ジイ・アイ・ディなわたし、だから何んやねん? 知りもしないで云うかな!
いく たいが
悦女子が女子に恋をした。すると……
実話に基づく物語です。
恋は
……ではないわ。
愛は、生きるか、死ぬか、の真剣勝負よ。
相手は異性じゃないわ。
……腐女子!?そんなクサレ女じゃないわ。
四月の健診で、
健診直前になるとジャージを脱いで、上半身は裸で待ってなさい!「はい、次は何何さん!」とつい立の中に入るが、さっきから
那津美のやつデッカイから動くたびに揺れやがってそれを抑えるために肘を添えるもんだから余計に膨らんできやがって、
――
体育祭の朝礼で校長のスピーチ。
長々つづけばつづくほど、体育祭の気分はサゲになって。
キブンは別な方へ向かってピッタと停まって釘付け。
結菜の姿に。戻して校長に。又そのブルマ姿に。
あいつ彼女にしたいとジッと見入ってると急にムズムズしてきやがってヤベェと抑えた同級生の
――五月の
八月の試合で3年生が引退になることから結菜と那津美は伴にバスケ部のレギュラーとなってこの七月も猛特訓の後。
シャワーから出てきた結菜と鉢合わせ。
那津美は「羨ましい、細い脚……未だ
ああ―ぁ、こいつ
部室にはもう皆んな帰って居ない。
すると流れはモヤモヤしてきて「背中濡れてるじゃん。こっち向いて!」と結菜が声を掛けてみる。
すると、マッジ!前にサッと向きを変えてくれた。
拭く手が、
結菜もその気になった。
拭いてたタオルを捨て、手をちょっと下げて当てると少し腰を避けた那津美は顔を結菜の肩に――胸に――腹に、すべての体中の力が抜け出したかのように相手の身体にその身を預け徐々に、うずめてくる。女の子って可愛いなぁ! と
流れは流れを呼んだ。
「目つぶってくれる!」と云うと催眠術にでもかかったように素のままに目を閉じた那津美……柔らかく温かな
普通じゃ考えられない流れとなって「そうかい。もっと好きにしてやるぜ」と結菜が下方を見て云ってみる。
すると「…………」な暗黙の了解。
触ると「ハズィ……ぁッあっ!……もぉ、大好きーぃ!」那津美は結菜の首に全体重を乗せて手を回したまま大の字になって立ち尽くす姿に。
その応対がますますエキサイトさせやがって、那津美の身体の中の温かさ感じるとこっちの身までがアツく為ってきたぜ。よろよろっと膝を着いた那津美をそっと抱き起すと、急に
「わりなぁ、棒が生えてなくて」
「いやだーぁ」
結菜が経験した初メイク・ラブ――性交と言えねえよ。単なる求愛さ。
好きは好き、自然な成り行き。なんも変でもなければ不自然でもない極アタリメエなことをしただけさ。どこにも
終わった後に那津美が「ありがとう。デラ
だから
制服に着替えた外は、心地好い風が、二人を祝うかのように――チゲ、恥ずかしがっていたのかもしれないが、身体中を吹き包んでくる。
街中が真っ赫な夕焼けで燃えていた。
那津美の顔にも真っ
結菜は
好きだから、本気だから、マジ大切な人と思うからこそ、見られて恥ずかしくても、どこもかしこも見てください、寧ろ、見てほしいの。これを露出狂と云って片付ける大人の神経が分からないわ。そこまでしてしまう女の子の心理は可愛いわ。男子には分からない心理よ。
――誰が決めたんさ「中学生は中学生らしく」 「恋は男と女でする」 「『恋の具現』した姿を云い表す言葉は『お上品に!』」 vs. 「そんなことしたら『誤魔化しよ』」
「リアルは生生しくあって、そこから美も邪も見えてくるってもんさ」そうやって大人は型にハメ込んで、あんたより私の方がアゲよ、と自分を納得させてるだけやんか。
お父さんとお母さんが一緒になって愛の結晶をつくったように「自然なのさ。自由なんさ」誰にも有る筈、自分の顔にちょっとでもいいから自信のある者なら女が女に好かれ、男が男から好意以上の感情を持たれて。
勝手に決めんじゃねぇよ、好きな相手くらい自由にさせろってんだい。――
むかし。
男の子と女の子が手を繋いでいると「人前でやめなさい!」
女が女に魅せられて近付いて一緒に暮らそうもんなら「魔女だ!」
男同士が手を繋いでいても「連帯感の発揚!国家の為に大いに結構!!」とした明治・大正・昭和の時代。
今じゃ、渋谷を男の子と男の子が手を繋いて行くと、キャー!ホモたん。
しかし今でも同性同士は「キモい」という。それでは、異性同士がやってる姿は見てて美しいのか?
ではないだろ。
愛に形を押し付けるな!
本人同士の「思い遣りの発露」なんだから、二人が「美しい」と思ってやることにイチイチ口を出す方が余っ程キモいわ。
「美しい」とは見た目じゃないわ、「快い。好い」と相手に見えて自分の心が貰ったときなのよ。
「思い遣り」とは「想像力」の発露であって「感動」ということであって。相手の状況を考えてあげる。相手の気持ちをくみ取ってあげる。このように
ワンちゃんがニャん子を懐に抱き眠っている時こそ「落ち着き」を得るものはないわ。これが愛の完成形じゃねえ―の。
結菜が小学校三年生になった頃。
父も母も云っていた「『ジェンダ・アイデンティティ』は病気じゃないわ」 「その人だけが持って生まれた宝物、アイデンティティよ」 「一過性の年頃の現象。ジェンダークィアだからいつか男性か女性に収まるわよ」と屈託なくママは云ってくれた。
男の子と遊んでるときより女友だちと遊んでいる時の方が
皆んなと少しくらい違っても、気にするこっちゃない、神様がそうスペシャルプレゼントしてくれたことよ。
――本当は皆んな女の子は
LGBTって
中三の合唱練習のために
そこへツカツカと目の前に大きな影が覆う。見上げると
「お前、彼氏おるん?」
「『オマエ』じゃね。 気安く呼ぶんじゃねえよ!」
「!!……何ぃ! 殴られてんか」男のプライドは
睨み返す結菜デッカイ目。ガン見する青海デッカイ拳。殺気が漂う二人周辺、皆んなの目が釘付け。
「青海やめとけ! ジストロフィンらしいぞ」というダチ。
「なんじゃそれ?」
「そん前、大石って湘南中の野郎が、結菜を追いかけその辺の砂場に抑えつけ馬乗りになって胸を掴んでキスができると思った瞬間、軽く投げ飛ばされたんだって。重い体重の男子をだぞ。あんな、それって、女のくせに男の筋肉なんだってよ」を聴いていた全員が半信半疑な顔になって。
青海は聞くや否や「ガオ―ッ!」と
「あなたたち何してるのッッ!? 後でノート提出して貰いますからね!」と隣のクラスの先生が飛び込んでくる。
――感性の発露がイチバン旺盛な時期は、二十歳頃。こんな真っ赤なウソを信じる大学教授らであって、4歳から中学生の間や。
豊かになる頂点は中学生。モーツアルトは5歳で「ピアノのためのメヌエット(K.1)」(他数曲も)を作曲したんだぞ。
このように大人は自分が恥ずかしいと「経験知」に勝る知はないと全く次元の違う話に逃げるんだ。知には邪も含むことから感性には劣ることも知らないで。――
江の電の踏切が上がると、そこはフォトジェニックな江の島の海が眼前。180度一望の光景。浜の風に包まれて。
「聴いたよ。カッコ良かったって。青海ってヤツきらい!」
「いや、あれが男子の
「ねぇえ……」と那津美は、佳菜の口元に、顔を横に入れながら覗き込んでくる。そのまま停止画像となって微笑む
その表情からおねだりと気付き「云うな。真昼間ヤベェよ」とこっちまで
「塾8時には終わるから電話して」と云って小走りに坂を登る那津美の後ろ姿、上へ上へ揺れ揺れするスカートから覗く、ステップしてく脚が色っぽいぜ。
原チャの
「さっきワルかった」
「…………」シカトする結菜。
「俺が追って来る気がしたろ」と全力で笑顔をつくった青海。
「…………」
「なーあ! なんか云えよ」
「馬鹿ーあ」
「何だ口が利けるじゃん」
「呼出し食らうぞ。原チャ乗ってると」
「お前の顔怒るとカワタンやな」
「『オマエ』じゃね!」
「そうけ。ま、俺が居ること忘れんな」
「うぬぼれ野郎、行っちまえ!」
「心にもねえこと云っちゃたりしてよ。じゃな!」と
ここ湘南一帯は、海沿いと
学校の数は過密状態。
江の島
が、立地条件だけはナンバーワン。東京までの通学通勤圏内。
品川駅まで46分・新橋49分・JR湘南新宿ライン渋谷52分・新宿58分とどれも1時間内の距離にあることからワンサカと東京から住みに来る者が多い人気エリアとなっている。
肉魚は新鮮、山菜は採れ立て、一年中温暖、酸素は高品質、どれも東京とは一味違って旨いし海岸はむろん、古都鎌倉は隣り、箱根も直ぐそこにある風光明媚なロケーションに恵まれてるからだ。この先の葉山には天皇さんの別荘があって、皇族一家が静養を兼ねて避暑や避寒で訪れるスポットにまで繋がってるこの地。
狭いエリアに中学校が過密になると、それだけひしめき合う。中学 vs.中学は「なんやねん! 俺と踊るっか!」 「番乙(番長)張ってるんや」 「
サーフボード工房兼ショップの横を通り過ぎようとしたら「結菜―ァ!」と呼び止めた
やはり小悪魔的な風貌のために目立つタメ学年……病欠で留年した一個上……私服はいつも座るとツンパが
「オッス! もう慣れた?」
「ま、それなりにね」
「やるんかい?」
「うん、初めて。やってみようかと」
「だったら最初はショートボードがいいよ、トライフィンが三つ付いてないと初心者は直ぐ引っくり返るからね」
「ありがと。ところで那津美って子、東京秋葉のガールズバーでデートガ―ルして客が気に入ると大金を手にするデリヘルまでして退学になったんだって」
証拠も何も無しに、しかも同級生を、そこまで云うかね「うっせいな!」と
だったら云うぜ。中学生でシャネルの時計をは
この咲も東京の付属中からの転校生――ウワサだと大者政府家との間に生れた私生児とかで今でもその母は昔人気女優の
オレ的には、何をしてきたか、どんな家柄か、どうでもいいこった。見た目と魅力的な仕草さえ可愛い
そこへ慌てて出て来た風な一個下の
「彼氏かよ?」
「違うよ、うちのパシリw」と草笑いする表情をした咲。
「ちげえよ。バリバリ
「馬鹿かあ!」と股を蹴り上げるふりをした咲。
「マジ男は変態」と結菜も
金曜の夜ともなると。
イッサヨン(国道134号。神奈川県横須賀市から大磯町に至るまで海岸沿いに走る一般国道)沿道は何処も
クエン酸濃度、国内最強な三ツ矢サイダーを口いっぱいに含んだ結菜の口許を那津美の口奥に流し込む、ゴックンと飲みんだ後ゲップと、お返しに那津美もしてくるC.C.Lemon、共にゲップゲップとなって――二人の間では極自然な愛の交換行事に為ってて。
砂の上の素足の感触を楽しみながらハッチャケる
「夜の海って昼間のと全然違う」
「うんオレもそう思った。昼の顔と夜の顔――これがオレらなんかなぁ!?」
「深い……。って、どういうこと?」
「『深い』と云い切って『どういうこと?』って何じゃ」
「テッへへへへヘヘ」
「那津美、思ったことない? 暗い海は闇の世界。失敗が自分を誰かを傷つけたときもあって、星星の灯かりの下に打ち寄せる波だけが知っていて、ゆっくり洗い流してくれる……」
「ワオ―、詩人。結菜ちゃん大好き―!……いつもまでもこうしてたいなぁ」
「なるんじゃない。って、おかしいと思うんだ。付き合いってゆうと直ぐにヤるっていう男子たち。好きって形はないんだよ。形を作りたがってる連中、ホントはわかっちゃねえ。ヤらなくても
「同感! 子供が欲しくなったら貰えばいいし、子種付けだけの結婚ってなんかむなしいかも……」
「僕と結婚する気!?」
「もーぉきらい」 「ねぇ、うち、いやらしい?」
「いやらし!」 「けんどそれがいい」 「オレは触られて弾む胸、それ顔を見て愉しむ那津美、可愛いと思うしな。これのどこがイヤらし?……いやらしくなきゃラブじゃねんだよ、いやらしさが美しく映ってこそオレらのラブなんだよ」
「うん! 胸って女の代名詞だからね」
「ん? 胸が女の顔ってことかぁ?」
「うん。男子のアレって汚い格好してるよね、よく女子がやる気になるわ」
「おまえやらしな。って触り方といいキスの仕方っていい那津美うま過ぎなんよ」
「バ―カ―ぁ―」
「つーかぁ。好きって相手を独占することじゃねえ!? 体も心も。だから僕らがやってることはエロくもないしアタリメエなことしてるだけさ。オレが守るからな」
「あ、そだ、ありがと、うちを守ってくれて。デリヘルしてたってゆ噂、皆んながしてるの知ってるよ。デマだからね」
「咲は
「多いよね、そんな
「そんなやつは闇の海に飲まれてサメに食われちゃえ」
134号道路沿いに出ると繋いでいた手を遠慮がちに離す二人。
無視して歩く二人、付いて来る車「お礼に好きなご飯おごって文具券あげるけど」
「どうする? 結菜ちゃん」
「じゃぁ、二人の記念に撮って貰うか。ご飯はゼッテエ行かねぇけど」
「あのぉ、学生証見せて貰えますか?」
「ホイ! これ!」
サッと出して仕舞って暗くてよく見れなかったけど、まぁ一往は信じた二人はその二人の男子のいうスポットまで来ると、もう一人が車からタオルを持って出て来る、
ダッシュ! が転ぶ那津美キャーァ!馬乗りになる1人、両足掴んで脚を広げるもう一人。戻った結菜が二人に蹴り。と同時、もう一人の男が後ろから佳菜の胸を
ブルッ!ブルブルッル―ン!!と原チャの何台もの
「テメエら殺されてえか!」 「なんやねん、チュ―ボ―が」
そのうちの1人が特攻服の青海だった。
云うが早く五・六人が一斉に素早く、飛び蹴り、回し蹴り、
「ヤらてえんか、女だけが夜に出歩くからだ」といった青海の背後から咲が現れ「じゃないの。
「テメエのこと云ってんじゃねえよ」
「あら? 結菜、それうちのこと?」
「どっちでもいいやん。お前ら、そう思われても仕方ねえぞ。夜遅くに出歩く、そうするとそうなるのは定番だかんな」
「ま、助かったわ。さんきゅ! でも咲と青海、お前らに云われたくないわ」
「何だよ、お前だって『お前』ってゆうじゃん。まぁ、気を付けるんだな」
「青海よ、気になってたという
「いや別に」
「
「じゃなぁ!」 「あばよー!」 「ほんならぁ」と青海、咲、イツメン一行らは云うと
――すればするほど情が湧いてますます男のいいなりになる、というオマジナイを信じてる男のなんと多いことか。 vs. お菓子のようなもんで食べたらそれまでで今度は他の物が食べたくなる女がどれだけ多いか知らないのか。
前者に落ちる者は不幸の始まりだ。
後者の女は佳き男に出会うまで闘うチャレンジャーなのだ。女を馬鹿にすんじゃねえよ。――
「ご飯最初に? お風呂を先になさいます?」と
「でも刑事や民事の案件は揉め事ばかりの事務所でしょ。それよりこの専門事務所の方が扱う仕事の質はハイレベル事だからいいんじゃありません」
「パラリーガル(法律に関する業務を手伝っている事務職ないし新人弁護士たち)の面倒見が大変なんだよ」と云って脱ぎ捨てたシャツを横に
母が看護師として、勤務が夜のときは――偶偶父母の不在が重なると「火の戸締りをしてから先に寝てなさい」
すると夜の秋葉のゲーセンやそこいらを
中の事務所に案内されてケーキや可愛いグッズを貰うと、店が安全にサポートするから、土日辺りに若いお兄さんと散歩してくれません!? 報酬は一回1時間につき特別1万円あげるから――この企画が大当たり。中学生とは知らずに(「歳は?」 「高一です」 が、と一応は云うが客の多くは信じぜず)初物の食材でも口にするかのような歓びにハマること。「まだ若い先があるからこんな仕事は早く辞めた方がいいよ!」と表ズラは一応分かったような事を諭す客も居るが格好付けだけ。
ついにあのホテルのン号室に行って! そこでトークを楽しみたいというお客さんが待ってるけど若し嫌なら帰って来てもいいのよ云々(実際はその場で文句を事務所に告げると、違約金を何倍も店が払うことになるから万が一、いや、と云われても店側は説得するか、客に対しそれでは話が違うので追加料金をお願いしますとなる)と云われ、若いお兄ちゃんを信じて行ってみれば、いつもオヤジばかり。
中には80歳くらいお爺ちゃんがいたとき。手を握ったりあっちこっち見ては「少ないけど取っておきなさい」と10万円ほどをポンと置く、貰ったことが一度もない額にビックリ……これは尋常ではないことを欲求して来るのではと心配すると「脱いで裸を見せなさい。大の字に、もっと!両手両脚を開いて!」と一時間以上も数々のエロ話をし、どう感じてるの?どれどれ!とその反応を楽しみながらお茶を啜り眺めるだけだったり(
後に捕まった客の大部分が、恋人が居る、奥さんが居る、
毎日曜・毎土曜に同じお客さんが指名してくるようになると口コミで客は増える一方。
ついに数時間貸切のお散歩デートをするようにと店から云われ、ホテルに行こう!と云われた最初のころは耐えがたかったけど、どの者ともホテルで変態もクソも無くやられ放題となって、同じようなことが重なるにつれ本人の自覚意識は薄れてこれが却って刺激的な感慨までを目覚めさせてしまった那津美の身体(オヤジの
が、どこまで行っても刺激だけ、満足感ナッシング「もーぉ! 止めォ!」と次第になってく流石若い那津美の
好きもなにも云わずに
これがアバンチュールの
道理で「弾けて来るオレの胸がこうなってああなって感じちゃう」と堂々と云って卑猥な触り方して反応を楽しんでいて、云う言葉も刺激的になって「変態もくそもなくないわ、そのうち慣れるのよ、それがたまらなくなるのよ、善くなって病みつきになるのよ、結菜ちゃんもこっちも楽しければいいのよ」 「結菜ちゃんとだけがピュアなラブなの―ォ!」と那津美は結菜に云えちゃうわけだ。が、流石に嫌な男の醜い下心ばかりに接していたことからもうやめようとなってく……。
この頃、咲は腐女子(男性同士の性愛に興味を発し、自分も妄想の行き着く先がセックスオ―プンになり易いパターン)になっていたころ、いやもう既に悦女子になってて、SNSで知り合った男子と会って、次第に、会ってみればオヤジだったり。どの者も例外無く、裸見して、ホテル行こう、これ買ってあげる、お小遣いに使って、となってるうちの1人が唯のエッチではなく「(今迄したこともないような)こんな恰好して!」 「これも!」とその手の命令に従うようになるにつれ都度タクシ―メ―タ―のように料金は上がる一方。
まぁ、相手が悦んでいるから、お小遣いも増えるし、いいっか、となって。
やめようと思ったときはいつの間にか体の方が文句を云いだしてきて……ああ、心と体は別なんだなぁと思いしらされる程になってく(
が、ついに来ました。誰のどの人とのか分からないほど入れられ妊娠。
産科医に相談する。
すると警察の少年課から呼出し。訊かれるままに
その時にその児・那津美の名が捜査上から浮かび上がってくる。当然、咲と那津美の学校が聞き及ばない筈はなかった、退学となる。
併行して大人の客たちも警察から次々と呼出し。
そのうちの誰かが逆恨みしてペラペラと一部始終を吐露してしまう。これが左証となって「あなたも相応に悪い」と家裁送りに――審判の結果は「初犯でもあることから今回は矯正施設送りは留保(大人でいう「執行猶予」)することにする」となった。
こうして那津美と咲との共通項は重なる――似たりよったりを含めれば大多数の中学生女子は何らかの、例えば、直ぐに「裸見して」 「お小遣いあげるから、しよ!」的な経験をしてるんだ。いい加減にしろ、
この二人が特別なんやと云って、自分とは違人種のように言い逃れする者ほど、ドッコイ自分にも、似たようなことが起きてたからなのだ。若し「完璧に無い」という者がいれば、それは異性が相手にしない程見難いツラをしたブスってことになるんだ。
女子が生きてくのは男子よりはるかに大変なんだよ。
結菜は聴き終わると、すでに顔が赤くなっていた。殴りたくもなった。にも拘わらず、こんな暴露話をしてきた那津美を非難できなかった、むしろ嬉しかった。
あの時、嘘と噂を否定したがやはりそうだったのか。そんな酷い話を正直に云う勇気、そうさせた思い、その気持ちが嬉しいぜ。
云わずには居られない程の心の傷を負っていたのだ、オレを頼ったのだ。何とか立ち直らせ普通の幸せを得るようにしてみせるぞ。
いやいや他人事はない、実は結菜にも傷はあった。
幼少から、ソレは小1のころから初めて、次第に日々に始まってゆき小3のとき、お風呂に一緒に入っていたパパが「洗ってくれるか」とリンスを手渡し、そこだここだと云われ「パパの肌が丈夫になるから、結菜の体にも効くから」と口一杯になるまで……。
終わると今度は「こっち向いて。こうやって洗うと肌に抵抗力が付いて結菜は風邪をひかないよ」と洗いながら「気持ちいいだろ」と手で指で洗ってゆく。
変とはその時、
また、後に知ったことも。
父はA型、母はO型、わたし結菜はAB型。これを巡って父は「俺の子じゃない」(当時、外で種をばら撒いていたことから当日夫婦が営んだ種は発射したとしても僅か数滴しかと主張――後後一滴どころか全然発射してないと前言を覆すが)、ゼッタイ俺の子を妻が妊娠する筈はねえ。母は「違いますあなたの子」が宿ったの! しかし母も不倫相手の子と信じ込み夫の子としたのだ。
更に後日に至っては「(当時は遺伝子解析精度は1/1億。この後になって1億倍近くの精度に)我が子であったと」と父は
これも
兎にも角にも物心がつく頃なってみると歪んだのは結菜……本人に自覚意識がなかったのが厄介。
それは、中1になるまでは、なんも抵抗はなかった。そのような翌日は必ずといっていいほど父親が優しくなっていたからだ。
当時何故か、親と児はスキンシップしてキスし合うのが
気付いた中1には、結果、すっかりオトコ不信になっていた。女の子が清潔に見え出した――G.I.D(ジェンダー アイデンティティ ディスオーダー)の性もあってよ!
医者は、そのような結菜を治らない病気ではない、仮に尋常でない事をしたとしてもあなたが正常であると思えば精神的負担も少なくなるから、変に気にせずに生きなさい、と云っていたが何所まで解って云ってくれていたのかしら。精神科医者だか法律だか知んないけど、どこまで本気になって守ってくれてるか?適当な気がしてならないぜ。
中にはこう説明してくれたお医者さんも居て「女性には二つの凸凹が備わっています、子が通る凹と男のセンサーである凸の。しかし男性には凸しかありません。あなたは二倍得をしてる体だから云々」
ってやんでぇ!一度体に刷り込まれる癖は治らないんだよ!解ってんのか?大人ヤロウ!
――これは
事実のひとつが!
裁判ファイル管理簿(裁判記録文書)によれば2017年、愛知県で大人になっても実の娘と、長年にわたって、性交しまくってきたとして準強制性交(法律概念は。相手をその気に陥れて、これを心神喪失ともいって。その状態にさせて性交の膣性交・肛門性交・口腔性交の何れかに及ぶ)の罪に問われた実父に「無罪」判決が言い渡された。
ありえない! 実の娘とセックス。場合によっては小中学生から。しかしそのような数が少なくないという現実。
一体世間ほど、法律ほど、いい加減なやつらはいねぇ!
管理記録によれば、父親と実の娘19歳は勤務先の会社やホテルで性交三昧……三昧ということは両者の合意でしかあり得ない!?
父親は準強制性交の罪に問われ懲役10年を求刑された。
検察側は「中2年の頃から性的行為が常態化し、生活費及びその後の専門学校の学費を負担させて貰っていた立場から抵抗すればその二つを失いかねない」と主張。
弁護側は「ハッキリと拒否した抵抗の形跡はない、寧ろ進んで児の方も甘受しなければ長年の性交は成立せず。したがって同意と同じ」と反論。
名古屋地裁岡崎支部は「性交は娘の意に反するもので、抵抗する意志や意欲を奪われた状態だった」と娘の同意はなかったのだから強姦と認定を下した。
これはパチパチ!
「中2以降に性交行為が常態化していたことは事実。この性行為は親の暴力又は恐怖心によって為されたものではない証として本当に嫌なら何らかの拒否表示はできた筈、しかし漫然と本人である児は受け入れていたというのが事実」と指摘。
このような抵抗皆無、即ち、当事者同士が長年やりまくって、また、回避する努力も見れれなかったことから「従わざるを得ないような強い支配、従属関係にあったとまでは言い難い」と断定。
つまり、娘が抵抗不能な状態だったと認定することはできないとして、長年にわたって実の娘に対し行った性的暴力は認められない――同意の上の或いは伴に欲求した普通のセックス相応であった、と。
よって、犯した筈の父は無罪判決を得る。
親が子にして無罪だぞ!そんなのでもラブなのかいな!?
こんなのは一例に過ぎない。
なかには。
小学生以来、父による娘に対するエッチ行為が続いていたという事実は、むしろ児は快さがなければ続く筈はないのであるから二人の性行為は、世間体は異常と見られても、当人同士にとっては伴に望んだ性行為と言わざるを得ないとまでの学者の論考や裁判規範まである始末。
世間の良識は、裁判所の倫理判断は、狂ってる!
これだけではない。
裸に異常過ぎるほどの執着心、卑猥な行為ほど萌える、変態であればあるほどそうハマってゆく、そな
では、その後生長した子は、異性に対する性意識はどうなるのか? 或いは、社会一般に対する信頼心はどうなってゆくのか?……声になってないだけでどれだけ多くのこのようなラブがリアルに
「『声を殺して家族に迷惑がかかるから!』そんな社会は『死ね!』」と泣き寝入りをしてることを、分かれってんだい!――若し、周りでしてそうなケースを知ったら即通報しちゃえ!――って、万が一その当事者同士が合意の上で為していたとするとどうなるんだ?ここが問題だ。
もし、若しもだけど、自分の愛する子が、又は自らが、父・母から、夫から又は妻から兄から姉から、そうなっていたとしたら平気でいられるでしょうか?――
誰にも一つや二つは有るというが、青海にも自慢できないことが遭った。父は、幼少の頃すでに、実父と別れ、あとで来た義父。
学校から帰るとドアを開けっぱなしで、見たこともない二人が妙な格好に夢中になって絡み合ってて、そっと二階へ、小6の臨海学校一泊後帰ったその日は母の身体中にアザが所々、痛い筈、嫌になってる筈。流石に「逃げよう! 殴ってやる」と母を
以来、父に馴染めない態度をする度に直ぐにグで殴って来る父親、ケダモノ!
或る日また殴られ我慢できなくなった息子は父を掴み倒すと母が、俺ではなく、父を
どの話も好奇心を以てしか見ない
経緯は異なってもこの3人は各人各様似たような、いや、そっくりだ。万事は大人のせいだぞコノヤロウ!
――父親になりきれない男4/5以上。
母親に、妻にもなりけれない女4/5。
モテなくなる加齢に比例して諦めで其其が1/5に改善。
これがリアルってやっちゃ。これが内緒の顔ってやつだ。ダメにしてるのは、口では善い事を云うくせに、
パーカーだ!
一目散に逃げる原チャの中学生イツメン。
住宅街の奥の奥の
ここんとこ
半グレな青海、女には格好良く映る、男のフェロモンが飛び散る。そうなると蝶々が寄って来る。中には「ケンジ命」と股に彫る者まで。就く仕事先は風俗系しかなくなる。就職先の旦那になる筈だった者の多くは逃げてく。日本ではタトゥーは異文化扱い……実は欧米でも内心では昨今異人種扱いする傾向になってる……何所かの未開の
一時の妄想が為せる
「ねーぇ、うちのこと好きなの?」と咲は青海の顔を
「俺に係わってるとオメエ不良になるぞ」
「もう不良だからいいの」
「じゃ、やめとくわ。これ以上俺、不良になったら人を殺すぜ」
と、何が何だか
しかし、
若者の唯一の財産は「純」である。これを失ったら日から
江の電の鎌倉高校前駅。眼前に広がる大海原。そして、富士山が迫る無人駅。
偶偶乗り合わせて、途中下車した結菜と青海がそこにいる。
「俺の女にならねぇ!?」
「男の体付き
「…………」 「そんな汚ねえかなぁ」 「オメエだって生えてるだろ」 「生えてない!」 「じゃ、見せてみろ!」 「エロ馬鹿!」 「……って、もしかしてパイパンかぁ」 「死ね!」 「いやぁ、俺れはどっちでもいいんや、お前がお前であれば」
「オマエ、女に生まれて来いや。そしたら構ってやるぜ」
「俺なぁ、その一直線なキャラが放っておけないんだ」
「何だぁそりゃ。告りか!?」
「おめえだって、俺にそう告ってほしかったんだろ」
「…………」
「なんだぁ、赤くなってら」
「ばーかーあー」 「お前、目が充血してんぞ」
これで四台目の電車が通過。
「海っていいよな―ぁ」
「オ―、大きいからな」
「俺も大きいぞ」
「なんだこのエロ気違い」と、自分だってデッカイぞと云い掛けた結菜。
ここで初めて二人とも草笑い。
「そう! 海は広いしすべてを飲み込んで綺麗にしてくれる。だからわたし、好き」と柔和な顔付になる結菜、その瞳に海の輝きが照っていた。
ギュッと青海は結菜の手を握る。
結菜は青海の手をそのままにしておく、が、ひと呼吸すると握り返す。
するとその手を温かく包み返す青海。
「なーぁ! 困ったときはわたしに相談して」
「おいおい、逆じゃんか」
結菜は初めて男の衝動を内に感じた。青海は初めて
江の島のマックに暴走族・旧車会が集結とのニュースが青海らに届く。
代替わりしたリーダーが仕切る二十歳前後を中止としたビッグな組織。
しかしこの日も、青海は動かなかった。
時に300台もが集まって国道上でドラッグレース(直線コース上で停止状態から発進しゴールまでの時間を競うモータースポーツ)やカーレースをして50台以上のパーカーと争うのが好きな連中とTVやニュースで聞いていたからだ。一体警察と争って何の得があるかったんだい――何何族っては他人に迷惑をかけずに仲間同士が集結して楽しむ会じゃねえの。
「けんど、このまま黙っとるんか?」と最近
「なんでや?」
「三組の仲村がここ半年ずっと毎月喝上げに遭っててよ。生活保護所帯の母子家庭を狙うなんてサイテ―じゃん」
「マジーぃ! わかった! 伝えてくれ、タイマンで話し合いたいと」
いつでも来いやとの返事が届く。
さっそく独りで乗り込む――背後に根回をした3年や卒生らを含む隠れた16人程の兵隊と。
「お初す! チンケな青海って申します。生活保護受給者から金を脅し奪ったやつがいるのが黙ってらないんで
「チュ―ボ―がよ,よく聞け! って主、このままノガキだけ垂れて帰れるって思ってのか」
「タイマンの逃げの口上すか!? 番張る男なら1対1見せてみいよ」
「おいおいケツの黄色い猿が騒ぐんじゃねえよ」
「そうけそうけ!! 反射神経マックスが中学生っての見せてやってもいいんだぜ(保体の先生曰く「8歳から13歳までが運動神経中の反射神経はイチバン旺盛」と聞いたのを信じ切っていたのだ)。
「オイ! 誰だ?保護所帯から金を奪ったやつわ?」と猫顔のソウチョウTワンピな特攻服をまとった女子が怒鳴る。
「馬場じゃねぇ!?」
「あれ? さっきまで居たんだけど……逃げたかぁ!?」
な遣り取りを聴いてたリーダーが豹変「分かった! あとは俺らの掟があるんで任せてくんねぇか」 「が、オメエさん、マジ勝てると思って来たん?」
ヒューッッ!と口笛を吹くと青海の兵隊たちが出てくる出てくる四方八方から。
「何じゃ、パイプで叩いてもバイクに原チャ勝てると思ったんか? 追いかけたらイッパツで自滅じゃろ」
「いや、パイプの先を視てや、尖ってるだろ、燃料タンクに穴を開けて逃げるつもりだったす」
「怖えーぇ! キョウビな中学生」
「ねーさんありがとす」
「オオ! よかったな。
「いやーぁ、迷惑掛けるからいいす」
「そっか、なんか、金以外で相談事があったら又来いや」
「あざまーす」
一件落着!(が、その後、半年した頃、旧車会に内部抗争が起き、分派が生れてく。また、これが契機となって爽歌と……)。
「なんで体育は絶対ブルマと決めたん? 見て! あのセンコウのエロ笑い」という咲。
「んだ。だからあのセン公になってから仮病と偽って見学をするやつが増えたのさ」と応える結菜。
「ところで……那津美ちゃんと仲いいよねぇ」と何やら思わせぶりな云い方。
「合うからね」
「それだけ?」
「何云いたいの?」
「いや、訊いただけ」
「思うんだ。普通、好きになると気になって。気になると思いを伝えたくなる、思うように伝えられなくなると胸が苦しくなる、これが恋愛とちゃう!? 偶偶相手が男だろうが女だろうがこれは問題外、男・女に
「経験でもあんの?」
「無いけど動画サイト観たら判るじゃ―ん」
「だね! お互い、普通ラブしてこ―ぜ」
「フツーといや、もうやった?」
「馬鹿野郎」
「結菜タン、でっかいなぁ」(いきなり話を振るな。お前もこの胸が欲しいんか)。
「お前の胸の方が!」
「ちゃうよ」
「知ってるよ」
「あんさ、碧羽が『結菜ちゃんタイプ』なんだって」
「やだよ。お子様ランチ」
「そぉ云っとくわ」
「ね―! こんど一緒に遊ばない!?」
「ォオいいよ」
「ほらぁ! ああやってレシーブできないように投げて転んだ女子の股辺りを楽しんでるんだからなぁ。ホント男ってやらし。ブルマ好きなやつって変態多いよね。ブルマって股もケツも丸見えじゃんか」(この校則を変えない学校の先生は皆知らず知らずのうちにエロ集団になってることに気付け! 長パン、半パンのジャージで充分だろ。それでも校則を変えないなら一度男子にブルマを履かせて見ればわかる、股が露出してなんともいえない
「オイ! お前ら列にちゃんと入って練習せんか」と急にこっちを見て怒鳴り出した先生。先生の子可哀想と云い出す咲、自分で云っておきながらドッキとした本人咲の表情……と結菜までも。
下校しようと下ってゆく校門を過ぎると背後から「
「一緒にアソボ!?」と云うと同時に腕を擦ってきたその仕草、女みたいな悦笑み浮かべたやつ。
「ぁーあそっか。オレ、お呼びじゃねんで他当ってくんねぇか」
「原チャ乗ってるの知ってるよ」
「だからぁ?」
「見つかると呼出しだからぁ」
「テメエ脅しか。いいか!図に乗ってると玉蹴り上げんからな」
傍目には、男女ラブより、BLはストレート・露骨・分かり易い、これが却って美的にも映る。
そう映ると女子が関心を持ちだす、腐女子とは唯その手のラブに関心を引かれることだが、これとは違って「悦びあるとこは何でもあり」と当に自分もその悦楽のようなラブに参加したくなるというのが悦女子誕生の瞬間だ。その美的な格好を自分に置きかえ疑似恋愛を内に描くどころか「せずにはいられなくなる衝動」が奔る。そんな女子が増えてきたのも文化の多様性の一環だ。
多様性と数が多い、ことではない。
幅広く性質の異なる群が存在する概念だ。これがダイバーシティだ。
ダイバーシティとは、多様性だ、偏見なく受け入れることだ――数は少なくても歴とした地位を得ることだ。
しかし、世間は非難をする傾向が依然として強い。
非難の理由が曖昧、男女じゃないから子孫を残せない、自分と異なって少数派だから、道徳が乱れるから、等と云い出す。道徳とは何だ?守れ!という規準だろ、これが先入観をもたらす、差別意識を生む。旧人類ともいう。化石になっちまえ!
愛の形くらい自由にさせろってんだい!愛は悦びなんだから!……世界はその方向に進行形なのだ……事実婚と同じようにさ。
だから、青海も自分の愛の形を選んだだけっよ!
ちな、ダイバーシティとは実は日本には或る点においてだけは早くから始まっていたんだ。正室である奥さんと間の子が天皇になったのは天皇制2700年のなかで僅か数人って知ってたか?
圧倒的大多数は側室の子が天皇を継承してきたんだぞ。
ところが儀式や古い習慣が大好きな国民性がやたらに美化し過ぎるから、結婚とは!男女とは!愛とは!と手前勝手な屁理屈を並べるようになったんさ。お内裏様、二人の永遠の愛、は小学生までの物語に済ませてほしいわ。
多様性の意味をもっ回考えてみるだけでもいいじゃね。女子が女子と恋愛して、結婚したって、何所がワルい? 好きならどんな形であろうと何所が変? 愛って
愛をこうだ!とキメてると勿体ないぞ――そこにはどれだけ悦びがあるか知れ!ってんだい。
「愛は、倖を開放してくれる。決して他人の(云う)奴隷に終わってはならない。」 「そうかもしれない」 「そうだ!そうだ!」と時代は進化してるのだ。
せっかくの日曜だというのに夜明け前から降り出していた大雨。庭の
母は急な祖母の看護の為留守をしていて。父はゴロゴロと寝そべってTV。
すると突然こちらに向き直って「結菜ぶっちゃけ云うがな。娘は父親に顔が似るというの知ってるだろう。お前と俺は似てるか? 血の通ってない親子つまり分かるだろ!? 俺らは男と女ってこと。父さん、お前を作った覚えが無いんだ。母さんが先にイっておれのは出てない筈。俺が嫌いか?」ゲッもうズボンはテントだぜ。そう膨らんだズボンを見た結菜は聞こえて聞こえなかったふりをしてその場を去ろうとしたとき、ショーパンの端を握り一気に下ろした父の
抵抗、バタバタ逃れ、流れのままのに受け入れた小3時の行為、のこれら三つ巴が一遍に襲ってくる。
ついに観念。一枚一枚上から下まで剥がされ裸にされても変に恥ずかしくなくなった。
されるままにしてる自分一体何なんだろう?
何所を摩られても特別善いとも感じなかったがそれを上回る悦びの声とも息ともつかない空気を吐く
内に留まってく
ふと目を覚ます。目の前に父が立って「風邪ひくぞ」とタオルケットを掛けてくれた――やはり膨らんだズボンが目の前にあった。
ああーぁ! 嫌ダ嫌ダ!! どうしてそんな夢見るんだ……今更。
「あ、宿題の約束してあった」と云い繕い
こんな体験、同じ目に遭った者でなければゼッテイ解りっこない。その証拠に、別格な卑猥事として処理したがり、普通の常識事として見ようとしない大人の非常識さ。
咲の家では。
「オイお茶」と云った父に母はお茶を置くと「お昼はお蕎麦にしますか」すると、声にならない父の吐く息が「うん」
これがかつてアツアツに恋愛をして結ばれた夫婦かよ、あー、いやだ。たまにはやれよ、あ、そうだ、うちもしなくちゃ、だからイライラが何処かに宿ってモンモンとなってヒスか。と、昔のアドレスを探り出す。デートクラブ宛のが出てきた。
アタリメエだ、エッチは子を作るためじゃね、楽しむもんや、スポーツと同じや、経験したことないやつには分かりっこね。
美的なメイクラブ、TVドラマのよう、結構結構! そう思う人には百パーセント紳士淑女なラブとなるだろう。
どんなラブ格好でもいいじゃないか、見た目ではない、どんなに恥ずかしいことでも気持ちに焼き付くラブが上等。
愛は、道徳ではない、紳士淑女行為でもない、分かち合う気持ちを高め合い互いの人格を認め合う気持ちなのだ。
花火の形は消える。心に萌える歓びは見えないが残ってゆく。
あのオーガズムは一度蜜の味と知った者しか分からない。あんな虫の汁なんてと思ってるやつは蜜を知らないやつだ。愛を語る資格はねえ! 得ることもね! どれだけ蜜には栄養素があるか――両思いのラブは蜜の栄養素なんさ――肌は綺麗になるし活力は湧くし。
どんな
辛くてもカレーは、キムチは、麻婆豆腐は、旨い味だと知らないやつだ。
こんな経験をしたことない人は徒の人、品行方正な御方。愉しさ無くしてどこが品行方正だ、品行方正だけで幸せになれるてっのか? 幸せって何だ? 自分を、相手を、愉しむ事だ。
と
期せずして同時に似たような、邪か、自然か、分からないが
――自分自身が楽しんでるのは過去の出来事、悩んでいるのも過去の事だけ。その喜びを、そして、その悩みを通してのみ、 自分が、何を捨て?何を求めるか?を過去は教えてる。――
キャッ!ホッホッー!! 両手両脚広げて! 海が下に目えるから鳥になったみたい!と下り坂道を四本の腕と四本の脚を空に浮かせ、かっ飛ぶチャリ上の結菜と那津美。
そこは湘南海岸公園。
海にサーフボードに空に富士山を望む広ーい緑地、レレストランもあって。
若者同士なら芽生える筈の無いロマンスも芽生えるさ。
誰でも気軽に利用できるサーフビレッジもあって。そこにはコインロッカーが備えてあり公園や芝生が一面に広く見渡せる広場で一日中遊ぶ人たちも。
ビーチスポーツやライフセービング活動等の支援活動などを積極的に行っているスポットでもある。
具いっぱいのタコメシ600円なりはありがたい。
「きれーい!」
「だねだね!! 綺麗じゃなきゃ何も始まらないさ」
「ねぇ、うち、綺麗?」
「いつも綺麗だよ」これでいいだろ。
「ぅん、あんさ、めちゃくちゃにして」
「えぇ、滅茶苦茶って?」
「だってーぇ、盗られたくないもーん」
「盗るって、何を? 誰が?」
「青海ってやつ好きなんでしょ」
「あーねぇ、あいつは友だち。って話してみると結構良いやつ」……かもね。
「触ってい?」というと、もう既に云うより早く那津美は結菜の腰掛けていた膝から上へ指を徐々に伸ばしていた。
「なぁ、俺ら、気持ちが一つになるから付き合ってるんだろ。と云うのは、もしかして気遣って、オレを喜ばそうとして、ムリして体を触ってくれてんのかなぁって」
「違うよ! うちが感じるからだよ! ドンカンw」
「ウレピこと云うわ。触って!思いっきり触って!」
そういうと二人の顔はゴロっと空を向いていた、互いの脚と脚が互いの所に交互に置いていた――ここが部屋なら……と妄想するほどに。
「捨てたら殺すよ」
「オイオイ、捨てるとか云うなよ。あ、オレが他の男と何するかと思ってない?」
「うん!思ってる」
「仮に、仮にだけど、そうなっても那津美は那津美、好きは好き、どこまでも」 「って、那津美も素敵な男子に巡り会えたら堂々と恋をすりゃいいよ。でもオレの気持ちが変わることが無いことを忘れないでな」
「えー! しないもーん」
「それで那津美は欲求不満にならないの?」
「そのときはそのとき。その手の男ならいっぱい居るから」 「いや、心じゃなく、身体が満たされる男ってこと」 「ねぇ、うち、変かなぁ? ってホントは私の事疑ってるでしょ」
「疑う? 何が?」
「いや、何でもない」
「『欲求不満のときは、云々、その手の男ならいっぱい居る』と今云ったよな、なーるほ、どうしても体がモンモンとするときはその手の性欲の捌け口にリア充となるその手の男の許に行くと云ってるようなもんじゃん」とオレに宣言したな、正直過ぎるぞ。しかしオレにはできない、が、体は満足しても気持を充実させたいときには今度はオレへかぁフムフム。
ってことは那津美は遊んでるなぁと六感が過ぎった結菜。
しょうがない、一度美味しい味を知っちゃうと又食べたくなるしね。
言わないでそっと見守るのも友情かなって――自分だって人に偉そうなこと云えない――いつなんどき父にまたブッ込まれるか……って、本当の親なのかしら?。
――「
「もっともいやらしい男性は、自分の性的な力を自慢にし、セックスをまるで優勝カップを取る運動競技のようにみなしている人たちです。セックスを心楽しいものにするために男性が刺激しなければならないのは、女性の心です。」マリリン・モンロー(16歳で結婚。世界ナンバーの女優となり。その後恐らくは世界で一番多くの
「セックスは体操よ。どう体操するかで体の何所が鍛えられ、どこが衰えるかなのよ! あれもこれもな体操で鍛える人は体も元気になって心は健やかになるんさ。」と、結菜に過ぎった。
「青春とは、
「あのさ。今度の連休に車でお泊りして白浜にサーフィンしに行かない!?って誘われてんだけど行く?」
「白浜? 綺麗な名前。何所?」
「勝浦と云う所らしいよ」
「勝浦? 浦島太郎の所みたい」
「それどこ? 誰が誘ってるの? 第一うちら車持ってないのに?」
「千葉県の南房総だって。オリンピック競技大会にも決まってて国内では最高の波らしいよ。颯汰から。そのお兄ちゃんの颯希っていう人がワンボックス持ってて」
「へぇー、そうなんだぁ、どんなとこなんだろう?」
「言うことには。海岸沿いに全国から初級から超上級者まで楽しめるサーファースポットが70か所以上も点在、凄くない。飯岡エリアってバラエティにとんで波に乗れて、夏は海水浴場としても有名なんだって。他にも吉崎浜ビーチは堤防に挟まれて波の質は揺るかで女子には安心してサーフィンが楽しめるらしいよ」
「うん! 行く行く!! うちらとその兄弟の四人ででしょ」
「車でお泊り。中学生はホテルに泊めてくれないし」
「へ―ぇ、ステキーぃ! 一緒のお泊り初めてぇ!」
「いや、違くて。青海と咲も一緒だよ」
「えっ……やめとく」
「どうして? 近くを通っている黒潮のお陰で、全国で一番花栽培も盛んで真冬の二月でもポピーって花がそこいら中に咲いてレストランの女の子は半袖なんだって。気にしないで一度行ってみようよ」
「えぇー、やだぁ。咲ってうちの悪口言ってるし、それに……」
「それにって何?」
「青海に盗られちゃう」
「そうかぁ……じゃあ!
「だいしゅきー!」と云って体をぶつけてくる。女の子って可愛い仕草するな―ぁあ。
「あ、そっだ。颯汰って池様をいいことにあっちこっちの女子をよく誘うんだって」
「う? 那津美も誘われた?」
「『も』って結菜も?」
「実わ」
「ウヒャヒャヒャヒャ」と云って二人とも馬鹿笑い。顔を見合わせ再び草吹く。
男ってしょうがないドウブツ。うちらはその都合のいい女にだけはならないように気をつけよっと。
だだ!! 男って可哀想、一人の女から深くたくさん貰うより、少しずつ愛を分散して貰ってるから喜びも幸せもちっぽけずつ細切れに。
ホントホント!!(と云いつつも。女もそう云い切れない。モテ期をいいことに蝶々となって花から花へと……)。
日本初のフレンチトースト店。
青海が、そこの割引券あげる!今度一緒に行こぉ!と貰っていたが那津美と行こう!となって。
大きく
江ノ島300度展望はむろん富士山も手が届きそうなサムエル・コッキング苑(明治時代の英国人貿易商「サムエル・コッキング」に由来した和洋折衷の南国の花々、四季折々様々な花や植物がニッコリと迎えてくれる植物園)の中にあるカフェ。
本場フランスの「パンペルデュ」という調理法らしいが、このフレンチトーストは、食ったこともない、絶品!
スイーツとコーヒーで潮風を感じながら口にするとそれはもう甘く、何も要らない!となっていた。
「いらっしゃいませ」
「ぁあ……これのお代わり!」
「いいのよ、これ私からのおごり。青海くんの友だちでしょ!?」
「あ、はい。ありがとうございます」
「わたし
「えー、あのカツアゲのときの莢歌……さん、ですか」噂はとっくに広まっていて。生活保護者の友だちが喝上げを食らったことに青海が義憤を抱き暴走族グループ旧車会に乗り込んだ際に、ガチ一瞬触発タイマンかと思いきや、そこの
「あなたが結菜ちゃんね!?」
「はい」
「『綺麗なやつ』って言ってたけどホントきゅーとな小顔の八頭身美人、女香が
「いえいえ、お姉さんの方こそ美肌に美脚(……グッと来そ……ヤバ!もぉ想像してら、抱いたらどんな顔になるかなぁ)」
「タメ語でいいよ。あいつ見掛けによらず純なとこがあって――三個下だけど一筋根性の入ったとこが放っておけなというか気になってさ」ゲッ惚れてんのかぁ、いや、青海が口説いた? ま、どっちでもいいわ。
「ぇえ、確かに、話してみると一本、筋の通った男前……かも」
「あ、油売ってるとヤバェから。バイト中なんで。後でよかったらアド交換しない!? じゃ」
「へーぇえ。青海ってモテモテだね。結菜ちゃんどうする?……うちを捨てたら殺すからw」
そっかぁ、殺したくなるほど俺を愛してるんか……「男は皆んなそうだから。イチイチ真に受けてたら
「あっ、見て!咲が居る」
「うん、知ってたよ」
「って何? あのオヤジとイチャイチャ――よく真昼間から堂々とやるわ」
すると目線が合って席を立ってこちらへ向かって来た咲。
「こんにちわ」
「ちょっとごめん、トイレに」と云って席を外れる那津美。
「変な子」
「じゃねだろ。お前さ、彼女の悪口やめろ」
「してないよ。うちは普通に友だちのつもりでいるけど……誤解してるんだよ」
「ま、いい。ところであのオヤジは?」
「わたし、引っ越すかも」
「それとあのオヤジと何の関係が? あんさ、まさかと思うけど」
「言うな! エンコーオヤジと思ったと云いたいんでしょ。そんなんじゃないよ。パパの秘書だよ。世間体があるから一緒の家で住もうって話」
「一緒の家って?」
「う、渋谷の松濤ってゆんだけど知ってる? そこに来なさいだって」
「ぁあねぇ分かった! あの自民党の大幹部だもんなぁ。え? 奥さんがいたんじゃねえの?」
「別居離婚(「別居が5年以上継続している場合が離婚原因に追加。性格不一致なら別居なら二・三年で離婚理由になるという判例」民法752条の同居義務違反)になって、このままじゃ世間体にも何だからこの際離婚をして正式に暮らそうだって」
「へー、言っちゃなんだけど相当な歳じゃない。あ、わり」
「ううーん、いいの。ママと40歳以上の親子程の年齢差だけど。あのね、似た事件があったらしくて『宇野という人が首相に就任した3日後に愛人を囲っていたという理由で69日後には辞任せざるを得なかった』ってママが云ってたの。だから……」
「そんなことあったんだぁ。それより実の親子なら一緒に住むに越したことないんじゃない」
「やだーぁ、あんなお爺ちゃんと、うちが恥ずかしいよ。ところでさ、うちの事情よく知ってるね、誰から聞いたの?」
「いや、皆んな知ってるよ」
「……そうなんだぁ」
「あのぉ……ちょっと失礼します。私はこれで。車で行きますから咲さんの足が無くなると思ってこれはタクシーに使って下さい。では失礼します」とテーブルにタクシーチケット一束を置いて去る。
「スゲー、10万円くらいありそ、気前いいね」
「政府関係者は皆タダで貰ってるんだよ(実際は、地方公務員の一部を含め国家公務員なら全員が支給されている)」
「そうかぁ、で、引越しの打ち合わせ、つまり、転校先の話で来たのか?」
「ちがうよ。私がゼッタイ行かない!って云ってるからそれを変えさせようとこうして」
「で、そうするの?」
「私が行かないとママが行かないって。行けば……」
「そっかぁ、『行けば……』って青海と離れることになるもんなーぁ」
「いいの! 仮にそうなっても東京からここまで40分少しあれば着くから。あ、云わせた」
「云った!w マジな気持ちをあげたら青海も咲のこと大好きになるんじゃない」
「マジマジ!!してるよ!……ってゆか、本命は結菜だよ。『あいつの傍に居ると落ち着くんだよなぁ』って云ってたし、結菜ちゃんのことをいつも訊いて来るんだよね」
「やってないからだよ。したら「釣った魚に餌をやらない」的に又他の女を探すタイプだからさ」
「アイツさ!モテるからなぁ……」
「ちょっと小耳に挟んだことがあって。颯希さんのつまり颯汰のお兄さんに当るんだけど、妹さんが真剣ラブを青海にしてことがあってその妹さん
「それ誰から聞いたの?」
「颯希さんから」
「えっえ!結菜、颯希さんとも付き合ってたの!?」
「ワンちゃんがぐったり死にそうになって私マッハで抱いてお医者さんの所に行こうと走っていた時に偶偶通り過ぎようとした彼の車に乗せてもらってそこへ連れってくれたことが縁で」
「へっへーぇえ!だね。根は善いやつなのにヤバいね、武郎って完璧ヤリモクじゃんか」
「武郎の子かどうか分からないけど。あーぁ、そうだね。えっと誰だっけ? ほらさっきの人?」
「莢歌さんか?」
「そ。その人武郎と青海ともやったらしいよ。で、その後もつづいてるみたい」
「まさか!」
「『年上のテクって流石』って皆んなが云ってるとか云って、本当は自分のこと云ってたりしてさ」
「ゲッ! あんさぁ。やるって、キモチがたまらなく、いとおしくなって
「結菜さ、那津美とやった? 正直!」
「テメエ! 殴るぞ」
「結菜170超えしたっしょ!?
「ならぁ、そうされたくなるよう自分を磨いたら誰かが転がリ回してしてくれんじゃね」
「『転がしまくる』う? キャ! えっちぃ」
「ばかやろ! 自分から云い出したんだろ」
「綺麗だよーぉ」
「あれ?トイレが!?」
「ちゃうよ、南国の花の原色が光っててさ」
「あーぁ、植物園見学してたのか」
「じゃ、うちはこれで」 「あ、今度一緒にあそぼ、那津美ちゃん!誤解だよ、うち、悪口云ってないからね」
「うん、ありがとう」
席を立って……直ぐに戻って――その一束を手にすると
「ね! またうちのこと色々言ってたでしょ」
「いや、そうじゃなく。東京に引っ越すらしいぞ。なんでも実の父が一緒に住もうと云って。でも本人は遠くになるから行きたくないみたい」
「あれーぇ? うそだぁ。片瀬江ノ島駅で深夜12時過ぎに改札から出てくるの今迄私何回も見たことあるよ」
「……ってことは、那津美もそこ居たんか。なんでや? そんな深夜に」
「ちょっとね。パパと大喧嘩して頭を冷やしてたら……」変じゃね、何回も深夜にか? ま、いい。
「そっかぁ……父親って親じゃなく男に
「男って? マッドって?」
「親らしく無くなくなってヤリモク目線になるってやつのこと」
「あの
「なんじゃそれ!」
「だってぇ……どうやってイかしてもらってんの?って訊いて来たことあったから。あの子自分も
「で、何んて応えたん?」
「馬鹿じゃないのするわけないっしょ。唯の親友ですって!」
「いやーぁ、バレたらバレたでいいと思うときあってさ。却って隠れてするよりもこんなラブもあり!って堂々としたくなってよ」
「それ!思った。恥じることしてないもん。当り前なことしてるのに勝手に決め付ける頭の方がよっぽど変態」
「確かに変態。あそこまでしてくる那津美わ」
「あ―ぁあ!云ったな。アノトキの声・グチャグチャな顔今度録画して見したるわ」
「オイ! まだ真昼間だぞ。それにそれって全部、那津美の
「ねー、今度何所かお泊りで遊びに行きたーい!」
「オー! そしよ」
「もっかい鳥しよ!」
「今度はヨダレ肩に垂らすな」
「……出てたぁ!?」
「じゃぁ!行くっか」
爽歌さんの方へ寄って「今日ありがとうございました。綺麗なお姉さんにおごって貰ったの初めてです」
「今度おごれ! と、青海によろしくな! あっ、さっき云ったろ、タメ語で喋って」
「ハァーイ」
「また……心配。どうしてそんなモテモテなんだよ。今度いじめてやる」
「ハッハハハハハハハハ、もう
「はーぃ! S様のS様」
「
「もーぉ、結菜って魔法使いなんだから!いつもグッサと胸に刺さること云うよね」
と、云ってみたが、ホントは相性(気持ちの合唱)なのかもしれない……とも思った結菜。
この頃、結菜と青海の会う頻度は増えていた。
七高坂に出ると、左に住宅街、右にも人人の暮らす家家、このど真ん中に空に浮いている大海原。とてもとても不思議な光景が迫る坂の上からDEKAVITA(サントリ炭酸水)を口に自撮りする結菜と青海。
「も―お、あんなスピード出すなら乗らないから」
「わりわり。喜ぶかと思ってさ」
これより数時間前。
「触らないでよ!」
「どうしたんだよ?」
「自分で考えろ」
「妬いてるのか!?」
「日本語は正確に云え!」
「ん?……」
「鈍感エロ! 『
「お前だって那津美とやってるんだろ」
「凹凹同士でどうやってやれるんだよ? 咲とは凸凹同士だろ、いつでもハマるじゃん」
「それとこれは別やーん。好きなんだよ結菜が!」
「あっちこっちの女子に手を出してるだろ。お前の本心は何処にあるんだ? いい加減しろってんだい!」
「ヤれるからだ。女子には男の生理は分かんねえだろ! 気持ちと身体は別なんだよ。気持ちはいつも結菜にあったんだ、信じてくれ!」
「よく云うわ!好きって。じゃうちだっけて証拠見せろってんだい」
「この通り! 顔見てくれ! ガチ本気だから」真剣、真面目、誠実、っぽい……もしかしたら本当かなぁ!?と思った結菜――自らにそう思わせたかった。
とまぁ、云いたいことを云って1/10ほどの
由比ヶ浜の砂丘を歩くサク!サック!という
「だよ!海を見てると落ち着くしな。俺らが生れたときから住んでる庭。汚してる東京の連中に住宅地が増え過ぎなんよ」
「青海!お前、いろんな女とやってると大腸菌で汚れるぞ」
「またかよ、してないって!」
「『した!』って爽歌さんが云ってたぞ」
「会ったのかぁ……あれはしょない。なりゆきってもんだった」
「ほれ見ろ! やってんじゃん!」
「ああーあ! ひっかけたな」
「だからお前はコドモってゆうんだよ」
「だって結菜はやらしてくれないじゃん――だから」
「なにそれ! やらせて下さいって云わないじゃん」
「やろぉ!」 「ちげだろ! ください!は?」 「して下さい!……」
簡易のトイレボックス内に入ると「入れるな、外に出して」と二人の行為は進行形へ。
「最初の男とはもっとロマンチックな場所と思ってたけどトイレかぁ、でも良かったよ」
「ゴメ……直ぐ終わっちゃって。同いやつでもいつもならもっと長く続いたのに」
「同じ? 誰? 咲かぁ!」
「…………」 「すまん」
「やっぱなぁ。ま、過去は過去。で、よかった?」
「色が違う、結菜みたいに真っピンクじゃなく、それにあの歳でどうやって知ったかあのテクニッシャンじゃなぁ。あ、云うんじゃなかった」
「で!? 云って」
「イきそうなると、スローダウンしながら、息つく暇もなくいろいろ攻めてきやがって。けどな、出る寸前に頭のてっぺんから足の先まで電気が奔ったのは結菜が初めてだった」
「いつまでも云ってろ!」
「もーぉ、云わない! 許せ!」
「わたしねぇ、やることより、そうしてやりたくなってどう心に残ったか、どんなふうに気持ちが通い合ったか、みたいなセックスをしたかったんだよね」
「『したかった!?』って、誰と比べてるん?」
「乙女心の妄想ってやつね」まさかパパにやれていたなんて言えるわっきゃない。
「うちのことどのくらい本気?」
「『わたし、うち』って結菜が云うの初めて聞いた」
「一応女ですから」なるほー、確かに変身したと妙に納得する結菜……でも、男とする感覚と女とする感性とはちょっとちがうんだよなぁ……。
「一途とか一筋とか云うのは簡単。二十歳になっても百歳になっても傍に居てくれるだけでいいだぁ。これが一筋ってやつだ」そう云い切った青海の横顔に波の光が反射して神々しく結菜には見えた。
「マジィ!? 青海ってちょっとキザだね。先のことは先のこと。仲良しがつづいてけばそうなるんじゃない!?」
「な! 乗れ! 背中」
「いやァアアアア! もっと走れェエエエエ!」
おんぶした青海、された結菜、まるでジェットコースターを楽しんでるよう。通行中の人たちも呆れた顔して。
「うち、中三になったら寮のある高校へ行く」
「俺、四大付属高を目指す」
「生まれて初めて、
「初めてだ、女子が
と、波間に声がした。
「久し。ね! 見たよ。那津美がガールズバ―近くで散歩してるのを」
「咲ってどうゆう人かなって? ゴージャズなホテルでランチをお父さんらしき人と食べてるのを」
な
いくら綺麗な光景を臨む海岸沿いだからって夏の国道イッチサヨンを走る車は馬鹿だ、百メートル行くのに一時間ってこともある。裏道・抜け道はね。最初から
「今日会いたかったぁ」那津美の結菜に対する電話での第一声だった。
「何だよ、今更。いつでも来りゃいいだろ」
「ビーフシチュー好きだって結菜ちゃんがゆってたから私作ってみたの。でも風邪かなぁ。熱っぽくて、移すとイケないから持ってけなくなっちゃた」
「そらぁあかん。寝てな」
さっそく冷えピタとパイナップルのカットフルーツ、チョコレートも。風邪には効くらしいからと買って那津美んちへ行く。
両
ホントだ、寝てれば治るから! ありがとー! したかった! 馬鹿じゃないの!こんな風邪どきに。 治ったら取り戻そ! うん!ゴッホホッ。 じゃねぇえ!
作って貰ったビーフシチューを片手にすいすいチャリを飛ばしてくと「よ! 姫!」と呼び止めた颯汰。振り返るとニッコリした顔に花火を持った手。
「どこでやるの?」
「ダチらと思って……けんど……もし、よかったら二人でしちゃおっ!?」
「うん!」
「ヒュー!ユルユル!!……ドン!」
「きれーえー!」
「青海に怒られるな」
「よく分かんないんだ、彼氏ってどういうのか?」
と云って、颯汰の顔を見ると哀しそうな表情をしてる、「……う? どうしたの?」
「いや、なんでもねえ」颯汰の目元が濡れていた。
「あ、お姉ちゃんのこと想い出したぁ?」自殺と皆んなは云っていたり事故だったと云っていたり殺されとか、を聞き及んでいたからだった。
「アイツさえ居なければ亡くなってなかった……」一年前の夜、出たっきりで帰って来なかった姉の当時中三の
「アイツって?」
「
「ぅう? もしかして……あの旧車会の? えーえっえ、どうゆうこと?」
「『付き合おう付き合おう!!』と連日電話メール待ち伏せが武郎からあって。ついにバラの花束を持って
「ウワッ! そんなことあったんだぁ」 「あ! だから生活保護者がカツアゲに遭ったとき青海に『どうする!?』って闘いを促したんだぁ」
「でもぉ……証拠がないもんねぇ」
「間違いない! 三台のバイクとお姉ちゃんが目撃された場所の近くが断崖絶壁。江ノ島稚児ヶ淵といって急な断崖絶壁が広く下ってる一帯なんや。地元のやつじゃないと分からない場所さ」
「あぁ、知ってる。落ちたら死んじゃうよ」 「でも……それとどうゆ関係が?」
「そこら辺まで乗せってて『再度口説いた』又は逆恨みで『
「輪姦ってなぁーに?」
「強姦。何人もの男が立ち替わり入れ替わりヤりまくるってこと。でもその可能性はないかなぁ」ああ、何所にも居るんだぁと思い出した結菜。
「とゆ事は、追い詰められて足を滑らせ断崖から落ちた?」
「多分そ! 又は憎らしくなって、突き落とした。警察の検視で精液が無かったって云ってるから」
「とも云い切れないよ。寒さと塩水に弱いんだよ精液って。イっく寸前に抜いて体外に発射した瞬間、外の空気は体内より低いしその上落ちたときの海水塩分で消滅しちゃうらしいよ」
「詳しいな」
「常識だよ。男のソレって凶器になるしね。知って防御。知らないと損するのは女だけ」
「なるほー、知らなかったよ……えー! ヤられまくって放り投げられたってこと!? 殺したる!」
「ゴメゴメ云い過ぎました。一往想像だから」
「どーして好きなら優しくしてやらないだろう? その方が自分の方だって好かれてゼッテイ善い事がある筈。誠実味のない付き合いは恋じゃないよ、犯罪だよ」と云うと結菜から顔を横を向け。また泣きそうな顔付になっていた。
これを見た結菜は「男子にも良識あるやつがいるんだなぁ」と初めて、いや、青海との二度目の
「でも変だなぁ。当時、爽歌さんが武郎の彼女って私は聞いていたけど。しかもどうなってる分からないけどその後彼女は青海とも同時にヤってらしいよ」
「ん? じゃ疑わしい犯人は誰だ? ヤキモチからお姉ちゃんが憎らしくなって殺したか? そこまで本人がしないまでも誰かにそうさせるように仕組んだとか? 妊娠させたことを隠すためにお姉ちゃんともども子も消っちゃおとしたか?」
「云えてる。かも」
「って、俺!ゼッテイ許さね! お姉ちゃんを殺したヤツわ!」
「うん、わかる!」
「あのぉ、ところで結菜さん青海のこと大好き?」
やっぱ来たぁ「だからさっき云ったじゃん。彼氏しかどうかわからないって。そもそも彼氏ってなんやねん?」
「青海とやったんだろ。それでも俺は気にしないからさ」
「気にするのはこっちだよ」
「なんで?」
「二股はヤベェ」
「いいじゃんか、どっち道今だって二股してるようなもんじゃんか。那津美とさ」
「お前殴るよ。うちらは心友。心友なら相手の為に一所懸命に思って遣るのは当然っしょ」
「体もかよ、変だよ」
「変じゃないよ。相手の為って心身の事じゃん。もうこれ以上云うなら私帰るから」
「分かったよ。じゃあ、してくれるまで俺、待つから」
「馬鹿じゃねぇの」と云った後で「マジ本気かも……こいつ可愛い」とも思えてきた結菜。
――気持ちを開かすのは心であって体力では決して開かない。いくら美辞麗句、いくら力任せ、けっして心が開くことはない。
ジャスミンという花は何処の家にも見受けられるありふれた花よ。買っても僅か2・3百円、がその香りは花中でナンバーワンな
この花の茎は独りでは立てません。その若葉をもう一方の枝に巻き付けてその身を立てて生きるのです。巻き付いてツルとなった我が身は相手となっているそのツルしだいで咲き行く先が決まる。
香り高いジャスミンよ、負けるな負けるな!! 自分の花を咲かせ!
我ら若い中学生。
それが中学生の誇りよ! 特権よ! 実力よォ!――
と同時に過ぎってしょうがないときも。
うちって何だろう? 女かしら?男なのかしら?魅かれるのは女子へ!男子からは女のそれとは別の感性が襲ってくることも――まぁ、いい! なるようになるわ! イチバンは自分に正直に生きることだわ!
そこへ突然「青海が死んじゃう!?」と荒々しい声が那津美から飛び込んできた。
「やめろ!冗談わ」
「やっぱ知らなかったんだ」
「ん!どうゆこと?」
「深夜に青海の原チャが、数台のバイクに追い越こされようとしたとき滑って十メートルも飛ばされたんだって」
「え?生きてるんだろ!?」
「死線を
サッと一目散!病院に駆けつけていた。
那津美はじめ咲、颯汰、爽歌、等々……夫夫の関係者が一堂に会していた。「絶対安静」という張り紙があって集中治療室の青海の姿を見ることなくその場を後にする結菜。
「この一週間が山場です云々」との担当医師からの言葉が告げられたからだ。「運を天に任すしかない!」と思ったからだ。
もうひとつ「一体何故?数台のバイクが一斉に青海を追い越そうとしたか? 青海の運転技術からして事故る筈はない! が、数十メートルも飛ばされた。とっても不自然!」 「殺そうとした!?――誰が?何の目的で?」との勘が奔ってならなかった。
そいやー、颯汰のお姉さんが亡くなったのも、どうしても!不自然。奇怪と思えてしかならない。
「愛は、生と死の狭間だ」
「命を吹き込んでくれる」vs.「殺してしまいたくなる愛の裏の顔」
――恋ほど真剣勝負なものはない、闘いだ!生きるか死ぬかの戦いだ! 勝者が居れば、オワル者も死ぬ者もいる。――
この半年後、警察が動き出した。
武郎が、児童福祉法違反の児童に対する淫行行為の容疑で逮捕される、これは別件逮捕であった。が、処分保留(期間内に十分な証拠が揃わなかっため、とりあえず被疑者を釈放すること。刑事訴訟法208条1項に基づく)で釈放される。しかし一連の案件も含めて継続捜査となっている。
奇跡は一生に一度。
二年後、結菜と青海がかつて交わしたことのあった言葉の通り、結菜は全寮制の高校へ、青海は四大付属高へ、と伴に進学を果たし、互いにバイトと奨学金とで助け合いながらワンルームアパートで半同棲生活(この時点で全寮制高の校則に従って自主退学し転校)に入った。
併し、結菜と那津美の繋がりはその後も深まってゆく。これを知った上で青海は結菜を受け入れていた。
そして現在共に18歳、二人の間に六か月になる女の子が生まれていた。唯一つ、相変わらず二人は賑やかな云い合いをする時があっても
ジイ・アイ・ディなわたし、だから何んやねん? 知りもしないで云うかな! いく たいが @YeahYu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます