プロローグ
ケンジは丘の下を眺めながら何か納得したように頷く。
「これは、また暴れがいがありそうな戦さ場だっぺよ!ここならオラが全力出しても大丈夫そうだっぺ!!」
「ヤマトさん!それは自分も一緒っす!これで今まで戦ってきて死んでいった仲間の分まで戦い抜くんですから……」
ヤマトの元気百倍の言葉にアスカも顔を俯きがちに憂いながら頷く。
「まぁ、ヤマト君、アスカ君。思う存分暴れ回って多少ケガするのは構いませんが、お願いですから死ぬのは勘弁願いたいものですよ。傷やケガは治せても死んだら医者の僕でもお手上げですからね。」
コウタはヤマトとアスカの間に割って両方の肩を組みながら優しい顔でニコニコと笑いながら言う。
「我らの城の前に人間どもを発見したぁああっ!全員、集合ぉぉおおっ!!」
カイジン軍の1人が俺達を見つけた途端に鶴の一声で一瞬にして城壁を飛び越えてきたカイジン軍が数万人と現れる。
やはり、いつ見ても禍々しい内面が滲み出た様な狂気に狂った顔をしてやがる。
「おやおや。そうこうとしているうちに敵さんが吾輩達に気付いたようだね。」
「まぁ、こんだけカイジン軍が居るなら概ね作戦は開始して良いか?」
「そうだね。私達に気付いてからまだまだカイジン達は私達に目がいってるからまだ増えると思う。」
「うむ。天は拙者達に味方したようでござる。」
「こんだけ居ればオラ達が気兼ねなく大暴れが出来るってやつだべ!!」
「一気に片付けましょう!そして自分達だけじゃなく、みんなが平和で暮らせる明日の為にも!」
「やる気満々なのは良いですけど、ちゃんと僕が治療できる範囲で帰ってきてくださいね。」
俺達は各々に覚悟を決めて、腹をくくり、そして平和になる世界の為だけに戦争に参加してきた。
この世界で生き辛いと思い考えてた俺達だからこそ、この世界で必要とされる事が何よりも喜びであり自分の自信にもなった。
だからこそ、この戦争に勝たなくちゃいけないんだ。
1番は平和で笑顔で暮らしたい人達が大勢いることなんだけどさ。
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