第2話 神界
気が付けば、俺は白い空間の中に立っていた。
いや、俺達か。
「ここは、どこでしょう?」
他の生徒が唖然とする中、佐々木がまたもや言葉を発した。
それと同時に、突如上から眩しい光が現れた。
その光はまるで輪後光の様な光で神々しい光だ。
そして、その光は徐々に人間の輪郭に変化していく。
光が消えた後、現れたのは絶世の美女。
髪の色は桃色で体つきも完璧、纏った服はギリシア神話に出てくる神々が纏った服と同じ白いワンピース。
エロさはなく、逆に神秘的な物を感じている。
生徒全員、男女問わず、彼女に魅入っていた。
俺もそう変わらないがな。
「はいはいはーーい!みんなが大好きの女神アリア、参上でーーーす!よろしくね☆(キラン)!」
右手をピースサインを救って右目の前に置く。
腰を右にそらしながら、左の手を腰に置く。
左目を閉じるながら、美女はそう言い放った。
「「「「「…………………………」」」」」
「あ~れれ~???どうしたのみんな~?普通ここは盛り上がるところじゃないの~?」
いや、しらねえよ!
いきなり変な挨拶方したら、誰でも反応に困るわ!
つーか何が普通だよ!
しらねえ人がいきなりアイドルのライブじみた原動したら逆に残念がられるわ!
「ぶーぶー、みんなノリ悪いな~、アリアちゃんショックだよ~」
しょぼーん、という効果音がでそうなぐらいショックらしい。
ウ、ウッゼエエエ。
超ウゼエエエ。
何だよこいつ、本当に女神かよ?
そこで、男子の一人が女神(自称)に話しかけてきた。
えーっと、確か
「えーっと、君は、アリアさんで、いいんだよね、僕はあま「アリアちゃんだよ~!」……じゃあ、アリアちゃん」
「うんうん、それでどうしたの~?ユウヤくん?」
「あれ?僕、まだ名乗っていないんだけど?もしかして、僕の事知っているのかい?」
「知っているよ~、みんなの事、ふふ~ん、凄いでしょ!」
知っているらしい。
全員が、ねえ?
ふーむ、これ、誘拐の類とかは、なさそうだけど。
もし、本当に誘拐だったら、結構怖いな。
この女神(自称)が全員の事を知っているってことは事前に調査されているって事だ。
だが、誘拐の類はないな。
教室からここに至るまでに俺は意識を持っている。
そのまま連れ去られてるにはないだろう。
もし何かの方法で意識を混乱させるにも、この人数だ、人目に付かないはずはない。
それとも3D映像?
俺は近くの壁?に近づくと、壁を触っていく。
感触は壁のような、水のような、微妙な感触だった。
試しに壁をノックすると、俺がノックした場所から波紋が広がった。
その波紋を触っても、凹凸は感じている。
…………。
取りあえず話を聞こう。
「えーっと、じゃあ、アリアさ……ちゃん、ここはどこだい?僕達は何でここにいるんだい?」
「ここはね~、神界だよ~、そして何でここにいると~、アリアちゃんがみんなをここに呼んでいるだからだよ~」
「呼んでいる?てことはアリアちゃんは僕達に何か用かい?」
「う~んとね、正確にはみんなを呼んだ途中で、アリアちゃんがここにみんなを連れてきたの~」
「どういう事?」
「え~っとね、みんなは異世界にとある儀式で呼ばれたの~、それで、神界事項にのっとってみんなをここに連れてきたの~」
「異世界?儀式?何のことだい?」
「えーっと、えーっと」
話が進まねえ。
んな話は後でできるから。
取りあえず用を聞いてあげようよ。
「すみません、天宮君、ここは私に任せてもいいですか?」
おお、委員長もどうやら我慢の限界らしい。
「あ、ああ、分かったよ、ここは佐々木さんに任せるよ」
「では、アリアさん、わ「アリアちゃんだよ~!」………アリアちゃん、私達をここに連れてきたのはアリアちゃんで間違い無いですね?」
「そうだよ~」
「じゃあ、私達をここに連れた理由はなんでしょう?」
うんうん、さすが委員長、話が分かる。
つーか、この女神(自称)、ちゃん付けにこだわりがありすぎやしないか?
「う~んっとね~、みんなをここに連れてきた理由は~、みんなにスキルを配るためだよ~」
「スキル、ですか?」
「そうだよ~、一人ずつは二つのスキルだよ~」
「スキル、と言うのは何ですか?」
そこに以外な人物が話に入ってきた。
一之宮だ。
「う~んっと、地球?に例えるなら能力、それとも技能、かな~」
「そうですか、では次に、私達が異世界に呼ばれた理由は何でしょう?何か成し遂げたことを強制的にされるのですか?」
「それは~、アリアちゃんもわかんないよ~、だって呼んだのはアリアちゃんじゃないも~ん」
「つまりあなたはただ仲介役として私達にスキルを与えただけですか?」
んん?
「そうだよ~」
「それで私達がその異世界に何をやっても貴女達には文句はないでしょうか?」
「そうだよ~」
んんん?
「次は、私達はその召喚を拒否できるのですか?」
あ。
佐々木もラノベを読んでいるな~。
以外だ。
え、何で分かるかって?
さっき、あの女神(自称)が言ったのはとある儀式、召喚の儀式じゃないから。
なのに佐々木の奴召喚と言った。
まあ、ただの推測だけだけどな。
「出来ないよ~、だってもう地球から連れ去られているだからも~ん」
「そうですか、次にあなたは私達を返せるのですか?」
「出来ないよ~、だって世界に干渉できないよ~、干渉したら後で怒られるよ~」
ふむ、つまり神は世界に干渉出来ない、と。
いや、この場合は条件次第では干渉できるか?
まあ、それはさておき。
他の生徒、妙に静かだな、普通、ここでざわめいても可笑しくはないんだが。
「では次です、私達には帰る方法はあるのでしょうか?」
「あるよ~」
「その方法を聞かせてもよろしいのですか?」
「だめだよ~、それはもう干渉にカウントされているだからよ~」
「そうですか」
そう言った後は佐々木は黙ったままなにかに考えふけってきた。
数分後、佐々木はまた女神(自称)に話かけてきた。
「では、今からスキルを私達に与える事が出来るのですか?」
「わかったよ~」
うん、ちょっと待って。
まだ一つだけ聞きたいことがある。
そう考えた俺は即座に女神(自称)に話しかけてきた。
「ちょっといいか?」
「な~に、コウスケくん?」
「俺達が召喚された場所がどこかわかるか?」
「?異世界だよ~」
「いや、そうじゃない、位置だ、森か?王宮か?牢獄か?無人島か?」
俺がそう聞くと佐々木がハッとした顔になっているとそのまま無言で女神(自称)を見つめている。
「んん~、大丈夫だよ~、召喚された場所はとある国の王宮のところだよ~」
「そうか、分かった、それを聞いて安心したよ、ありがとう、アリアちゃん」
「むふふ~、どういたしまして~、じゃ~、みんなにスキルを配っていくね~」
実際、まだ完全に安心できねえなこれ。
衣食住が確保出来るのはいいが、その国の人達は信用出来るかどうか。
いや、そもそもその国の人達が友好的な態度をとるのかどうかすら分からないな。
これは、スキル次第によっては状況が最悪になるかもしれないな。
「じゃ~、みんな並んで並んで~、スキルはこれで決めるよ~」
女神(自称)がそう言うと、いきなり女神(自称)の横にガラポンのくじ引きが現れた。
………。
状況が最悪にならないように祈ろう。
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