第4話 ステータスと安堵

「ここは………」


「アリアちゃんが言ったとある国の王宮だろう、正確の位置は分からないが、恐らくは地下、のかもしれないな」


「そうに見えますね、窓もありませんですし」


「と、そうだ、他の人が見る前に隠蔽しておこう」


「………ステータスをですか?」


「ああ、取りあえず王道的な展開は念じただけでステータスが開けるな、試してみるか?」


「そうですね、でわ」


「「【ステータス】」」


 俺がそう念じると、半透明の板が俺の目の前に現れた。


「本当にでたな」


「ええ、私もそうです」


 佐々木も同じらしい。

 で、俺のステータスはというと。


・名前 :柊幸助(コウスケ・ヒイラギ)

・年齢 :17歳

・種族 :人族

・性別 :男性

・状態 :良好


・レベル:1


・パラメーター:

 ・体力 :200/200

 ・魔力 :200/200


 ・筋力 :200

 ・持久力:200

 ・素早さ:200

 ・器用さ:200

 ・賢さ :200

 ・魔力質:200

 ・運  :∞

 ・魅力 :5000(-4500)


・スキル:

 ・ノーマル:

  ・家事レベル7

  ・速読レベル5

 ・パッシブ:

  ・状態異常無効

  ・限界突破

  ・取得経験値10倍化

  ・言語理解

 ・ユニーク:

  ・スキル創造

  ・技術上達10倍化

  ・システムアシスト

  ・世界知識

 ・神級:

  ・神眼

  ・武神

  ・魔神

  ・生産神


・称号:

 ・幸運を持つ者

 ・異界からの来訪者

 ・勇者として呼ばれし者

 ・限界突破者

 ・神の領域に達した者

 ・自愛の女神アリアの加護を持つ者


 ふむ、普通の平均は分からないが、こんなもんだろ。

 まあ、薄々気づいたが、運値のところの異常は、見なかったことにしよう。

 取りあえず、スキルは【限界突破】と【取得経験値10倍化】だけを見せるとして、他は隠蔽をかけるか。

 その前に隠蔽スキルを創るか。


───スキル【完全隠蔽】を習得しました

───称号【スキルを創る者】を獲得しました


 よし、じゃあ次はスキルを隠蔽っと。

 なんか称号が増えたけど、まあいいか、それも隠蔽っと。

 一応パラメーターはそのままにしておくか、運以外。

 っと、こんな感じでどうだ。


・名前 :柊幸助(コウスケ・ヒイラギ)

・年齢 :17歳

・種族 :人族

・性別 :男性

・状態 :良好


・レベル:1


・パラメーター:

 ・体力 :200/200

 ・魔力 :200/200


 ・筋力 :200

 ・持久力:200

 ・素早さ:200

 ・器用さ:200

 ・賢さ :200

 ・魔力質:200

 ・運  :200

 ・魅力 :5000(-4500)


・スキル:

 ・ノーマル:

  ・家事レベル7

  ・速読レベル5

 ・パッシブ:

  ・限界突破

  ・取得経験値10倍化

  ・言語理解


・称号:

 ・異界からの来訪者

 ・勇者として呼ばれし者

 ・自愛の女神アリアの加護を持つ者


 ふー、これなら何とかなるだろ。

 スキルの説明はじっくりの時に見るか。

 今は状況と周囲の把握が先だな。


 そこに佐々木が俺に話しかけてきた。

 どうやら、見計らって、俺が隠蔽を終了した後で話しかけてきたのようだ、ありがたい。


「それで、成功しましたか?」


「ああ、成功したぞ、ほらっと、見えるのか?」


「いえ、どうやら他人のステータスは見えませんね」


「ふーむ、………………………………………【ステータスオープン】、で、これで見えるのか?」


「………何故、そんなコマンドを知っているのですか?」


「何となく」


「はー、まあいいでしょう、【ステータスオープン】、はい、これは私のです」


「どれどれ」


・名前 :佐々木麻耶(マヤ・ササキ)

・年齢 :17歳

・種族 :人族

・性別 :女性

・状態 :良好


・レベル:1


・パラメーター:

 ・体力 :180/180

 ・魔力 :200/200


 ・筋力 :160

 ・持久力:140

 ・素早さ:180

 ・器用さ:200

 ・賢さ :200

 ・魔力質:200

 ・運  :200

 ・魅力 :2000


・スキル:

 ・ノーマル:

  ・料理レベル9

  ・家事レベル8

  ・裁縫レベル4

  ・速読レベル6

 ・ユニーク:

  ・魔道の深淵

 ・魔眼系:

  ・凍結の魔眼

 ・その他:

  ・言語理解


・称号:

 ・異界からの来訪者

 ・勇者として呼ばれし者

 ・自愛の女神アリアの加護を持つ者


「お、料理のレベルが高い、俺もそこそこ出来るが、スキルにカウントしないのか?」


「ねえ、柊君」


「なんだ?」


「これは隠蔽されたステータスですよね?」


「ああ、これが隠蔽されないステータスだ、ほい」


「……………スキルの部分は大体把握していますし別に驚いたりはしませんが、運の科目が何故∞になっているのでしょうか?」


「いや、俺も良く分からん、称号の時系列から見れば恐らくは最初からのパラメーターだろう」


「そうですか、分かりました、柊君が常識外の人種というのは分かりました」


「おい、待て、何でそうなる?」


「次は、柊君の魅力値ですが、何故-4500になりましたか分かりますか?」


「無視かよ………まあいいか、んで魅力値が-になる理由には俺にも分からん」


「.........単純にその前髪のせいなのではないでしょうか?」


「かもな、散髪屋にいくのは面倒だから、後で後でになっていると、何時しか忘れてきた、散髪が」


「はー、柊君の人間性を段々理解出来ましたよ、機械があったら私が髪を切りましょうか?」


「それはいいが、よいのか?」


「ええ、自分の髪も自分が整えていましたし、経験はあります、柊君が構いませんなら、私が切りましょう」


「助かる、後で頼むは」


 佐々木と談笑しながら状況の変化を待つと、不意に後ろから呼ばれていた、佐々木が。


「麻耶、少しいい?」


「どうしたのですか、霧乃?」


 どうやら一之宮らしい。

 佐々木と一之宮はなかがよいのか、名前で呼び合っている。


「少し話しがあるんだけど」


「ええ、構いませんよ、どうせこのような状況ですから、下手に動けないなので、今は暇です」


 何ともまあ、正直者なのか、はたまた事実を並べるだけなのか、良く分からんな、こいつ。

 恐らく後者だろう、多分。


「それで、何の話ですか、霧乃?」


「この状況の事よ、貴女はどう思う?」


 なんかデジャブ?


「まだ不明ですね」


「というと?」


「先ほどあの女神が言ったとおりここが本当に何処かの国の王宮にいたら、恐らく誰かが私達を向いにくるでしょう、その人物が友好的な関係ならばそれは今ある最高の状況になりますね」


「最悪の場合はどうなる?」


「戦闘になります、そしてもし戦闘になったら、私達には勝ち目はないでしょう、いくら私達が先ほど貰った能力が販促であっても、数のさには絶対に負けます、そして…………」


「佐々木、そのくらいにしておけ、不安を煽てて過ぎだ」


 俺は即座に会話に介入する。

 さすがに今は混乱を起こしたくない。

 佐々木も築いたのようで、口を閉じていく。


「そうですね………、兎に角今はまだ不安定な状況です、ですから、下手に動かないでください」


「………そう、分かったわ、麻耶に任せる、でも麻耶、無茶だけはしないようにね」


「ええ、私は無茶はしませんよ、それに………」


 そう言う佐々木はチラッとこっちを見ている。

 なんだ?


「それに?」


「いいえ、何でもありません(運のパラメーターが∞の人には最悪な状況なんてそうそうに起きてませんですからね)ぼそっ」


「聞こえてるぞ佐々木、まあ確かにそうだけど」


「何の事かしら?えーっと柊君?でしたっけ」


「一応クラスメートなんだが、まあいいか、柊幸助だ、それとさっきの話はこっちの話だ、だから大丈夫だ」


「?そう?ならいいんだけれど」


 そういあ、一之宮がいるとなると、月宮が普通は同行するのだが、どこだ?

 …………………完全に隠れているな、月宮、一之宮の後ろで、なんかプルプル震えているし、俺に怖がっている?

 俺、何かしたっけ?

 取りあえず話を掛けてみるか?


「月宮」


───ビックン

───プルプル、プルプル


 え、何?

 もしかして、男性恐怖症?


「なあ、一之宮、月宮の奴男性恐怖症か何かか?」


 俺がそう聞くと、一之宮が微妙な顔で答えてきた。


「いえ、普通に男性の友達もいるんだけど」


「だよな、教室で月宮が男子と話した場面もよく見ているから、で、なんでこいつが俺に怖がっている」


「桜は、ホラーが苦手なのよ」


「……んで?ホラーが苦手はいいが、どこからその話を俺に怖がっているに繋がっている?」


「とくに、ザ・リ○グの話が一番怖がっているの」


「……は?いや、だから………」


「柊君、貴方の前髪がヒントです」


 前髪がヒント?

 どういう事だ?

 ホラーが苦手、ザ・○ングが一番怖がっている、前髪。

 ……………………あ、え、マジで?


「………嘘だろ、俺の前髪精々目の下だけだぞ」


「ええ、そうよね、でも桜はそれも怖がっているのよ」


「………どんだけ苦手なんだよ、はー、佐々木、さっきの話、予定を早めにできるか」


「ええ、私は別に構いませんですよ」


「助かる、後、月宮、苦手なら苦手と言ってくれ、別にクラスメートを我慢させるほど俺は我儘をするつもりはないだから」


「は、はい、ごめんなちゃい」


 あ、噛んだ。

 はー、取りあえずこいつが怖がらないように前髪を上げていくか。


 と、そう思った時だった。

 この部屋?の外から足音が聞こえてくる、それも一つだけじゃない、副数人だ。


 要約来たって事か。


「要約来ますね」


「ああ、そうだな」


「複数人ね、数は10人を超えるわ」


「10人以上、か、佐々木、お前のスキル発動できるか?」


「いいえ、できません、どうやらスキルは情報も暮れているので、今の私では発動すらできません」


「原因は?」


「魔力です」


「そうか、分かった、ということは、頼りになるのは体術だけって事か」


「そうね、流石に私が一人で相手するのは荷が重過ぎるわ」


「柊君はどうですか?」


「体は何となく動ける、と思う」


「革新はないと」


「ああ、だが、大丈夫だ、さっきお前も言ったろ?佐々木」


「……そうですね、ですが、警戒体制をとるに越したことがありません」


「ああ、分かっている」


「来るわよ」

 一之宮がそう言うと同時に、部屋?の扉が開かれた。

 現るのはざっと30人以上の人。

 20人は鎧を纏って剣を腰に携えている、いかにも〝騎士〟という人達。

 10人はローブを纏っていて杖を持っている、これは〝魔法使い〟のようなものだな。

 〝騎士〟と〝魔法使い〟は左右に展開し、道を作っている。

 そして、その道から歩いてきたのは5人。

 一人は、60歳くらいに見える初老の男性、服装はいかにも王様という服装だった。

 王様の右後ろの一人は、年が王様と然程違いはない初老の男性、こっちは大臣?的な立場か?

 そして左の人は、俺達と年齢が近い少女、服装はドレス姿で、頭の上に載っているティアラから推測できると、王女ってところか。

 そして、最後の二人は、一人は男性、騎士達と同じ鎧を纏っているが、明らかに他の騎士と違い、上品な鎧だ、もう一人は女性、上品なローブを纏っていた魔法使いって感じだ。

 こいつら二人は、それぞれの団長か?もしくは王直属の人って感じだな。

 しかも女性の魔法使い、よく見ると耳が尖っている、エルフか?

 まあ、それはいい、今はあちらからの態度次第的になるかもしれないし。


 王様~ズ?を観察終わると、不意に王様が声を上げた。


「勇者諸君、此度の召喚に応じてくれたには感謝する、そして、我々の都合で貴殿等をここに呼び出したにはお詫びを申し上げたい、すまなかった」


 そう言い終わると、王様、大臣、王女が頭を下げてきた。

 演技か?それとも本心からの詫びか?

 チラッと佐々木を見ると、どうやら佐々木にも分からないらしく、首を小さく左右に振っていく。

 取りあえず、ここは頭を上げさせない限りには話が進まないから。


「佐々木、主導権を任せるわ、俺、敬語苦手だから」


「分かりまし………」


 そう言い終わる前に誰か前に出る、そうして声を発した。

 天宮だ。


「えーっと、貴方は誰です「貴様!陛下に向かって何だその態度は!?不敬だ!貴様の首は私がとってやる!!」………!!」


 が、天宮が何かを言い終わる間もなく、整列した騎士の一人が天宮に怒鳴ってきて、そして、抜剣。

 おいおい、マジかよ!展開がいきなり過ぎる、もっとスローの展開をお願いプリーズ。

 って、馬鹿な事を考える場合じゃない!


 俺は即座に天宮の首根っこを左手で後ろに引っ張って、右手で騎士が振るった剣の腹の部分を上に押し上げる。

 ………。

 やっべえええええ!!

 咄嗟の判断だが、体が動きすぎるなんだけど!

 いや、まあ確かにその動きのイメージをしたのは俺なんだけど!

 これ、調整がミスったら、俺の右手がちょん切れになっているぞ!


 ん、何かひらひら落ちていくんだが?なんだ?

 それと、俺の視界がどことなく広がっていく。

 って、よく見ると俺の髪じゃねえか!?

 ひええ、頭すれっすれということかよ!?


 内心は焦りまくっていくが、一応、平成を予想っている。

 背中には冷汗が流れるだけどな。


「おいおい、いきなり切りかかるとかないだろ、騎士サマ」


「貴様!私の「エリック!儂は勇者殿達に敵意がない限り動かぬと命じたはずだが」」


「し、しかし、陛下、この不届き者に「二度は無いぞ、エリック」………失礼いたしました、陛下」


 そう言い終わると騎士はさっきいた場所に戻ってきた。

 歩いている最中、俺を睨み付いている。

 うん、これ、ロックされているな、俺。

 やだ、女性にロックされているのはいいが、野郎にまでロックされるなんて、なんて罪深いワタシ。

 なんて馬鹿な事を考えていると、王様が話しかけてきた。


「先ほどはすまなかった、貴殿等には危害を加えるつもりはない、怪我はないか勇者殿」


 演技に見えないだが、王族、という言語だけで、イメージが腹黒いの人達だから、まだ警戒を怠らないようにしよう。

 っと、返事だ。


「………いえ、私に怪我はありません、陛下、それと、先ほどの謝罪を受けましょう」


「そうか、感謝する、勇者殿」


「ああ、私の名前は柊幸助、っと、こちらには恐らく、コウスケ・ヒイラギになります」


「うむ、そうか、ではコウスケ殿、儂等も名乗ろう」


 そう言うと、王様は一度、後ろの二人に視線を向けると、王女と大臣が頷いてきた。

 それを見ると、王様は、またこちらに視線を戻し、自分達の名前を名乗ってきた。


 最初は王様が名乗ってきた。


「儂はランデル・フォン・ハザード・タルール・オクタル、オクタル王国国王じゃ」


 名前長い、19文字とか長すぎるだろ。

 んで、続けて大臣。


「私はルシエル・フォン・ケオス、大臣の役目を賜っています」


 あ、やっぱり大臣か、そんな気がしたからな。

 そして次には王女。


「私はオクタル王国第2王女、セレスティーナ・フォン・ハザードです、以後お見知り置きを、勇者様方」


 第2王女か、姉があるってことか。

 しかし、カーテシーがさまになっているなあ。

 ん、なんか顔が赤いんだが?

 まあいいか。

 で、最後に護衛二人が。


「私はオクタル王国騎士団団長、レパルド・フォン・ルージュだ」


「私はオクタル王国魔導師団団長、エレナ・フォレスティアよ」


 ん?魔導師団団長の名前にフォンがないな。

 エルフだからか?

 まあいい。


「うむ、それで、コウスケ殿」


「はい、何でしょう、陛下?」


「うむ、貴殿等に話がある、ここで話すより、謁見の間で話すとしようぞ」


 謁見の間か、流石に俺だけ決めるには出来ないな。

 俺はチラッと佐々木を見ると、無言の頷きを返してくる。

 Okらしい。


「分かりました、では、案内をお願いします、陛下」


 取りあえずあちら側には友好的な態度をとるから。

 少しだけ安心できるな、これ。

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