、一計を考え、近藤君にお手伝いをお願いした。


「近藤君、王子さまが隣の部屋に、隠れているので、呼んできてもらえないかな?」

「かくれんぼ?」

「うん。お願い出来る?」

「いいよ」


 そう言うと、隣の部屋に行ったようだ。

 隣は、この応接室の控え室になっていて、こちらかはカギがかかるが、向こうからは解除できない。

 応接室内に直接入る扉も同様だから、王子さまは、応接室から控え室に移動したのだろう。外には、護衛がいるし、勉強のための先生待ちというのは、知っているから部屋から出さないはずだしね。


「王子さま、みっけ」


 近藤君は、お願いを聞いてくれたようだ。

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