第2話
「あ~疲れたわ」
コンビニで買った弁当をレンジに入れつつ、リモコンをテレビに向ける。
プラスチックの容器のガラス転移温度が気になるとか、IoTを取り入れて家の電気をつけたらテレビが自動でつくとか考えたってしょうがない。
テレビにはお笑い番組が映っていた。
「おもしろさがわからん」
なんとかグランプリで優勝したお笑い芸人さんが出ていたけれども笑えなかった。
テンポがよすぎて話についていけない。
27歳はそろそろおっさんかな。
チャンネルをニュース番組に切り替えるとレンジがなった。
「いただきます」
ニュースを見ながら温まった弁当を食べる。
値段が安いわけじゃないし、そこまでおいしいとも感じない。
ただ、スーパーに行くよりも家に帰る途中にあるし、レジに並ぶおばちゃんの群れを待たないというメリットは大きい。
『うまい!』
ニュースの途中で流れる広告。
有名な俳優さんがとてもうまそうにビールを口に流し込む。
成人してから何度もビールを飲んできたけれど、未だにおいしいと感じたことがない。
食事にはお茶が一番合っている。
「明日も朝から仕事だし、風呂に入って寝るかな」
弁当ガラをごみでいっぱいになったゴミ箱に入れつつ、風呂に浸り、ベッドに入る。
「今日もおつかれ」
真っ暗な部屋でぽつりとつぶやく。
そのまま意識を手放した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます